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《消えたロコ・ソラーレ功労者の現在》“切実な事情”でチームを去ったメンバーがカーリング離れて「病院勤務の専属職員」に転身

NEWSポストセブン 2024年10月21日 16時0分

 2026年に開催される、ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場に向けて動き出したカーリング女子の「ロコ・ソラーレ」。だが、2022年の北京オリンピックで銀メダル獲得をサポートした精神的な支柱となったメンバーはいない。

 フィフス(リザーブ)メンバーとして、数々の勝利を支えた石崎琴美氏(45)。同大会において葛西紀明(52)の記録を破り、日本における冬季オリンピック最年長メダリストとなった。
「カーリングのチームは5人まで登録が可能ですが、試合に出場するのは4人までです。石崎さんが務めるフィフスというポジションは、メンバーに故障やトラブルなどがない限り、試合には出場しません。

 しかし、会場のストーン(石)や氷のチェックを試合前に行うなど、チームに必要な役割を担っていました」(スポーツ紙記者)

 だが、2024年5月22日に公式サイトを通じて、突如、石崎氏がロコ・ソラーレを離脱することが発表された。彼女は「ロコのフィフスとして4人と一緒にカーリングと向き合ってきたこの数年は人生の中でも忘れられない、かけがえのない日々でした。これからも何かしらの形でカーリングに関わっていけたらと思っています」と、チームを離れ新たなスタートを切ることを明かしていた。

「石崎さんが2018年から在籍していたチームを離脱した背景には、今シーズンから『ロコ・ソラーレ』が日本代表ではなくなったことも理由の1つです。予算や経費の面を考えてチーム側の判断だったようです」(同前)

 石崎氏は、現在はどこで何をしているのだろうか? NEWSポストセブンが取材を進めると意外なところにいることが分かった。

「現在は、地元の北海道にある病院に勤務しています。実は2013年に女子カーリングでかつて強豪だった『チーム青森』(現在は活動休止)を離れ、2015年に当病院の職員として所属をしながら、カーリング中継の解説なども行っていました。

 そんな中、2020年9月にメンバーの熱烈な誘いを受けてロコ・ソラーレに加入。その間もこの病院は、石崎さんのことを全面的にバックアップし、彼女自身もそのことに感謝していました」(ウィンタースポーツ関係者)

 病院に現在の石崎氏について問い合わせた。

「うちにカーリングのチームはありませんが、2013年から当院で勤務しております。現在は、医師支援室の職員をしております」(担当者)

 とのことで、現在はカーリングからは完全に離れているようだ。もうロコ・ソラーレとの関係は終わった……と思っていたが、10月1日に意外な形で再会していた。

「10月1日から開幕した『グランドスラム オブ 2024-2025カーリング』にロコ・ソラーレが出場しています。実は、その初戦の中継の解説を石崎さんが担当していました。試合後、自身のインスタグラムで『試合中にピンマイクを通して聞こえてくる会話や表情、パフォーマンスからこのカナダ遠征が充実し、心からカーリングを楽しんでいる様子を伺えたことが個人的には結果以上に嬉しかったです』と、喜びの声を綴っていました」(前出のウィンタースポーツ関係者)

 約4年ぶりに4人体制となったロコ・ソラーレだが、今度は解説という立場から石崎がメンバーたちを“サポート”する。それぞれの道を歩むことになったが、カーリングという共通言語を通じて、メンバーたちとの絆は続いている。

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