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【対談・風間杜夫×堀ちえみ】人気絶頂期に撮影された名作『スチュワーデス物語』の裏側「相手が16才の女の子だろうと気を抜けないと思った」 

NEWSポストセブン 2024年9月28日 11時12分

 著名人が憧れの“あの人”と対談するシリーズ「私の推しメン対談」。今回は歌手・堀ちえみが俳優・風間杜夫にラブコール! このツーショットを見て1983~1984年に放送されたテレビドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)を思い起こす人も多いだろう──日本航空(JAL)のスチュワーデス(客室乗務員)訓練生と教官による恋と成長を描いたこのドラマは当時、最高視聴率26.8%を記録し、「教官!」「ドジでノロマな亀」などの流行語を生むなど社会現象を巻き起こすほどの人気を博した。ドラマ終了から今年で40年、いまだからこそ言える制作現場での裏話などをたっぷりと語ってもらった。【全3回の第1回】 

「お久しぶりです。前回お会いしてから11年ぶりですよね、お元気でしたか?」と、笑顔であいさつを交わす堀ちえみ(57才)。それに答えるように、両手を広げ、微笑みながら部屋に入ってきた風間杜夫(75才)。 

「ぼくは元気だけどね、もう後期高齢者だよ。11年ぶりってもうそんなに経つか。ちえみちゃんは最近どう?」 

『スチュワーデス物語』では「ドジでノロマな亀」と言われる訓練生役だった堀だが、実際はハキハキと話し、風間が感心するほど、細かいことまで覚えている。 

「私も元気ですよ」と言う堀だが、2019年に、口腔がんと食道がんに罹患し、闘病のため芸能活動を一時休業していた。いまは完治し、この日も、その場が華やぐような生き生きとしたオーラを放っていた。 

 互いの家族の話などで盛り上がる2人は、普段からプライベートの話ができる仲。しかし初めて出会ったときの印象はどうだったのか。 

撮影の合間に恋のお悩み相談も!? 

堀:風間さんと初めてお会いしたのは1983年、『スチュワーデス物語』の衣装合わせのときだったと思います。風間さんはその前の年に公開されて大ヒットした映画『蒲田行進曲』(松竹)に主演されていたので、私にとっては大先輩で大スター。「あの銀ちゃんの風間さんだ!」と、ドキドキしたのを覚えています。 

風間:当時、ちえみちゃんは16才。アイドルでデビューしてから1年、とても忙しかったから、撮影の合間によく居眠りをしていたよね(笑い)。アイドルは大変だなと思っていました。 

堀:確かによく寝ていました(笑い)。高校生だったので勉強もしなくちゃいけなくて、テスト前は風間さんに教えてもらいましたよね。風間さんは撮影の合間に本を読んでいて、聞くと内容を教えてくれたりして……。 

風間:そうだっけ? 現場は若い女の子ばかりだったから、控室に居場所がなくてね、それで本を読んでいるふりをしていたんだよ。 

堀:またまた(笑い)。ニュースも高校生の私がわかるよう解説してくれたじゃないですか。私は当時、新聞を読む時間がなかったので、社会の動きは風間さんから教えてもらっていたんです。 

風間:ぼくがよく覚えているのは、ちえみちゃんに恋の相談をされたことだね! 淡い恋心のあれこれなんだけどね。 

堀:そうそう、そしたら風間さん、どんな相談事にも真剣に答えてくださって……。風間さんはこのとき34才で、私の父(当時40才)と6才しか違わなかったのに、お父さんというよりは何でも相談できるお兄さんって感じでした。 

風間:ぼくは見た目が若かったからね(笑い)。『スチュワーデス物語』が話題になったおかげで、ぼくまで女の子たちから騒がれるようになって、レコードや写真集を出させてもらったり、コンサートをやらせてもらったり……。遅れてきたアイドル状態になったんだけど、楽しかったね。 

アイドルとして人気絶頂期での撮影だった 

〈ドラマでの堀は、スチュワーデスを目指す19才の訓練生・松本千秋役で、ほかにも訓練生役として、高樹澪(64才)や山咲千里(62才)、春やすこ(63才)、白石まるみ(61才)らが出演。華やかな現場だったという〉 

風間:このドラマのプロデューサーである大映テレビの野添和子さん(87才)は、故・宇津井健さん主演の『ザ・ガードマン』(1965~1971年)や山口百恵さんの代表作となった『赤いシリーズ』(1974~1980年)などを手掛け、大映ドラマの黄金時代を築き上げた人。とても熱意がある人で、その分、撮り直しも多かった。当時はフィルムで撮影していたから、一度現像したのを見てから野添さんがこだわりたい部分を撮り直す。だから、新しいシーンの撮影と撮り直しが同時に進行していたんだよね。 

堀:深夜に撮影が終わって、朝5時に集合なんてこともありましたね。 

風間:加えてちえみちゃんは、コンサートや音楽番組への出演、雑誌インタビューなどがあって……。たしか撮影中に盲腸になったんだよね? 

堀:手術のため5日間入院しました。その間は撮影が止まり、総集編が放送されたんですよね。退院後すぐに撮影を再開したので衣装の下に傷をカバーする腹帯を巻いて出演していたんです。 

風間:本当にがんばっていたよねえ。仕事への立ち向かい方は尊敬に値した。相手が16才の女の子だろうと気を抜けないと思ったよ。 

(第2回につづく) 

【プロフィール】 

風間杜夫/俳優。1949年東京都生まれ。13才まで子役として活躍。1972年、日活ロマンポルノから“風間杜夫”としてデビュー。1974年、大河ドラマ『勝海舟』(NHK)でテレビドラマ初出演。以降、映画『蒲田行進曲』をはじめ話題作に出演。2010年には紫綬褒章を受章。[出演スケジュール]10月11~17日、東京・下北沢本多劇場にて『風間杜夫ひとり芝居 カラオケマン ミッション~インポッシブル ~牛山明、バンコクに死す』を公演予定。 

堀ちえみ/歌手・タレント。1967年大阪府生まれ。15才のとき『潮風の少女』でアイドル歌手デビュー。小泉今日子や中森明菜らと同期で「花の82年組」といわれた。1983年にテレビドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)で“大映ドラマ”に初主演し、一躍人気に。2019年、口腔がんのため芸能活動を休業して療養。2020年1月3日、芸能活動復帰。[出演スケジュール]10月29日、東京・渋谷duo MUSICEXCHANGEにてライブ『CHIEMI STYLE 2024~Autumn~』を開催予定。 

取材・文/土田由佳 撮影/政川慎治 

※女性セブン2024年10月10日号 

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