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《タワマンに引越し、ハーレーダビッドソンを購入》須藤早貴被告が“7000万円の役員報酬”で送った浪費生活【紀州のドン・ファン公判】

NEWSポストセブン 2024年12月1日 11時28分

『紀州のドン・ファン』と呼ばれた会社経営者・野崎幸助さん(当時77)が自宅で死亡していた事件で、殺人罪に問われている元妻・須藤早貴被告(28)。9月12日から和歌山地裁で始まった裁判員裁判は、11月18日にようやく結審した。判決は12月12日に言い渡される予定だが、検察側が無期懲役を求刑していることに話題が集まっている。無罪を主張し続けている須藤被告は法廷で何を語ったのか。最後に質問を受けた11月15日の第21回公判を振り返る。【前後編の前編】

 野崎さんが亡くなったのは2018年5月24日の夜。解剖の結果、致死濃度を超える覚醒剤成分が血中から検出されており、死因は急性覚醒剤中毒とされている。

 検察側は、2018年2月に野崎さんと結婚した須藤被告が「莫大な遺産を得るために完全犯罪をたくらんだ」としている。野崎さんが須藤被告との離婚を検討していたことを指摘し、離婚によって財産を手に入れられなくなることを恐れた被告が殺人に及んだのではないか、としている。

 これに対し、須藤被告は一貫して「月100万円もらえるという約束で結婚した」「そもそも愛情のない、お金のための結婚だった」と主張。さらに遺産目当てだったのではないかという指摘には「お金のために結婚したのだから、もともと遺産も欲しかった」と開き直ったような主張を展開してきた。

 11月15日、被告人質問の最終日に検察側が執拗に追及したのが、須藤被告のお金への意識や金銭の費消状況だった。

検察側:あなたはどうしてもお金が必要だったのですか?

須藤被告:そうでもないです。
 
検察側:毎月100万円もなんで欲しかったのですか?

須藤被告:遊ぶお金です。

検察側:実際、お金をどんなことに使っていたのですか?

須藤被告:……遊ぶお金です。

 さらに検察側が問題にしたのが、須藤被告が野崎さんの死後、野崎さんの会社「アプリコ」の社長に就任し、7000万円という巨額の役員報酬を受け取っていたことだ。

「実際には、7000万円から税金などが差し引かれ、約3800万円が須藤被告の口座に振り込まれたようです。須藤被告の説明では、野崎さんの死後、月に30万円は貰いたいと思い、弁護士に相談した。すると、弁護士が会社とやりとりし、7000万円の役員報酬が貰えることを報告されたとのことでした。

 ちなみにその弁護士が所属するのは、東京のA法律事務所。須藤被告が逮捕される前、マスコミへの対応を担っていたイケメン弁護士・Xが代表を務める事務所です。須藤被告は、その金額が貰えることになった時はびっくりしたそうですが、『貰えるものは貰っておこう』と思ったそうです」(裁判を傍聴したライター)

 こうして巨額の役員報酬を手にした須藤被告。野崎さんの会社の経費も使い込んでいたようだ。たとえば、タクシー代がそうだ。

検察側:タクシーで東京都内を何度も移動しているのは、野崎さんの会社の仕事と関係がありますか?

須藤被告:関係があるときも、ないときもあります。社長(野崎さんのこと)がもともと、何でも経費で落とす人だったんで。マスコミにつけられるので、タクシー代がかさむことを相談したら、経費で落としても大丈夫だと言われたんです。

検察側:相談した相手は、A法律事務所ですか?

須藤被告:はい。あとは、公認会計士です。

 55歳年上の野崎氏と結婚し、巨額の金を手にした須藤被告。その周りには、色々な“大人”たちが集まっていたことがうかがえる。

「ほかにも須藤被告は、中古の車2台や、ハーレーダビッドソンのバイクを買ったり、マスコミにつけられるために家を5回引っ越したりしたことなど、多額の金を使っていたことを明かしています。5回の引越しでは、一軒家やタワマンに住んでいたこともあったそうです」(裁判を傍聴したライター)

 しかし須藤被告はその後、当時の弁護士を「信用できなくなった」というのだ。後編記事では、須藤被告が主張した弁護士への“高額すぎる報酬”、そして事件のカギとなる「覚醒剤購入」に関する証言と当時の弁護士との関係性を詳報する。

(後編に続く)

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