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芸能界を席巻する「ギャル魂」 情報番組のコメンテーターでも大活躍、『おむすび』には今後の爽快エピソードに期待

NEWSポストセブン 2024年10月21日 11時15分

 NHK連続テレビ小説『おむすび』は平成の“ギャル”にスポットを当てったドラマ。 

そこで、芸能界で活躍するギャルたちについて、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが分析する。 

 * * * 

ギャルは芯が強くやると決めたらとことん道を究める 

 9月30日にスタートした2024年度後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』に対して、さまざまな声が上がっていますね。 

 すでに“離脱”したかたの意見で目立つのは、伊藤沙莉サン(30才)が演じた『虎に翼』の寅子に比べて、橋本環奈サン(25才)演じる『おむすび』の結は、考えが浅く、優柔不断に見えるからだとか。そうでしょうか? 

(以下、ネタバレ含みます) 

 平成16年4月6日、糸島東高校に入学して早々、4人のギャルに囲まれ、「ハギャレン(博多ギャル連合)」の総代になってほしいと頼まれた結。理由は、結の8つ年上の姉・歩(通称、アユ=仲里依紗サン・35才)が「ハギャレン」の初代総代であり、地元では“伝説のギャル”として知られているから、その妹ならば間違いないというワケです。 

 結に過干渉しがちな父・聖人(北村有起哉サン・50才)はそんな不穏な空気に警戒心を抱く一方、母・愛子(麻生久美子サン・46才)はギャルに理解を示しています。 

 さて、私がギャルという言葉を初めて耳にしたのは1979年、沢田研二サン(76才)が歌った『OH!ギャル』です。作詞は阿久悠さん(享年70)で、歌の中で「ギャル」は20回以上も連呼され、その後に続くのは「女は誰でもスーパースター」でした。この「ギャル」は、girlから転じた俗語であり、1990年代以降、社会現象を起こしたギャルとは異なります。 

 日サロで焼きまくった色黒の肌や派手な色の髪、長いネイル。なんでそんなに実際の目の枠から離れたところにアイラインを引いているのかわからないデカ目メイクが印象的で、シンボルはなんと言っても安室奈美恵サン(47才)でしたよね。 

 そんなギャルを仕事場で毎週見ることになったのは2000年代、構成に加わっていた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)でのことでした。特に渋谷のギャルサーの初代総長だった「なちゅ」こと竹川奈津子サン(39才)は忘れられません。 

 彼女はその後、お笑い芸人になったり、SDN48のメンバーになったり、総合週刊誌で連載をしたりと八面六臂の活躍をしていたのです。彼女のおかげで、ギャルとは芯が強く、やると決めたらとことん道を究めるという印象もあります。 

 そして大食いというジャンルに現れたギャルは、2006年『元祖!大食い王決定戦 新爆食女王誕生戦』(テレビ東京系)で優勝したギャル曽根サン(38才)。当時、リングネームのようにキャッチーな呼ばれ方をされていた大食い女王たちは、それをそのまま芸名にしているかたが少なくないのですが、「ギャル曽根」のインパクトは最大でした。 

「佐々木希サンはギャルだから絶対に離婚しない」 

 そうした間にも、大人が二度見、三度見してしまうようなヤマンバギャルが渋谷センター街を闊歩したり、彼女たちのメイクが外資系の化粧品会社の商品開発に影響を及ぼしたりするような、海外をも巻き込む社会現象を起こすことになったギャル。それからだいぶ経ってギャルのメンタルを私に説いてくれたのは、ゆきぽよ(木村有希・27才)サンでした。 

 2020年、アンジャッシュの渡部建サン(52才)に複数の女性との不倫が報じられ、芸能活動を自粛することになったとき、『サンデージャポン』(TBS系)でそのネタを扱っていた際、パネラー席に座っていた彼女が「佐々木希サン(36才)はギャルだから絶対に離婚しない」と意見を述べたのです。 

 MC席の脇で解説していた私は、“離婚する派”でした。ですが、報道によれば相手女性を電話越しに問い詰め、渡部サンとの交際時期について確認したり、相方の児嶋一哉サン(52才)がラジオ番組で謝罪をしているのと同じ時間にインスタグラムを更新したりする佐々木サンに対して、「なんて肝が据わっている女性なんだろう」と感心したのは覚えています。 

 思えば、みちょぱ(池田美優・25才)サンや藤田ニコルさん(26才)、ゆうちゃみ(古川優奈・23才)サンらギャルの多くは名コメンテーターですよね。 

 つい最近では、MY FIRST STORYのHiroさんとの結婚を発表した山本舞香サン(27才)がルックスでもメンタル面でもギャルだとお見受けしています。元カレが不祥事を起こした際には傍らで寄り添い、支えていらして、元カレが復帰したタイミングで自らも事務所を移籍。くしくもその事務所は平成のギャルのカリスマ・益若つばさサン(39才)や前出のゆきぽよサンが所属されているんですよ。 

 その山本サンは、『おむすび』の「2007年 再びの神戸」編の新キャストとして朝ドラデビューが決定しています。NHKさんの“ギャルリサーチ力”には感服いたします。 

 彼女との交際発覚後、記者さんに対してHiroさんが「つきあってて、同棲してて、抱きしめました」と言い放ったエピソードを知り、Hiroさんよりも、そう言わせた山本サンにギャル魂を感じたところです。 

『おむすび』で紹介された「ギャルの掟」には、「【1】仲間が呼んだらすぐ駆けつける」「【2】他人の目は気にしない。自分が好きなことは貫け」「【3】ダサいことは死んでもするな」……とあり、実際、結は補導されたルーリー(みりちゃむサン・22才)の元へ誰よりも早く飛んでいったし、その後、どう見ても警察に慣れていて(苦笑)、ギャルたちの気持ちに寄り添えている母(麻生サン)にもギャルの精神を感じました。 

 おそらくこれから、こうした痛快エピソードがたくさん出てくるのではないかと思われる『おむすび』。私は嫌いじゃないですし、かつてジュリーが『OH!ギャル』で歌ってくれた「女は誰でもスーパースター」には、その通り!と思います。そして、歴史にその名を刻んだ多くのギャルの皆さんには、その神髄を教えてくれたことに感謝します。あざまる水産~! 

構成/山田美保子 

『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。 

※女性セブン2024年11月7日号 

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