1982年にデビューした「花の82年組」は1980年代のアイドル界を席巻し、令和となった今もなお活躍中だ。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、花の82年組の現在について綴る。
なんてったってキョンキョンだから心配はいらない
50代、独身、実家暮らし……「出戻りの居候」をたびたび自虐するノエチを小泉今日子サン(58才)が好演しているドラマ『団地のふたり』(NHK BS)が話題ですね。
小林聡美サン(59才)演じる幼なじみのなっちゃんとは共にアラ環ながら住人の中では若手ゆえ、気がつけば夕日野団地内のプチ事件の中心に。
醍醐味はノエチとなっちゃんのアドリブではないかと思える自然な会話劇で、9月27日の『あさイチ』(NHK)の「プレミアムトーク」で見た小泉サンはノエチそのものでした。
2015年に『株式会社明後日』を立ち上げ、2018年には36年間所属していた事務所を退社し、プロデュース業も精力的に始めた小泉サン。当時、彼女の方がゾッコンだとウワサされたパートナーの豊原功補サン(59才)とは最近、破局報道がチラホラ出ていますが、それもこれも“なんてったってキョンキョン”ですから。何にも心配いりませんね。
そんな小泉サンが「花の82年組」でもっとも仲よしで、いわく「戦友っていうか同志」(『あさイチ』より)と呼ぶのは中森明菜サン(59才)。
10月3日に放送された『Tne Coversスペシャル』(NHK)の「中森明菜ナイト!」では、ナレーターを同期のシブがき隊のモッくんこと本木雅弘サン(58才)が担当。明菜サンからも肉声メッセージが届き、「歌い継がれること、歌い継ぐこと」「いま、そしてこれから」への想いが優しい声で語られました。未公開の近影写真も話題になりましたよね。
この数年、明菜サンについてはリスタートするのかと思うと、また体調不良で休養するとの報道が何度かあったものですが、もう大丈夫なのでは?
その背景にはデビュー40周年を機に、同期のみなさんが精力的に音楽活動を再開したり、記念のCDを発売していたことが大いなる励みになったのではないかと思われます。
意外かもしれませんが近年、もっとも歌と真摯に向き合っている「82年組」は松本伊代サン(59才)なのです。
アイドル時代、特徴的な鼻にかかった声は美しいとはみなされず、うまいという評価もなかった伊代サン。でも、当時からその声を評価していらしたのは作曲家の筒美京平さん(享年80)と作詞家の湯川れい子さん(88才)だったのです。そして、現在も作曲家で編曲家の船山基紀さん(73才)がプロデュースする伊代サンのライブは著名なミュージシャンの演奏やAMAZONSのコーラスが見事にハマる大人のライブそのものなのです。
ライブといえば、病気療養のため2019年から音楽活動を休止していた堀ちえみサン(57才)が10月29日と30日、ライブ『CHIEMI STYLE 2024 〜Autumn〜』を機に本格的にリスタート。17年ぶりのシングル『FUWARI』もリリースされました。
伊代サン、ちえみサンと「キューティー★マミー」を結成していた早見優サン(58才)は私の年代にとっても懐かしく、すぐに覚えたくなるステップが象徴的な新曲『DISCO de DISCO』をリリース。変わらぬ抜群のスタイルにも目を奪われます。
12月15日には、伊代サンと共に東京・丸の内「コットンクラブ」でライブを行うことも発表されました。
仲よしな彼女たちの生き方からさまざまなヒントがもらえるハズ
そして10月18〜27日に東京のギャラリーショップ「ライオンラグス青山」で開催されていた個展が話題になっていたのは、米ニューヨークを拠点として活動する現代アーティストのKAORUKOこと新井薫子サン。今回のために制作された最新作や、彼女の作品をもとに制作されたペルシャ絨毯が初公開されました。フェミニンでジャポニズムな世界と変わらぬキュートさ(キョンキョンより小顔)は必見の価値アリですよ。
プライベートでは昨今、「梨園の妻」というよりは「梨園の母」として奮闘していらっしゃる三田寛子サン(58才)や、フッくん(布川敏和サン・59才)とはお別れしてしまいましたが、お孫さんを通じていい関係を保っている、つちやかおりサン(60才)の言動に、とてつもない強さを感じます。
5児のママである石川秀美さん(58才)らの存在も同年代の女性には励みになっていることでしょう。ヤッくん(薬丸裕英サン・58才)と秀美さん夫妻の存在はとても大きく、おふたりが中心になってくれているからこそ、「82年組」は、さらに強い絆で結ばれているのです。
でも、いま同期をまとめているリーダー的存在は、渡辺めぐみサン(60才)なんですよ。
一足お先に還暦を迎えためぐみサンは、東京・表参道でカジュアルかつリーズナブルなのにおいしいと大評判のイタリアンレストラン「ラ キアーラ」のオーナーであり、9月にもフィットネスのコンテストで2冠に輝くなど、いわゆる美魔女です。最新刊『股関節メディカル(医療)ストレッチ〜100歳でも自分で歩ける体になる〜』もタメになりますよ。
“ポスト聖子”を目指して、松田聖子サン(62才)がデビューした2年後に、有名プロダクションとレコード会社が一斉にイチオシを送り込んできた「花の82年組」。
歌にドラマにライブにとお仕事で現役としてい続けるだけでなく、プライベートでの山あり谷ありを経て、いまも切磋琢磨し続け、おまけに仲よしな彼女たちの生き方からは、さまざまなヒントがもらえるハズです。
ちなみに私の母校・青学の同期、名取裕子サン(67才)演じる『団地のふたり』の福田さんは、「自分の人生の主役は自分よ!」とノエチとなっちゃんに言い放ち、(たぶん)海外へと旅立ちました。
同期から受ける刺激と優しさ、大切にしましょうね。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2024年11月14日号