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《もう2度と呼ばれないな…》『イッテQ』出演の号泣芸人・武井ドンゲバビーが最後を感じたシーン、過酷ロケで今も抱える「海が怖い」のトラウマ

NEWSポストセブン 2024年12月15日 10時58分

 人気バラエティー番組『世界の果てまでイッテQ!』不定期レギュラーながら、ひとつのコーナーを任された武井俊祐さん(44) 。現在は「武井ドンゲバビー」として活躍する彼は、当時は「ヴィンテージ武井」として活動していた。「イッテQ」のオーディションに合格した3日後には海を渡り、右も左もわからず、気がついたら世界各地の“田舎”にいたという。過酷なロケでは銃を持った山賊と直面し、無数のサメとも対峙した。

 しかし、お茶の間の人気を獲得しつつも、徐々に出演回数が減っていった。そんな武井さんに最大のチャンスが訪れたのは2021年のこと。7年ぶりに番組復帰を果たすも「悔しかった」と打ち明ける。当時を振り返れば、楽しい思い出とともに悩みや苦労も蘇る。【全3回の第2回。第1回を読む】

* * *

──武井さんのコーナー「超田舎に泊まろう!」でも体を張ったロケをされていました。オンエアでは大幅にカットされたダイジェストで一瞬流れるだけ。その不条理さがおもしろさのひとつでもありました。

「世界各地の超田舎を訪れて、現地の人の家に泊まらせてもらうという企画でした。実際には2~3泊して現地の人と親睦を深めたり、体を張ったロケにもチャレンジしているんですが、オンエアではそのほとんどが流れない。

 いきなり現地に到着して、泊まらせてもらう家を見つけたら、次のカットでは別れを惜しんで号泣してる(笑)。そのおかしなVTRの作り方に、スタジオの内村さんや大輔さんから『いや、全部見せろよ!』というツッコミが入りましたね」

──わずか一瞬のダイジェスト映像では、闘牛にふっ飛ばされたり、「ルチャ・リブレ」(メキシコプロレス)の試合に出場したりと、なかなか激しめの体験をされていました。

「『ルチャ・リブレ』に出場すると言ってもこっちは素人ですし、事前にある程度の段取りを決めて練習していました。それなのに、いざ試合が始まったら観客のものすごい熱気に包まれて、相手選手もテンションが上がっちゃって段取りなんかお構いなし。受け身も取れない素人の僕を何回も投げ飛ばしやがるんで、さすがにちょっとケガしちゃいましたね。相手のテンションまでは、気をつけようがないです(笑)」

──異国の超田舎ですから、トラブルやハプニングも多かったでしょうね。

「ロケに入る前に泊まるホテルでも、シャワーが出ないなんて当たり前。怖かったハプニングは、とある国の山林の中を歩いていたら、山賊の集団に遭遇したんです。僕は山賊がいるなんて知らないから、彼らが持っていた銃も『猟』に使うものだと思って気軽に話しかけていたら、後方から現地コーディネーターさんが飛んできて『武井さん、ちょっと向こうに行っていてください。私が話しますんで!』と。あとで聞いたら、『撃たれていてもおかしくなかったですよ』って(笑)」

──いや、笑えないです(笑)。

「カリブ海のベリーズという国にあるバリアリーフ(サンゴ礁地帯)では、何匹ものサメに囲まれながらロケをしました。僕は撮影ポイントまで小さな船で行って、ひとりで海のど真ん中に下ろされて空撮のヘリが到着するのを待つんです。船は映らないように、遠くまで離れていっちゃう。しかし、待てども待てどもヘリが到着しないんですよ。

 不安になって水中メガネで海のなかを見たら、めちゃくちゃデカいサメが7~8匹グルグル下の方で泳ぎ回ってる。結局、40分近く浮き輪につかまってヘリの到着を待ったんですけど、サメは嗅覚が鋭くてアンモニア臭に反応して寄ってくるとも言われているので、怖くておしっこもできなかった」

──ケガどころか、命がけじゃないですか。

「コーディネーターさんは『襲わないサメだから大丈夫』って言うんですけど、『この数年で、水中カメラマンが2名ほど帰ってきてないだけ』って。ちゃんと食われてるじゃないですか(笑)。あれ以来、ちょっとしたトラウマになって、湘南や千葉の海で海水浴をしていても、足がつかないところには行けなくなりました」

──「お祭り男」や「カレンダープロジェクト」にも出演し、存在感を示していた武井さんの復帰を期待している『イッテQ』ファンは多いと思います。

「最初の頃は、多いときで月に2回ほど海外ロケに行っていました。それが、2年目で月1回になり、3年目では2カ月に1回。徐々に呼ばれる回数が減っていき、『まずいな、まずいな』という焦りはずっと感じていましたね。でも、その打開策がなかなか見つけられず、『超田舎に泊まろう』の企画も約3年で終了。

 ロケで固定チームが組めないとか、環境のせいにしてしまっていた部分もあったかもしれないです。ただ、全部ひっくるめて自分の実力や運なんですよね。自分が飛び抜けた存在になれていたら、環境なんか関係なく呼ばれているはずです」

──2021年、7年ぶりに『イッテQ』に出演されたシーンは、驚きました。

「『お祭り男』の助っ人として、4年ぶりのチャンカワイ(44)と一緒に出演させていただいたんですけど、大輔さんが働きかけてくれていたようです。ただ、あのロケは自分が全然ダメで明らかにスベってました。久しぶりに呼んでもらえたということで、『結果を残さなきゃ!』と思うあまり、考えすぎて萎縮してしまった。大輔さんやチャンのコメントを邪魔しないように消極的になったり、空回りしてタイミングを間違えて飛び出したり……。

 ロケが終わった瞬間に、『あぁ、もう2度と呼ばれないな』って思いました。悔しかった。あそこできっちりホームランを打っていたら、その後も呼ばれているはず。芸能界ってそういう場所なので、甘くはないです」

──仮にまた『イッテQ』に呼ばれたとしたら、残してしまった悔いを晴らすべく、どんなことをやりたいですか。

「今の僕で、もう一度『超田舎に泊まろう!』がやりたいですね。結婚して子どももできて、あの頃とは違う責任を背負いながら日々仕事をしているので、同じ旅をしたとしても現地の人たちと交わす言葉やリアクションも変わってくると思う。たぶん、もっと泣くんでしょうけど」

 第3回記事では、『イッテQ』を離れて始めたYouTube活動、アパレル、飲食など多方面でのビジネス展開、そして武井さんを二人三脚で支える美人妻について語っている。

(第3回に続く)

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