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《関東連合の元リーダーも逃亡か》「犯罪者の天国」と言われるカンボジア ワイロの相場は高騰、在住日本人詐欺師が日本人をターゲットにする構図も

NEWSポストセブン 2024年10月13日 16時15分

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、闇バイト応募した「かけ子」と見られる日本人12人が拘束され、再び特殊詐欺の拠点として注目されるカンボジアについて。

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 カンボジアに重要指名手配されている見立真一がいるかもしれない。『元「関東連合」見立真一も合流か…「犯罪者の天国」カンボジアに群がる日本裏社会の住人ら…その腐敗の限りを尽くした闇底』(2024年9月25日公開)とのタイトルの記事が現代ビジネスに掲載された。

 見立は関東連合の元リーダーで、2012年9月に起きた「六本木フラワー襲撃事件」の主犯とみられている男だ。当時、六本木のクラブFLOWERのVIP席で酒を飲んでいた飲食店経営者が、男ら9人に金属バットのようなもので殴られ死亡した。だが殺害された男性は人違いだった。事件後、見立は逃走し、事件の2か月後にはフィリピンに入国した情報があるといわれるが、その後の足取りはわかっていない。その見立がカンボジアにいるかもしれないと聞き、カンボジアの弁護士事務所で、リーガルアドバイザーとして働く日本人のS氏に話を聞いた。

「関東連合の関係者はプノンペンにいる」、S氏はそう断言する。「それが見立かどうかわからないが、関東連合の連中はいる。つい半年前まではもっと大勢いたが、周辺諸国へ散らばり始めた。中心人物と思われるやつは、特殊詐欺の元締めだったようで、今はタイに逃亡していると聞いています」(S氏)。

 10月7日にはカンボジアで特殊詐欺を行っていたとみられる日本人容疑者12人が、日本に移送され逮捕された。首謀者らは他国へ逃亡、闇バイトで集められたような下っ端ばかりが、トカゲの尻尾のごとく逮捕されているという。

 S氏は「反社のような連中が詐欺を行っているのも、警察がワイロを取っているのも間違いない。警察は制服を着たヤクザ、裁判官は法衣を着たたかり屋と言っていい。警察官はみんな掛け持ちで他の仕事をしている。法はあってないようなもので、法律よりワイロが優先、金さえ払えば何でもできるし、捕まることもありません。逆に金を払えば情報を流して便宜を図ってくれる。犯罪者にとっては天国でしょう」と語る。

高騰しつづけるカンボジアのワイロ相場

 S氏の元にはカンボジアで騙されたという日本人も相談に来る。「カンボジア人もカンボジア在住の日本人も、詐欺のターゲットにするのは日本人。カンボジア人を騙しても持っている金は高が知れている。多いのは、騙す方も日本人、騙される方も日本人という事件ですね。騙されたと警察に訴えても、詐欺師が警察官に金を握らせておけば、被害者が逆に捕まることさえある」。

 不動産に絡んだ投資詐欺も多いらしい。「カンボジアでは、外国人が土地を所有することを禁じています。土地を買うにはカンボジア国籍の人に便宜上、所有者になってもらうか、カンボジア資本中心の現地法人を作るか。だがどちらもリスキー。本当に信頼できるカンボジア人をパートナーにできればラッキーだが、任せる相手を間違うとあっという間に騙される」と話すS氏も、カンボジアで仕事を始めた10数年前、現地の人に騙された過去がある。

「中国資本がどんどん入り開発が進んでいた頃、投資にいいと郊外の土地を紹介され、プノンペンで知り合ったカンボジア人の友人に代理で購入してもらったんです。親切で誠実で、この人なら信頼できると思ったのに、連絡が取れなくなったと思ったら土地は売却、金は持ち逃げされていました。どこにいったかわからなければ、訴えることもできません」。不動産バブルが崩壊したまっただ中、プノンペンではマンションが余り、価格も下がっている。

 S氏のように騙された日本人が泣き寝入りするだけでなく、”泣きっ面に蜂”のような状況に陥ることもあるらしい。「裁判官によっては判決も金次第。詐欺師も被害者も双方、裁判官にワイロを払う。詐欺師側が被害者より高いワイロを払うことができれば、判決がひっくり返ることさえある。例え権力があっても金がなければ、権力など役に立たない」とS氏はため息をついた。

「高い志を持って司法試験に合格しても、ワイロが準備できなければ弁護士になれない。ワイロを受け取る側はその人物が頭がキレるか、能力があるかは問題ではない。ひと昔前は3万ドルのワイロが必要だったが、今はそれが4万ドルと言われる」

 金さえ払えば犯罪者でさえ自由が買えるというカンボジアだが、彼らがここに集まる理由は他にもあるとS氏はいう。

「不動産は余り気味だから、拠点を作るのは難しくない。タイやフィリピンほど日本人が多くないから、見つかりにくい。プノンペンにいる日本人は、在留届を出していない人を含めても5000人いない。カンボジア人は日本人が好きで、親日家が多く日本人には親切」

 日本で彼らが何をしたかは関係ない。金を持っている犯罪者にとって、カンボジアは居心地のよい国なのだろう。

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