大相撲九州場所の優勝争いは2人の大関に絞られ、琴櫻と豊昇龍のどちらが優勝しても初場所は綱取り場所となる。連日、土俵上の熱戦に大声援が送られるが、土俵周りでも興味深い動きが出てきている。
九州場所では向正面の控え行司のすぐ右隣に座る女性が、毎日違う着物姿で15日間皆勤するのが「着物美人」とネットニュースで報じられ、SNS上でも話題となるのが恒例だ。今場所も同じ席から着物姿で声援を送る姿がNHKの相撲中継では連日見られた。
それに加え、九州場所では力士が着ている四股名入りの浴衣地をワンピースなどに仕立てて観戦する「四股名ワンピースの女性」も注目を集めている。こちらは15日間の毎日、違う四股名の浴衣地の洋服で登場するのだ。初日は貴景勝の四股名が入ったブルー地のジェラートピケのデザインの浴衣地から仕立てた、首元が大きく空いたワンピースで観戦。その後は若元春、正代、若隆景、霧馬山(霧島)、錦木、若元春、貴景勝、翔猿、遠藤、北勝富士と毎日違うデザインの浴衣地の洋服で登場した。
実は、九州場所の桟敷には、浴衣地を洋服に仕立てて応援する女性が他に2人もいるのだ。
「他の2人とも、四股名ワンピースの女性が応援する姿を見て作ったそうです。桟敷では応援タオルや横断幕を掲げることが禁止されているため、浴衣地の四股名が応援タオルの代役になる。そのため、最初のワンピース女性に“自分も作って応援したいのですが”と相談したという。四股名が左胸のあたりにくるようにデザインするなど、アドバイスをもらって作ったそうです」(協会関係者)
遠征組の女性も
ひとりは西の桟敷に座る。九州の他県からの遠征組だが、15日間皆勤。ホテルに泊まり込んで、序ノ口の取組が始まる前の朝8時半から座っているという。
「先代の大関・貴ノ花の追っかけで、二子山部屋、貴乃花部屋、常盤山部屋と応援してきたそうです。常盤山部屋の力士の四股名が入った浴衣地の洋服や部屋の名前がプリントされたTシャツを着て応援している。千秋楽が終わると、来年のホテルを15日間予約して帰られるそうです」(前出・協会関係者)
もうひとりは関東からの遠征組だという。15日間のうち3日ほど桟敷で応援している。12日目は向正面の5列目に。九州場所限定ではなく、東京の本場所にも姿を見せるという。
「高田川部屋の後援者だといいます。部屋の竜電、湘南乃海、輝、白鷹山と4人の関取の四股名が入った浴衣地の洋服を着ての応援です。四股名が小さいからか、12日目は桟敷で竜電の応援タオルまで掲げてしまっていました」(前出・協会関係者)
浴衣地の洋服を着ての観戦の輪が広がりつつあるようだ。