まるで息子の結婚式に出席する父親のように感慨深い表情を浮かべていたのは、中井貴一(63才)だ。現在出演中のドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)で中井とともにW主演を務める岡田将生(35才)が、高畑充希(32才)との結婚を発表した11月19日のことだった。
「ちょうどこの日も撮影が行われており、中井さんや寺島しのぶさん(51才)ら共演者が岡田さんを祝福しました。なかでも中井さんは“相棒”の報告を心から喜んでいて、手を叩いて祝福していましたよ」(テレビ局関係者)
本作は2年前に放送されて好評を博した同名ドラマの続編。中井演じる伝説のナースと、岡田演じるフリーランスのナースがバディを組み、医療現場で奮闘する物語だ。前作に続き視聴率は絶好調で、第5話(11月14日放送)は世帯視聴率10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、秋ドラマのトップを走っている。
「脚本は『ドクターX』(テレビ朝日系)などのヒット作を持つ中園ミホ氏が担当しています。12年にわたって放送されたテレ朝の看板ドラマ『ドクターX』が12月公開の劇場版で最後となりますが、『ザ・トラベルナース』はその穴を埋める作品に成長していくと期待されています」(前出・テレビ局関係者)
好調の理由の1つが、現場の雰囲気のよさだ。特に、中井と岡田は前作から引き続いてのバディ役とあって、互いに信頼し合う関係だという。
「前作からの2年間で、岡田さんは朝ドラをはじめ、話題作への出演が相次いでおり、中井さんは岡田さんの俳優としての成長ぶりにかなり驚いていた。最近はプライベートでの交流もあるみたいで、2人で一緒にゴルフに行ったそうですよ。
中井さんはハワイのゴルフ場の会員権を持っているほどのゴルフ好き。地方のゴルフ場まで遠征し、“トラベル感”も味わったようです。同世代の気の置けない仲間とラウンドすることが多く、後輩を連れていくことはあまりないそうですが、岡田さんのことは自分から誘ったそうです」(芸能関係者)
続編は、レギュラー出演者の緊張感が薄れてしまうという難しさもあるといわれるが、本作では適度な緊張感が保たれているという。その理由は、中井のあるこだわりにある。
「一般的に、俳優さんはドラマの放送前に完成した映像を見ることが多いのですが、中井さんは絶対に事前に見ずに、視聴者と同じタイミングで放送を見るようにしているそうです。時には、スタッフやキャストを集めて“オンエア鑑賞会”をすることも。
放送前に見てしまうと、どうしても自分の演技だけが気になってしまいがちなのですが、視聴者と同じ目線で見ることで、全体の動きが見えてくるのだそう。実際、鑑賞会でも“ここをこうすればよかったね”“あそこにあれがあるのは変じゃない?”などという会話ができ、次の撮影につながりました」(前出・テレビ局関係者)
視聴率だけでなく、後輩やスタッフの面倒見もナンバーワンの中井。日本が誇る名優の代表作がまた1つ増えることになりそうだ。
※女性セブン2024年12月12日号