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《SNSで大バズり》「インスタでは日本一」目前の”保育士中心”女子バレーチーム カワイイ売りの評判に「女を出してやっているわけではない」「選手がトントン飛びながら回っただけで…」

NEWSポストセブン 2024年11月3日 11時14分

 パリ五輪でも盛り上がりをみせたバレーボール。昔から「ママさんバレー」と呼ばれるようなクラブ活動も人気だが、SNS上では近頃“異色のチーム”が注目を集めている。“保育士中心”をうたったバレーボールチーム「ビオーレ名古屋(Viore Nagoya)」だ。【前後編の前編】

 2022年4月発足の「ビオーレ名古屋」は、名古屋市内で8つの保育施設を運営している「学校法人正雲寺学園・栄寿福祉会グループ」の理事長・寿台順章氏がオーナーおよび監督を務める。アマチュアのクラブチームでメンバーの多くが保育士として働いている。

 発足した年は全国地区大会でもベスト3に入るなど、若いチームでありながらも好成績の同チーム。将来はSVリーグ加盟も視野に入れているという。

 そうしたなかSNS上では“保育士中心”である点や、メンバーらが出演するYouTube動画にも注目が集まっている。

「たとえば、メンバーによる『ユニフォーム紹介』のYouTubeショート動画は、10月24日の時点で、180万回以上も再生されています。『かわいい』『こんな保育士さんいいな』などと大反響です。

 一方で、選手らの身体のラインが強調されていることを心配して『露出多くないか』『恥ずかしくないのかな』 といった声も。“エロカワ売り”をしていると認識して、コメントを寄せるネットユーザーも散見されます」(スポーツ紙記者)

本業とバレーの“二刀流”を推進

 SNS上で有名になったチームだが、発足のきっかけはささいな出来事だった。オーナー兼監督の寿台氏はこう語る。

「ちょうど4年前、保育園の職員室でフリーペーパーをたまたま手に取ると、そこにある大学の女子バレーチームが写っていました。『この大学って保育科もあるのかな』と気になって調べていくと、保育科をもちながらバレーに力を入れているような学校が全国に100チーム以上ありまして。

 そのように大学までバレーを頑張ってインカレまで出たような子たちが、就職を機にプレーから遠ざかるのはもったいないと思いました。教育福祉に携わりながらもアスリート活動を両立できる“二刀流”が実現可能なチームがあればと『ビオーレ名古屋』を発足させました」 (寿台氏、以下同)

 チームの公式サイトを見ても「選手の雇用(就職先)」は「当法人グループのいずれかに正社員(保育士、栄養士、看護師、スポーツ指導員等)として雇用」「若干名は、当グループ以外での就職、学生のチーム入団を認める」などと記載されており、働きながら本格的にプレーに取り組める環境を用意することが、法人全体でも共通認識になっている。

「私たちは選手のセカンドキャリアを特に重要視しています。選手を引退しても困らないような環境を整えたいですね。また同時に、福祉の若い働き手が増えるという側面もあるため、スポンサーさんもその理念を理解して、背中を押してくださっています」

「自然な姿がバズっただけ」

「ビオーレ名古屋」が“二刀流”を押し出すことで、全国各地から人材が集まるようになったという。SNS上で人気が急上昇したことは、選手たちにとっても予想外だったようだ。

「実はYouTubeでバズる前に、インスタグラムに火がついていまして、今は100万再生近い投稿が10本近くあるんですね。そこからYouTubeも始めてみたら、さらに火がつきました。ビックリしていますが、うちはチームの活動をSNSを使って周知していこうというチームでもあるので、ありがたい思いです。

 今インスタグラムのフォロワーがだいたい1週間で1000人ぐらいずつ増えていて、3.9万人(配信時は4万人)ほどおります。

 パリ五輪で活躍された古賀紗理那さんが所属していた『NECレッドロケッツ川崎』のフォロワー数が、 女子バレーのチームのなかでは最も多い4万人(配信時は4.1万人)です。実力は差がありますが、もしかしたら今年中にその数字を抜いてしまうかもしれない。インスタグラムでは“日本一”が近づいている状況です」

有料のファンクラブも設立して

 そんな「ビオーレ名古屋」には有料のファンクラブも設置されており、「会員ランク」には5つの種類がある。年会費がもっとも低い「キッズ」ランクが1500円であるのに対し、もっとも高額の「プレミア」ランクは限定15名の枠で80000円。

「プレミア」よりワンランク下の「プラチナ」ランク(年会費30000円)でも「推し選手より誕生日お祝い動画」を貰えるようだが、「プレミア」になると「選手ふれあい食事会参加」という特典まで用意されている。

 こうした“ファンサービス”の充実は悪くないが、周りから“エロカワ売り”のように見られてしまうことはマイナスにならないのか。

「そういったものを意識している感覚は全くないんです。『なぜこんなのが100万回再生も』という投稿も何本もありまして、この前は試合中に気分が悪くなった子を他の選手がベンチに座らせただけの動画が100万回再生でした。

 新ユニフォームのお披露目で撮影した動画も『新しいユニフォームだから発表しよう』『スポンサーもついてるから動画撮ろう』というだけで、試合の合間に動画をまわしたらたまたま選手2人がトントン飛びながら回るって動画が撮れただけなんです……。

 ですから何かそういうものを仕掛けようってわけじゃなくて、自然な姿がバズったのではないでしょうか。可愛いって言われて気分悪い子はいないですけど、だからといって、意図的に女を出してやってるわけではない。

 ただバレーボールに取り組みながら、教育福祉に携わる姿を純粋に応援していただけたら、ありがたいなっていう思いは私だけでなくみんなもっていると思います」

 後編ではSNS上でバズったことによるチームへの誹謗中傷や、近年問題となっているアスリートの“盗撮問題”などについて聞いた。

(後編へ続く)

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