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《乳がん公表の梅宮アンナへエール》羽賀研二、「アンナ関係の取材依頼は拒否」「YouTubeで過去の女性の暴露はしない」“誠意大将軍”が貫く美学

NEWSポストセブン 2024年9月11日 11時15分

 8月13日に自身のInstagramのライブ配信で乳がんステージ3Aで闘病中であることを明かした梅宮アンナ(52才)。その際に話題となったのが、かつて梅宮との熱愛で注目を集めた羽賀研二(62才)だ。民放のテレビ番組からは姿を消したものの、配信番組やYouTubeチャンネルなど、タレントとしてはいまだに精力的に活動している。そんな羽賀がかつて起こした騒動を、有名人批評に定評があるライター・仁科友里さんが振り返る。

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 タレント・梅宮アンナさんが乳がんに罹患したことを発表しました。今や成人女性の9人に1人が乳がんになる時代と言われています。アンナさんの告白に検診に行くふんぎりがついたり、勇気をもらった治療中の人もいるでしょう。アンナさんがんばれムードが起きる中、元カレ・羽賀研二さんが、Instagramやツイッターなどで「連日の報道!女性としてはとても辛い大きな決断!悩み!苦しみ!希望を失った!多くの人達の指標として大きな一歩を踏み出した。(後略)」と、名前こそ明記しないものの、アンナさんへのメッセージと推察できる文章をたくさんのビックリマークと共にアップしました。

 マスコミは羽賀さんに取材を申し込みますが、2024年8月17日公開「Smart FLASH」によると、羽賀さんは「Instagramにアップしてから、取材依頼が殺到しています。10社以上から連絡がありました。でも、これは命に関わることなので、安易に答えるわけにはいかないんです。マスコミの皆さんには、今回の件での取材はお断りさせていただきます」と取材には応じない姿勢を示したのでした。

 それなら、Instagramで世界中に発信せず、個人的にメッセージを届ければいいのでは?と思いますが、40代後半以上の人は、羽賀さんのかつての“戦法”を思い出すのではないでしょうか?

梅宮親子と共に連日ワイドショーを賑わせた

 90年代、羽賀さんとアンナさんの熱愛が報じられますが、他のカップルと大きく違っていたのは、アンナさんのお父さんである俳優・梅宮辰夫さんが、羽賀さんの借金を理由に二人の交際に反対していたことでした。辰夫さんに交際を許してもらいたい羽賀さんが、ワイドショーの取材に「誠意をもって」「誠意を尽くして」と連発したことから、羽賀さんは征夷大将軍ならぬ誠意大将軍と呼ばれるようになります。

辰夫さんがワイドショーの取材に丁寧に応じてくれることもあって、ワイドショーは毎日のように、このカップルについて報じます。たとえば、羽賀さんがアンナさんの誕生日に高級宝飾ブランド・ヴァンクリーフ&アーペルの指輪と車をプレゼントしたと聞けば、アンナさんに取材するのはもちろん、辰夫さんにコメントをもらいにいく。アンナさんは大好きな彼氏にプレゼントをもらって大喜び、けれど、辰夫さんは「身の丈に応じた生活をしろ」と渋い顔。平和な三角関係は、ワイドショーにとって格好のネタで、結果的に羽賀さん、アンナさんも知名度を上げることになります。小さな餌でもまけば、マスコミが来る。ワイドショーの常連だった羽賀さんは、そのあたりのからくりを熟知しているのではないでしょうか。

お金のトラブルに事欠かない羽賀研二

 羽賀さんが世間を騒がせたのは、アンナさんとの恋愛だけではありません。2007年に詐欺罪・恐喝未遂罪で逮捕され、収監されています。刑期を終えたものの、羽賀さんはこの判決に納得がいっていないようで、いろいろなYouTubeチャンネルに出演し、冤罪であることを訴えています。

 そんな羽賀さんが収監前に頼ったのが、警察OBの寺尾文孝氏でした。寺尾氏は警察での経験と人脈をいかして、トラブルを解決する日本リスクコントロール社を立ち上げます。年会費は二千万円、宣伝は一切しないにも関わらず、政治家、企業経営者、宗教団体、著名人などから依頼が絶えず、その顛末を「闇の盾 政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男」(講談社)に綴っています。同書にはこんなエピソードが書かれています。寺尾氏のもとには羽賀さんから「自分は無実だから助けてください」と書かれた手紙が送られてきたそうです。実際に羽賀さんに会った寺尾氏は「よく言われるような稀代のワルには見えなかったが、その言動にはどこか疑いを抱かせるような部分もあった」と完全にシロではない印象を抱いたそうです。寺尾氏は無実が確信できた時でないと依頼を引き受けないため、羽賀さんを無実に導く重要な証言をとってくるように指示しますが、進展はなく、本格的に寺尾氏が動くことはなかったそうです。

