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『海に眠るダイヤモンド』制作秘話 神木隆之介はYouTubeでホストを研究、杉咲花は長崎弁に奮闘、ネトフリ配信に間に合わないほど超タイトな撮影スケジュール

NEWSポストセブン 2024年11月30日 7時15分

 50年前に“消滅”した島が空前のブームを迎えている。好奇心に満ちた表情で、人々が船から降り立つ先は、長崎県の端島。通称、軍艦島だ。長崎県で軍艦島ツアーを行う「軍艦島コンシェルジュ」の佐藤義太郎さんが話す。

「軍艦島への上陸ツアーは連日満席で数週間先まで予約が埋まっています。1か月前と比べ、予約サイトの閲覧数も約5倍となり、反響の大きさを実感しています」

 ブームを後押しするのは、軍艦島を舞台にした日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)だ。

「主演の神木隆之介さん(31才)と宮本信子さん(79才)は実際に上陸ツアー船に乗船し、撮影しました。ツアーでは、池田エライザさん(28才)が働いていたラウンジや斎藤工さん(43才)らが集った事務所など、ドラマの撮影場所をご案内しています」(佐藤さん)

 長崎港から船で40分。海底炭鉱で栄え、最盛期には東京ドームの1.3倍ほどの面積に5200人以上が住んだ軍艦島。ドラマは活気あふれる当時の島の生活と、現代の日本社会が交互に描かれる。過去と現在が絡み合って謎が謎を呼ぶミステリー展開が見どころで、第5話(11月24日放送)では宮本演じる謎の女性「いづみ」の正体が明らかになった。

 放送が終わるやいなや、SNSでは“今回も傑作だった”“映画みたいなクオリティーだ”という声があがる本作だが、撮影は超タイトなスケジュールで進んでいるようだ。

「ここ数年の日曜劇場は放送後にNetflixでも配信されてきましたが、今回の配信はU-NEXTのみ。実は、Netflixで配信するには放送2週間前に本編映像が完成していなければならず、今回はそれに間に合っていない。それほど最後の最後まで編集にこだわっているようです」(テレビ局関係者)

 作中で圧巻なのは、軍艦島の鉱業会社で働く鉄平と現代の東京でホストをする玲央の一人二役をこなす神木の演技力だ。

「明るく元気な鉄平と、無気力で『面倒くさい』が口癖の玲央を見事に演じ分けています。ホストの仕草や話し方を真似るため、神木さんは実際にホストのYouTubeを見て研究しているそうです」(前出・テレビ局関係者)

 視聴者からは、杉咲花(27才)、土屋太鳳(29才)、池田の女性キャストが絶妙との声もあがる。

「3人とも美女ですが、あえて印象が異なるタイプをキャスティングし、海外の人が見ても違いがわかりやすいようにしたそうです。

 特に土屋さんと杉咲さんは現場でも仲がよく、『花』『たおっち』と呼び合っていつも一緒にいる。建物の老朽化が進む軍艦島では、廃墟の一部でしか撮影できないので日本各地に巨大なロケ地をつくって撮影していますが、2023年8月に第1子を出産した土屋さんは遠方のロケにお子さんを連れて参加することもしばしば。周囲に『この子もドラマに出演させちゃおうかな』と冗談ぽく語っていました」(芸能関係者)

 和気あいあいの撮影現場でキャストが苦労しているのが長崎弁のセリフだ。実際、このドラマで方言指導を行い自身も出演している長崎出身の俳優・三井善忠さんが語る。

「脚本家の野木亜紀子さんが標準語で書きおろした台本をぼくが長崎弁に直して野木さんに戻し、そこからさらにニュアンスを訂正していきます。台本が固まったら長崎弁のセリフ部分を録音し、その音声データを役者さんが聞いて耳から体に入れていく。けっこう大変な作業ですが、神木さんは長崎弁と標準語を使い分ける役柄を見事に演じていらっしゃいます」

 努力家揃いのキャストのなかでも、特に奮闘しているのが杉咲だという。

「杉咲さんは撮影初めから『大丈夫ですか。ここ変じゃないですか』と時々聞きに来ました。杉咲さんには3パターンの長崎弁を吹き込んだデータを渡して、それを聞き込んでよりレベルの高い方言に仕上げていました。その成果もあってか、彼女のセリフは、まるで“ネイティブのようだ”という声があがっていてうれしいです。多くの役者さんが長崎弁に熱心に取り組んでいただけたのはありがたく、今後も長崎の言葉を伝えていきたいと思います」(三井さん)

※女性セブン2024年12月12日号

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