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秋場所の向正面に「溜席の着物美人」が! 盛夏に着る薄物で観戦の理由を本人明かす「異常な暑さで館内の熱気が凄い」「後半戦は単衣にしたい」

NEWSポストセブン 2024年9月11日 11時15分

 関脇・大の里が大関取りに挑戦する大相撲秋場所が9月8日から東京・両国国技館で幕を開けた。熱戦が続く館内では、ちょっとした異変が起きている。「秋」場所にもかかわらず、半袖姿の観客が大半で、マス席や溜席でもうちわや扇子でパタパタと仰ぐ姿が目立つ。7月の名古屋場所でのうちわはお馴染みだが、本来は気候がいい5月と9月に開催される国技館での本場所では、あまり見られない光景だ。そうして土俵周りで声援を送る観客の姿にも、注目が集まっている。

 例年、9月初旬の東京の平均気温は25度だが、今年は最高気温30度以上となる真夏日が続いていた。そうしたなか、国技館に姿を見せたのが、毎年11月の九州場所では控え行司のすぐ隣の溜席に15日間通い続け、ネットニュースで「着物美人」として取り上げられたこともある女性だ。秋場所の初日は向正面の溜席5列目中央あたりに座り、ハンディファンを手にしていた。淡いグリーンの着物とシルバーの帯という装いで、打ち出し後に本人に声を掛けてみると、こう応じた。

「季節の移ろいを身近に感じながら春夏秋冬のおしゃれができるのが着物です。それぞれの場所に合わせた着物で相撲観戦を楽しませてもらっていますが、今年の暑さは異常ですね。館内はクーラーが効いていますが、それでも熱気が凄い。初日と2日目は盛夏に着る薄物(絽)で観戦させてもらうことにしました。後半戦は通常9月に着る単衣(ひとえ)の着物で観戦させてもらおうと思っています」

 その言葉通り、着物美人は2日目も向正面の同じ溜席に登場し、夏用の紗の濃紺の着物に朱色の帯で観戦していた。大相撲の本場所を彩る着物姿の観客たちも、年々厳しくなる残暑にどう対応するかを考えているようだ。

親方衆や行司、呼び出しの衣装も変わる

 土俵の勝敗に注目が集まるため、よほどの好角家以外には知られていないが、角界では季節に合わせた装束を身に着ける。土俵の周りに座っている5人の勝負審判の親方衆も、季節によって衣装が違う。基本的に黒の着物の上に紋付の羽織袴を着用しているが、夏は白い単衣の着物に絽や紗の紋付羽織袴を着用している。協会関係者が言う。

「幕内力士も夏場所(5月)、名古屋場所(7月)、秋場所(9月)の3場所は自分の四股名を白く染め抜いた『染め抜き』を着て本場所入りするが、それ以外の本場所は羽織袴を着用している。勝負審判も基本的にはこの3場所は夏用ということになるんでしょうが、5月の夏場所は黒の着物に紋付羽織袴を着用している。7月の名古屋場所から夏用になり、今年に限らず基本的に残暑が厳しい9月の秋場所も白い着物の上に夏用の紋付羽織を着用しています。

 行司も冬は絹、夏は麻の素材の装束を着用しているが、手首までしっかり覆われて刺繍が施された重厚なデザイン。さらに烏帽子もかぶる。背中に“なとり”や“紀文”と書かれた呼び出しの着物も夏用と冬用がある。今年の暑さは異常で、上からスポットライトが当たる土俵上を動き回る行司や雑用をこなす呼び出しにとっては過酷です。特に紋付羽織袴を着て土俵上の取組を見つめる勝負審判は大変だと思います」

 今場所も初日にデヴィ夫人が紫のワンピース姿で向正面の東花道近くで観戦していたし、2日目には向正面の最前列に高須クリニックの高須克弥氏と漫画家の西原理恵子さんがペアルックの白Tシャツで観戦していたことが話題になった。3日目にはタレントの勝俣州和が赤のシャツに短パン姿で溜席に姿を見せていた。

 横綱・照ノ富士が初日から休場し、大関復帰を目指した貴景勝も途中休場となって優勝争いは混沌としそうだが、土俵の周りを彩る親方衆や行司、観客にとっては、暑さのなかで熱い戦いを見つめる日々が続きそうだ。

 
 

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