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「何を言っているのかわからない」「1分で演説打ち切り」自民党・菅義偉副総裁の様子をとらえた動画が拡散され…言葉に詰まり抑揚なく永田町では心配する声

NEWSポストセブン 2024年10月26日 16時15分

 秘書とみられる男性が自民党の菅義偉・副総裁の乱れた髪を櫛で整える。菅氏の目はうつろで、どこか歩く足取りもおぼつかない。この様子をとらえた動画がX(旧Twitter)で拡散された。それに反応する形で「大丈夫かな…」「心配」などといったポストが目立ったが、75歳の元総理については永田町でも健康不安説がささやかれている。果たしてその真相は──。

 菅氏は10月24日、3日後の衆院選投開票に向けて栃木入りした。同県真岡市では菅政権で党総務会長を務めた佐藤勉氏が演説会を開いており、当選同期でもある菅氏が応援に駆けつけた。

 佐藤氏の陣営としては、目前に迫る投開票に向けて同氏と関係の深い大物を呼んで最後のテコ入れを図りたいところで、会場を訪れた70代男性は「菅さんの姿を一目見ようと参加した。今日が楽しみだった」と演説会前に期待を示していた。

 菅氏は安倍晋三政権で官房長官を務めていた際に成立させた安全保障法制や、首相として取り組んだ新型コロナウイルスのワクチン接種など、自身の実績に言及しながらそれを支えた佐藤氏の活躍を紹介した。

 ところが、駆けつけた支援者の印象に強く残ったのは、「最強の官房長官」とも呼ばれ、辣腕を振るって霞ヶ関などから恐れられた「大番頭」からはほど遠い、威勢のない菅氏の姿だったようだ。

ヨロヨロとおぼつかない歩き方で…

 菅氏は演説会の冒頭、会場から拍手で迎えられるも、ヨロヨロとおぼつかない歩き方で、SP(警護官)に支えられる場面もあった。演説も途切れがちで言葉が出てこないような様子が見受けられ、全体として抑揚にとぼしく覇気を感じさせなかった。

 演説会は最後に「頑張ろう!」のコールを参加者全員で三唱して幕を閉じたが、菅氏が握り拳を突き上げるタイミングは、2度目3度目と次第にずれていった。大手紙政治部記者が解説する。

「菅さんは、石破茂首相が決選投票の末に総裁の座を射止めた総裁選のときから、健康不安説がささやかれていました。9月8日、総裁選に立候補していた小泉進次郎選対委員長が横浜市で行った街頭演説に駆けつけ、『なんとしても今度の総裁選挙、小泉進次郎さんに日本の舵取りを託したい』と話し、公の場で初めて小泉氏への支持を明言したんです。

 麻生太郎最高顧問と並び“キングメーカー”と称される菅さんが総裁選で立場を鮮明にしたことは注目を集めましたが、この菅氏の応援演説は別の意味でも波紋を広げました。菅さんは演説の冒頭で小泉氏支持を打ち出し『私のあいさつは2分であります』と聴衆の笑いを誘うも、結局はわずか1分ほどで演説を打ち切ったからです」

 佐藤勉氏の応援演説と同様、菅氏に身振り手振りを交えて話すような仕草はみられず、抑揚のない単調な演説だったという。これに加えて、9月30日に自民党本部で行われた石破新総裁の誕生に伴う新役員共同記者会見でも、虚ろな表情で臨む菅氏の様子がインターネット上などで取り上げられ、X(旧ツイッター)では「#菅さん大丈夫」がトレンド入りした。

出回った「脳梗塞を発症」の真偽不明情報

 菅氏をめぐっては、一時、脳梗塞を発症したとの真偽不明の情報も流れた。この点について、前出の政治部記者はこう話す。

「自民党議員のなかには、脳梗塞が影響しているんじゃないかという真偽不明の話をする人がいます。思考判断は問題ないが言葉や動作がそれに追いついていないと……」

 大物政治家についての健康不安説は、政局に利用するため意図的に流されることも多い。今回のケースに限らず、まことしやかに流される病名などを鵜呑みにすることは禁物だ。一方で、党内基盤が弱い石破首相にとって、菅氏は党内の重し役となっている部分があるだけに、菅氏の健康不安は今後の政権運営に影響を及ぼしかねない。

 菅氏を長年支持してきたある経済界の関係者は「昔は菅さんの演説を聞くと胸を打つものがあったが、最近は何を言っているのかわからない」と菅氏の体調について心配そうに語った。

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