 それにしても、羽賀さんはお金のトラブル、もっと言うとお金をだまし取った疑惑に事欠かないなぁと思うのです。

バラエティ番組で過去の恋愛を振り返った梅宮アンナ

 2019年1月4日放送の「中居正広のキンスマスペシャル」(TBS系)に出演した梅宮辰夫さんとアンナさん。元タレントHとの恋愛として、羽賀さんの名前を明確には出しませんでしたが、羽賀さんのことだと容易に想像できるエピソードを振り返ります。上述したとおり、アンナさんは羽賀さんから誕生日に高級ブランドの指輪をもらいましたが、これによってアンナさんは「借金があっても、生活をうまくまわしている」と借金をコントロールできている、借金はたいしたことがないと信じ込んでしまったそう。しかし、指輪と一緒にもらった車は質屋から戻ってきたばかりだったそうで、実際は自転車操業であったことがうかがえます。

 沖縄の商業施設にお店をオープンさせることになった羽賀さん。オープンの日には梅宮さん夫妻、アンナさん、そして、ワイドショーが来ることになっていました。交際には反対していた辰夫さんですが、なんのかんのいってかわいい娘のために、羽賀さんを応援していたのではないでしょうか。しかし、お店のオープン数時間前に、羽賀さんから衝撃の事実を知らされます。開店にかかる費用の数千万円が未納で、このままではお店がオープンできないというのです。マスコミも来ているのに、引くに引けなくなったのでしょう。アンナさんが(辰夫夫妻と一緒に来ていた資産家から)借金をして、ようやくオープンしたそうです。アンナさんは羽賀さんと別れた後も借金を返し続け、その金額は8000万円にも達したそうです。

 これについては「アサ芸プラス」(2019年2月3日公開)が、羽賀さんがお金を借りるために仕掛けた“罠”だったと報じています。確かに、常識的に考えて、お店のオープン数時間前にお金を払い終えていないってありえるのでしょうか。当日は辰夫さん、(辰夫さんの友人である資産家)、アンナさんという経済力がある人が沖縄入りすることがわかっているわけですから、そのタイミングを狙ったのではないかと思えてしまうのです。

 羽賀さんは前述のように2007年に逮捕されますが、アンナさんは2019年1月23日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演した際、「法律で罰せられないギリギリのラインのことがいっぱいあった」「私はいつかこういう日がくるなと思っていた」とコメントしていましたが、羽賀さん、確かにやっていることがギリギリというかグレーな印象を受けるのです。もっとも本人に言わせれば、それは仕方のないことなのかもしれません。

暴露はしない「オンナを守る」昭和生まれの美学

 2016年11月2日放送「バイキング」(フジテレビ系)によると、羽賀さんは知人の借金の連帯保証人になったために、2億4千万円もの借金を返済することになってしまったそうです。また、同番組に出演した元週刊文春記者でジャーナリストの中村竜太郎氏は、羽賀さんは金銭に対する執着心が強く、故に自然と反社会的勢力の人とつながりができてしまうとコメントしていました。そういう環境の中で、いつのまにか、羽賀さんは食うか食われるかという独特な理論に染まっていったのではないでしょうか。

 そんな羽賀さんですが、私が1つすごいなと思っているのが、自分のことならぺらぺらぺらぺらよくしゃべるのに、アンナさんを含めて自分と関係のあった女性について悪く言ったり、暴露をしないこと。羽賀さんと言えば、映画「夏服のイヴ」で松田聖子さんと、映画「生徒諸君!」では小泉今日子さんと共演を果たしており、中森明菜さんとは交際が噂されたこともあります。お三方とも国民的アイドルですし、今のYouTubeチャンネルでは暴露が大流行していますから、彼女たちのエピソードを話せば数字が取れるのは確実でしょう。しかし、それをしない。ジェンダーフリー世代にはいまいちわからないでしょうが、昭和生まれには「オンナを守る」という美学がありました。羽賀さんの沈黙は、昭和オトコの誠意。そう信じて、本稿を締めくくりたいと思います。

◇仁科友里/フリーライター。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)。

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