功成り名を遂げた人物に対して、世間が言いがちな言葉に「あの人は変わってしまった」というものがある。生活が激変したのなら、いろいろなことが変わって当然だろうが、変わらない素朴さを求めがちだ。大リーグ、ドジャース・大谷翔平選手の場合はどうだろうか。臨床心理士の岡村美奈さんが、輝かしい成績をおさめ、結婚してもなお夫婦まるごと好感をもって受け止められている大谷へ期待されていることについて解説する。
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オフシーズン中のロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手と妻・真美子さんが12月8日、NBAロサンゼルス・レイカーズ対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦を観戦。真美子さんの誕生日が12月11日だけに、日本の女子実業団バスケットボールリーグに所属する元富士通レッドウェーブで活躍した真美子さんへの誕生日デートともいわれている。
そんな誕生日デートに、今年はどんなプレゼントが新妻に用意されていたのかと、メディアは興味津々らしい。昨年は「実用的なものがいい」という真美子さんの要望に応えて、大谷選手は約2万円のスポーツシューズを贈ったと明かしていたからだ。そんなエピソードだけでなく、姿を見せる時は派手な高級ブランドではなく、実用的でシンプルなものを身に着けている真美子夫人に好感度はアップ。数々の記録を打ち立てているスーパーアスリートの妻ながら、大谷選手と同じく謙虚で明るく飾らないその姿に人々は魅了されている。
夫婦揃ってドレスアップして公の場に姿を見せる時は、大谷選手がブランドアンバサダーを務めるHUGO BOSSのものが多いという。シンプルで機能性に優れたデザインは、彼ら夫婦の感覚にぴったりマッチしたのだろう。BOSSのファッションは彼らの魅力を損なうことなくうまく引き出し、ハイブランドでないことも彼ら夫婦にプラスの効果をもたらしている。
レイカーズ戦でのファッションは、大谷選手が紺色のジャケットに黒のインナー、真美子夫人はグレーのニット、耳に大振りのイヤリングというカジュアルなファッションに好感度はアップ。大谷選手が身に着けていたという腕時計も一部のファンの間で話題になっているようだ。この腕時計は大谷選手の個人スポンサーを務めるSEIKOの中でも、本体価格が8万円ほどのモデルではないかと噂されている。過去にはSEIKOの中でも高級ブランドに位置するグランドセイコーを身に着けている姿が目撃されていたこともある大谷選手。500万円近い価格の時計が話題になったが、普段使いは庶民的なモデルのようだ。
高級な物より庶民的な物を身に着けていた時のほうが話題になり、好感度がアップするのは、人々が自分でも手に届くという感覚に共感しやすいせいもある。大谷選手の年収を見れば庶民とは程遠いが、普段に見せる姿の中に垣間見える庶民的な普通の感覚がファンや人々には好ましい。通訳だった水原一平氏に26億円騙されたとか、ハワイにセカンドハウスを購入した、豪邸を購入したと桁違いのニュースはあるものの、お金に執着することなく活躍し続ける姿を見れば、彼の本質はいつまでも変わらないと人々は思う。
選手やアイドル、俳優などに関わらず、ファンという人たちは”推し”が大きく羽ばたき世界中で活躍してくれることを望んでいるが、その本質は自分たちが知っている頃のまま変わらないでいてほしいと願うという。そしてそういう推しだからこそ、こうなってほしい、こうであってほしいと応援し期待し、夢や理想を託すのだ。
そんな人々の思いを体現しながら、その期待を超え、野球も結婚もデコピンさえもファンの夢や理想の上をいくのが大谷選手だ。NEWSポストセブンに、「《真美子さんのバースデー》大谷翔平の”気を遣わせないプレゼント”新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は”1000億円超のサプライズ”」(12月10日公開)という記事が載っていただけに、今年はサプライズがあったのか、実用的な物だったのか。夫人の誕生日にどんな物を贈ったのか、ファンとしてはやっぱり気になる。