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《逝去》西田敏行さん、杖と車椅子なしでは外出できなかった晩年 劇場版『ドクターX』現場が見せていた“最大限の配慮”

NEWSポストセブン 2024年10月17日 15時44分

 俳優の西田敏行さん(76)が亡くなったことがわかった。報道によると、10月17日、東京・世田谷区の自宅で倒れているのが見つかったという。病死とみられている。

 西田さんは1947年11月4日生まれ、福島県郡山市の出身。映画『釣りバカ日誌』シリーズやドラマ『西遊記』(日本テレビ)、『翔ぶが如く』をはじめとしたNHK大河ドラマなど多数の作品に出演し、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)の2代目局長としても知られる。国民的俳優として愛され、2018年春には旭日小綬章を受章した。

 近年の西田さんは体調不良を抱えながらも、変わらず懸命に芝居に取り組んでいた。今年9月下旬、「NEWSポストセブン」は西田さんの近況を伝えていた。その内容を再掲載する(登場人物の年齢などは当時ママ)。【前後編の前編。後編に続く】

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 米倉涼子(49)が主演する人気ドラマシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の劇場版が、今年12月6日に公開予定だ。その記念イベントとして8月末、2日間かけてファンミーティングが開催され、出演者がそろって登壇。米倉はもちろん田中圭(40)、内田有紀(48)ら豪華キャストが次々と登場し、会場はファンの大歓声に包まれた。しかしそこに、主要キャストである彼の姿はなかった。西田敏行(76)のことだ──。

杖と車椅子がないと外出できない

『ドクターX』は、2012年にシーズン1が放送されて以来、常に高視聴率をたたき出し、これまで7シーズンが放送されている。

 西田が演じるのは、大学病院の院長代理。米倉演じる大門未知子の前に立ちはだかる悪徳医師だが、部下たちや米倉とのコミカルな掛け合いは定評があり、ドラマの見どころのひとつになっている。

 ところが西田は、冒頭のファンミーティングにはVTRでの出演となり、実際に登壇することはなかった。背景には満身創痍とも言える西田の体調があった。

 西田は2001年11月、首の骨が変形して手足のしびれが起こる頸椎症性脊髄症の手術を受けた。その後2003年3月には心筋梗塞を発症。2016年2月には自宅ベッドから転落して頸椎亜脱臼に。その手術を4月に受けた直後、胆のう炎を発症した。

「現在、移動時には杖が欠かせず、時には車椅子も使っています。ファンミーティングを欠席したのは、本人からの申し出だったそうです。“華やかな場所なのに、杖をつきながら出て行ったら盛り下がるから……”という趣旨のことを言っていたようです」(映画関係者)

『劇場版 ドクターX』の撮影現場でも、西田には最大限の配慮が行われていたようだ。

「映画の撮影は、通常1~2か月間で行われます。しかし今回は3~4か月と長めに取られていました。西田さんの出番はかなり少なく、ほとんどが座っているシーンです。西田さんは演出上の配慮に対して、 “こんなに気を使ってもらって本当に申し訳ない”と話していました。

 また、医療ドラマなので、撮影現場には監修を務める医師がいますが、その医師とは別の医師が現場に詰めていたこともありました」(前出・映画関係者)

 一方で、演技へのやる気はみなぎっていた。西田といえば、共演者を混乱させるほどの自由な “アドリブ”で知られる。今回の撮影現場でも、共演者である遠藤憲一(63)や勝村政信(61)を大慌てさせていたという。

「共演歴は10年近いですが、遠藤さんも勝村さんも、いまだに西田さんのアドリブに振り回されているようです。特に遠藤さんは、慌てないように、もしくは慌てていることを悟られないように、“あえて目をそらさない”とか、様々な『西田対策』を講じたそうです。

 ただ、西田さんのアドリブは決して思い付きでやっているわけではなく、計算され尽くされたもの。西田さんは脚本を読み込んで、“こうすればもっと楽しくなるんじゃないか”“もっといい作品になるんじゃないか”といつも考えています。それを共演者はわかっているから、どんなに大変な思いをしても西田さんのアドリブに食らいついていくんです」(別の映画関係者)

(後編に続く)

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