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《六代目山口組・司忍組長の誕生日会》採点制度導入された緊迫のカラオケ大会で「俺の唄も公平にしろよ」と発言、機関紙に掲載された当日の写真

NEWSポストセブン 2024年11月18日 7時15分

 日本最大の暴力団・六代目山口組。圧倒的な知名度を誇る一方で、彼らの素性については知る機会が限られている。近年は警察から「特定抗争指定」を受けたことで、大規模な定例会や会合なども開きにくくなり、メディアも報じる機会が減少。そのため六代目山口組が発行し、傘下組織に配布している機関紙『山口組新報』への注目は上がる一方だ。

『山口組新報』は、その掲載内容から慶弔に重きを置いていることが窺える。直参に昇格した組長の盃の様子や、歴代山口組組長の法要などメディアが立ち入ることはできない行事の詳細が事細かに記されている。その中でも一際、大々的な扱いなのが司忍組長(82)の誕生日会のレポートだ。

 山口組トップの誕生日会はいったいどのように行なわれるのか──『山口組新報』によると、2024年1月25日に誕生日を迎えた司組長が、乾杯の音頭の後、ケーキにささったキャンドルの火を消して、宴会が開始したようだ。しかし、その掲載内容が例年よりも簡素な記載に留まっていると実話誌記者が指摘する。

「『特定抗争指定』を受けたことで山口組総本部が使えず、会場の広さの都合で直参組長全員を呼ぶことが出来なかったことと、そして正月に発生した能登半島地震への配慮もあるのではないか。もちろんコロナもまだ気をつけているだろう」

 では、総本部が使えた頃の司組長の誕生日会はどうだったのか。コロナ禍前の2018年の『山口組新報』に詳細なレポートが掲載されていた。

〈一月二十五日この日は我々にとって大変喜ばしい日であります〉(以下、〈〉内は『山口組新報』より)。2018年は司組長が喜寿を迎えた年でもあったので、〈特別なお祝いの日〉だという。

 午前11時、総本部の大広間に直参組長が勢揃いして宴が始まる。〈家長の長寿は何より喜ばしく励みになります〉と当時の統括委員長が祝辞を述べ、乾杯の発声で祝賀会に移る。

 祝賀会になると多数のコンパニオンが大広間に入場し、「ハッピーバースデートゥーユー」を合唱。司組長がウェディングケーキほどの大きさがあるバースデーケーキのキャンドルについた火を吹き消すと、〈会場には割れんばかりの拍手が響き渡りました〉とし、花束も贈呈される。

 住吉会との「埼玉抗争」の首謀者として、前年に無期懲役の判決が確定した直参組長の落合勇治・小西一家総長(当時)から〈六代目山口組は世界一のファミリーだと実感しております〉〈来世も親分の子分にして下さい〉という祝電も届いたという。

六代目山口組の“テーマソング”

 レポートとともに掲載されている写真からも内部の様子が窺える。司組長の後ろには若中、舎弟から贈られた紅白の胡蝶蘭が並び、前にはテーブルを埋め尽くすほどの食事が置かれている。

 確認できる限りで、寿司、複数の小鉢、メロン、ぶどうなどのフルーツ盛り合わせ、ワイン、ビール瓶、日本酒瓶がところ狭しと並んでいる。別のテーブルには大きな鯛が横たわる。赤、金、白、黒、ピンク色の巨大なキャンドルも7本確認でき、装飾品にもこだわりがあることがわかる。胡蝶蘭は大広間の外とみられるスペースにも多数並べられていた。

 余興は例年、司組長、直参組長によるカラオケ大会が定番だが、この年は喜寿ということで複数のマジシャンによるマジック披露を挟んでからカラオケに移行。2017年から採点制度が導入されたとのことで、高得点者には司組長からの豪華賞品が用意されている。直参組長らは何の曲を歌うのだろうか。

「例年、締めの曲は司組長を題材にして作られたことで“六代目山口組のテーマソング”として知られる『任侠一筋』ですが、ほかの参加者が何を歌うかは例年違う。

 記者や警察は会場内に入れないため、漏れ聞こえてくる音楽を聞きながら『あ、今年はこの曲歌っているのか』と話のネタにしている。演歌が多いが、その年話題になったヒットソングを歌う参加者もいた」(前出・実話誌記者)

 この年は〈「フーテンの寅さん」を自身の替え歌にして歌われ皆の笑いを呼び込みました〉とあるため、ある幹部(当時)は渥美清の『男はつらいよ』を熱唱したとみられる。司組長が歌った曲については言及がないが、〈唄われた後俺の点数も公平にしろよと言われていた〉ということでガチンコ勝負だったようだ。

 前出・実話誌記者の指摘通り、トリはこの年も『任侠一筋』。その後、高得点で入賞した参加者には司組長から目録が渡され、一本締めで閉会となったという。

「司組長の誕生日会は新年会も兼ねていて、山口組は年末年始に多くの催しを開きます。ただ、総本部の使用禁止、『特定抗争指定』を受けた地域では組員5人以上で集まれないなど制約も多い。

 さらに分裂抗争が長期化し、水面下での動きが増えていることもあり、警察もこうした行事で逮捕の口実を探すようになった(2022年12月の餅つきでは、プロパンガス容器の運搬方法が不正だったとして事務局長が逮捕されている)。分裂抗争が終わらない限り、ここまで大がかりな誕生日会は開催しづらいのではないか」(実話誌記者)

 はたして来年1月の誕生日会レポートはどういった内容になるのか。

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