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《追悼》服部幸應さん、「BISTRO SMAP」で紡いだSMAPとの深い縁 木村拓哉の器用さを「本物の料理人になれるかも」と称賛、メンバーたちに伝授した料理への愛

NEWSポストセブン 2024年10月10日 11時15分

 あまりに突然のお別れとなった。10月4日、料理評論家の服部幸應さん(享年78)が死去した。 

「自身が理事長を務める東京・千駄ヶ谷の服部栄養専門学校の校長室で倒れて、同日中に搬送先の病院で亡くなりました。既往歴はなく急性心不全とのことですが、最近は周囲に『過労で調子が悪い』と訴えていたそうです。あまりに突然の死に多くの関係者は言葉を失っています」(全国紙社会部記者) 

 亡くなる4日前にはパティシエの鎧塚俊彦氏と対面。その際に服部さんが「のどが痛くて声が出ない」と不調を訴えていたという。 

「倒れる当日にはラジオ番組で共演している元モーニング娘。の保田圭さんとランチを取り、10日ほど前にはフジテレビの人気番組『料理の鉄人』で共演した阿部知代アナウンサーとも久しぶりに食事を楽しんだそうです。最後まで食と交友関係を大事にする人でした」(テレビ局関係者) 

 黒のマオカラーと明るいキャラクターで人気を博した服部さんは、食育や、食に携わる人材育成に長く尽力し、1977年には父親が創業した服部栄養専門学校の校長に、1981年には服部学園の理事長に就任した。2015年には食分野の功績を認められ、フランス大統領からレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章した。 

 服部さんを一躍有名にしたのは、1993年に放送が始まった『料理の鉄人』だ。約6年間にわたり解説を務めた服部さんはアイアンシェフと挑戦者の調理を通じて、料理対決の面白さとプロの技術を視聴者に伝えた。また、その手法を応用したのが1996年に始まった『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)「BISTRO SMAP」(以下、ビストロ)だった。 

 木村拓哉(51才)、稲垣吾郎(50才)、草なぎ剛(50才)、香取慎吾(47才)がシェフとなり、オーナー役の中居正広(52才)が呼び鈴を鳴らしてゲストのオーダーを告げると、「ウィー、ムッシュ!」と4人のシェフが応えて調理を開始する──この人気コーナーの監修を担当したのが服部さんだった。 

「当初、番組の説明を受けたとき、服部先生はSMAPのことをまったく知らなかったそうです。最初はメンバーが包丁を持つ手が危なっかしくてヒヤヒヤしていましたが、彼らは教えたことをそのまま素直に受け入れてメキメキ上達するので、服部先生は驚いていた。 

 特に木村さんの器用さには『本物の料理人になれるかも』と舌を巻いていた記憶があります。料理の腕が上がるとメンバーは器にまでこだわるようになり、服部先生は『ずいぶん本格的だな』と笑顔を浮かべていました」(前出・テレビ局関係者) 

 当時の服部さんは多忙を極め、テレビのレギュラーを週に8本、単発の番組も常に2~3本あり、さらに雑誌の取材や講演などをこなす日々だった。 

「あまりの多忙さから、徐々にビストロの撮影現場には服部学園の別の先生が来るように。それでも服部先生はSMAPへの愛情が深く、月に1度は現場にいらっしゃった。メンバーが仕事の合間に集まって『こんな料理を作りたい』『どんな食材があるか』などと尋ねると、服部先生は丁寧に質問に応じていました。 

 それに、先生はレシピだけでなく、料理に向き合う姿勢や料理を作ることの大切さ、そして料理への愛をメンバーたちに伝授していました。だからこそ、あれほどクオリティーの高いコーナーが長く続いたんです」(前出・テレビ局関係者) 

 SMAPのメンバーも気さくな服部さんを心から尊敬していたという。 

「服部さんはいろんな番組を監修されていて、『スマスマ』以外でもメンバーがお世話になることが多かった。彼らはほかの番組の収録時もテレビ局で服部さんの控室を見つけると、『服部さんの楽屋だ。挨拶してこよう。いるといいな~』と本当にうれしそうにしゃべっていましたね」(芸能関係者) 

 訃報を受け、かつて番組で「料理がいちばんうまいと思ったタレント」と服部さんに評された木村はインスタグラムを更新。《服部先生 心からご冥福をお祈り申し上げます》と追悼した。SMAP以外にも服部さんを慕うアイドルは多い。 

「嵐の二宮和也さん(41才)の両親は2人とも服部栄養専門学校で調理の先生をしていました。だから服部さんはニノを見かけると、『坊ちゃん、どうも』と声をかけていたそうです。 

 忙しいアイドルや俳優さんは食をおろそかにしがちですが、服部さんと出会って食に向き合い直した人は少なくありません。SMAPはじめ、多くのアイドルは服部さんの“遺言”を決して忘れず、これからも食を大切にしていくはずです」(前出・芸能関係者) 

 多くの“弟子”たちが服部さんの志を受け継いでいく。 

※女性セブン2024年10月24・31日号 

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