皇室のご活動のかたわら、日赤の仕事に邁進される愛子さま。自身初となる単独地方公務を無事に終えられ、「天皇家のプリンセス」に国民から注がれる視線は、今後より熱を帯びていくだろう。にもかかわらず、皇族を支えるべき宮内庁ばかりが“冷ややか”だ。
天皇皇后両陛下は、春と秋の年2回、各界の功労者らを赤坂御用地内に招いて園遊会を催される。今秋10月30日の招待者は1900人あまり。そこにはこの夏、日本中を熱狂の渦に巻き込んだパリ五輪で躍動したアスリートたちも名を連ねた。
「金メダルを獲得したやり投げの北口榛花選手(26才)や、柔道の阿部一二三選手(27才)らが招待されました。パリ五輪に夢中になられたのは皇室のみなさまも同じ。愛子さまは柔道を毎日観戦されたそうです。園遊会で彼らと言葉を交わすのを楽しみにされていたことでしょう」(皇室記者)
今春大学を卒業され、日本赤十字社(以下、日赤)に就職された愛子さま。成年皇族として徐々に活動の幅を広げられ、10月11~12日には、佐賀県を訪問された。愛子さまにとって、初めての単独地方公務だった。
「現地は歓迎ムード一色で、愛子さまの訪問先の各地で沿道に人だかりができ、愛子さまは笑顔で手を振られていました。空港で出迎えた佐賀県知事に『緊張しております』と率直に述べられたように、初めてのおひとりでの地方公務で肩に力が入られていたようですが、陸上競技会場に到着されると、気温の高さに引っかけて『心も熱くなって』とお話しされるなど、等身大のお言葉が話題になりました」(前出・皇室記者)
愛子さまのご活躍に、天皇皇后両陛下も目を細められていることだろう。
「しかし、なぜかそうした愛子さまのご活動について、宮内庁からの積極的な発信が少ないんです。『愛子さまのご活躍が、国民の目に留まりにくくなっているのではないか』という声が一部から上がっています」(前出・皇室記者)
宮内庁は昨年4月、広報室を新設した。狙いは皇室情報の発信体制の強化だ。
「それまで宮内庁のホームページに日程が掲載される程度だった皇族の日々の活動が、適宜、写真や文章で仔細に報告されるようになりました」(宮内庁関係者)
今年1月末には、ホームページ上に、《愛子内親王殿下のご日程》なるページが新設された。
「それまでは両陛下と併記されていた愛子さまのご活動が、新設されたページに記録されていくとみられました。愛子さま単独での公務やお出ましが本格化されるという“宣言”ではないかという見方もありました」(前出・皇室記者)
ところが2月1日、愛子さまの「活動記録」ページそのものが突然削除された。当時、宮内庁は本誌『女性セブン』の取材に、「仮に作成しようとしたページが誤って公開されたために削除した」と説明した。
たしかに、その時点では愛子さまはまだ大学生。本格的な公務の予定も立っておらず、「誤って公開」という説明もうなずける。だが、それから8か月あまりが経ち、愛子さまの公務が増えてもなお、《愛子内親王殿下のご日程》は公開されず、愛子さまの活動記録は沈黙したまま。《天皇ご一家のご活動》のページには、愛子さまのお写真すらないのが現状だ。
確認するための「時間がない」
一方、《秋篠宮家のご活動》のページは対照的だ。秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さまが揃った写真が掲載され、ご夫妻はもちろん、佳子さまと悠仁さま、さらには結婚し皇族離脱して久しい小室眞子さんの経歴や活動まで丁寧にまとめられている手厚さだ。
その背景には、秋篠宮さまが望まれた「正しい情報発信」がある。2022年の誕生日会見で、秋篠宮さまは「皇室の情報発信というものも、正確な情報をタイムリーに出していくことが必要である」と述べられた。
「眞子さんの結婚に際して、誹謗中傷ともとれるSNS上の書き込みが多発しました。正しい情報を適時発信することの重要性を身に染みて感じられた秋篠宮さまだからこそ、ホームページの拡充に熱心なのでしょう」(前出・皇室記者)
両陛下や皇族方がさまざまな公務や視察、お出ましをされるのには大きな意味がある。それらがテレビや新聞で大きく報道されることにより、有意義ながらもなかなか認知されない活動などにスポットライトが当たり、社会的な関心を高めることができるのだ。社会的に苦しい立場にいる人への寄り添いなどを啓蒙することは、皇室の重要な役割のひとつだろう。
愛子さまの注目度の高さは、そうした役割にうってつけだ。ところが、宮内庁は愛子さまの活躍をなぜか効果的にアピールできていない。ホームページでの情報発信に消極的な天皇ご一家と、熱心な秋篠宮家。この「あべこべ状態」は、愛子さまの「充実ぶり」の裏返しだという。
「公務にあたり、訪問する場所やお会いする人物について事前に熱心に勉強されます。特に泊まりがけで何か所も訪問するような公務の場合は、それだけ準備に時間がかかります。
ホームページでの情報発信には、ご本人の確認が不可欠です。愛子さまはじっくりと時間をかけて丁寧に確認をされますが、ご多忙のため、時間を確保することは容易ではない。愛子さまに関する情報発信が少ないのは、愛子さまが忙しく、話を進めるのが難しいという側面もあるのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
さらに、愛子さまには、「日赤の新入社員」というお立場もある。当初、日赤側は愛子さまについて週3日程度の勤務を想定していたが、フタを開けてみれば、ほぼ毎日出社されている。
「愛子さまは仕事熱心で、帰宅されてから仕事内容を反すうされているといいます。8月の両陛下との静養も、仕事を優先され、見送られたほどです」(前出・皇室ジャーナリスト)
宮内庁が抱える「ジレンマ」も、愛子さまの公務の発信を困難にしている。
「愛子さまの公務について宮内庁が積極的に報じれば、さらに愛子さまに注目が集まることは必至です。愛子さまに強く光が当たるほど、悠仁さまに落ちる影は大きくなります。年が近いお二方が比較されること自体、将来の皇室像を巡って、国民を二分する議論の呼び水になりかねない。
宮内庁としては、『愛子さま人気』にあやかりたい気持ちはありつつも、世論の分断は避けたいわけです。それゆえ、愛子さまに関する情報発信について、非常に中途半端な状態が続いているのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
ご活躍ぶりが、記憶だけでなく、記録に残る日が待ち遠しい。
※女性セブン2024年11月14日号