〈公園前でおっpいを出しちゃう女子大生現る〉〈好きな人はリプください〉……女性インフルエンサーが、そのようなコメントとともに公の場で下着などを露出した姿をSNSに投稿する事例が相次いでいる。女性たちの多くは、会員制サイトで販売している一層過激なコンテンツへの導線として、そういった投稿を行ったとみられる。
そんななか、クリエイター支援プラットフォーム「ファンティア（Fantia）」の公式Xアカウントは11月8日、〈ファンクラブ運営にあたっての注意事項〉と題したメッセージを掲出した。同プラットフォームでは、クリエイターがファンクラブを通じて、写真や動画などのコンテンツを配信することができる。
〈ファンティアでは投稿ガイドラインおよび利用規約に則した活動をお願いしております。ガイドラインにもありますように、成人向け実写作品の撮影場所としてふさわしくない場所（屋外、公共施設等）で撮影された作品の投稿は非公開もしくは削除させていただく場合がございます。
いま一度、投稿ガイドライン・利用規約をご確認の上、皆様のご配慮を賜れますと幸いです〉（「ファンティア」公式Xより）
実際、炎上した女性たちのなかには、「ファンティア」を通じて、過激なコンテンツを有料で販売している者もいた。一連の騒動を受けてのアナウンスなのか？
「ファンティア」に問い合わせたところ、「ガイドラインに関するアナウンスについては、プラットフォームとして定期的にガイドライン遵守に関するお知らせを出しており、その一環としてのアナウンスとなっております」との回答だった。
女性インフルエンサーたちによる飲食店や公共交通機関、公園などでの露出行為に対して、ネット上では、〈公然わいせつだ〉や〈捕まってほしい〉といった厳しい声が殺到している。しかし、法的な観点からすると、“公然わいせつ”とは、なかなか複雑な概念らしい。浦川祐輔弁護士が解説する。
「公然わいせつに該当するか否かは、“誰に見せようとしているか”など、さまざまなバランスによって決まります。本来は下着で隠されなければいけない部分の露出というのは一発アウトのわかりやすい要件ですが、周囲の人々に見えないように、あくまで撮影者だけに向けて一瞬だけ下着を露出した場合などは、公然わいせつに当たらない可能性があります。『周りのみんなに見える形か？』という点が重視されるからです」（浦川弁護士、以下同）
公然わいせつに該当するかどうかの判断は難しいため、もし逮捕する際は、違う容疑が持ち出されることもあるという。
「たとえば施設内での露出行為だと、『もともと想定されている形と違う使用方法をしており、施設の管理権利者の意図に反した立ち入りにあたる』というロジックのもと、建造物侵入の疑いで逮捕されるケースがあります。警察官としては、該当するか微妙な案件で公然わいせつを持ち出すよりは、要件が明確な“建造物侵入”のほうで逮捕したほうが無難なのでしょう。
建造物侵入で逮捕する手段が使えないぶん、屋外、特に公共の場である公園や路上などでごく短時間の下着だけの露出となると、屋内での露出行為に比べて、刑事事件にするハードルは一気に上がると言えます。それほど公然わいせつとは、さまざまな要素のバランスで成立する罪状なのです」
さまざまな要素を鑑みて法的な判断がされるからこそ、“公園でパンツを見せるのはセーフのようだ”と早合点してはいけない。たとえ刑事事件にはならなかったとしても、公共の場などで下着を故意に露出する行為は、モラルの上では言語道断だ。