二階俊博・元自民党幹事長と言えば、同党史上最長の5年超にわたって幹事長を務めた大物中の大物だ。先の総選挙の前に引退した後も、大きな影響力を残す。だが、本誌・週刊ポストはその後継者たる息子が政治家を目指す資格があるのか、疑問視せざるを得ない醜聞を掴んだ。衆院選で落選した三男・伸康氏だが、銀座のバーのオーナーママで30代のA子さんとの不倫旅行していたことなどがわかったのだ。【全3回の第3回。第1回から読む】
〈深くお詫び申し上げます〉
衆院選で落選した伸康氏だが、その街頭演説でA子さんの姿が確認されている。石破茂・首相がJR海南駅前で応援演説をした10月20日。石破首相の近くに立つ伸康氏を見つめるメガネにマスク姿の女性がいた。この女性がA子さんなのだ。この日、A子さんは伸康氏が自宅とは別に所有する和歌山市内のタワーマンションに泊まっていた。
さらに、本誌は2人が広島に“不倫小旅行”する姿もキャッチしている。今年8月18日、和歌山で支援者回りを終えた伸康氏は、その日の午後にA子さんの実家がある広島に行った。A子さんとともに広島市内を散策し、同じホテルに入っていった。
伸康氏の行動を、父の二階俊博氏はどう考えているのか。本誌は二階氏本人に電話で取材した。
伸康氏がA子さんとの交際を認めたことを伝えると、二階氏は「知りません」と答え、A子さんが選挙中に応援に来て伸康氏のマンションに宿泊していたことも、「知りません」。そんな伸康氏を後継者に指名したことをどう思うかを問うと、不機嫌な声でこう語った。
「そのことの事実も知らないですから、なんともお答えのしようがありません。なんか心当たりあるかっていう程度のことは(伸康氏に)聞いてみますがね、それ以上のことは興味もありません」
伸康氏に事情を聞くと口にしたので、翌日、二階氏に改めて取材すると、「伸康と話ができていない。事実関係がわからないので答えられない」の一点張りに。
さらに事務所を通じて送った二階氏宛の質問書には、伸康氏の名前でこう文書回答があった。
〈妻も仕事をしていることから、この2年近く首都圏と地元の別居生活を続けて参りましたが、今後、地元でともに生活する事が困難であることから、離婚に向けた協議をして参りました。
既に当事者間において離婚の合意をしている事から、手続きを進めているところです。
この度は、私のプライベートに関わる事項においてお騒がせを致していること深く、深くお詫び申し上げます〉
広島旅行の8月時点で離婚に合意していたのか、そうであればなぜ今なお離婚していないのかを重ねて問うたが、締め切りまでに回答はなかった。伸康氏の夫人に離婚を合意しているかをぶつけると、「色々な可能性のあるプライベートなことなのでご容赦ください」とするのみだった。
もう一方の当事者であるA子さんの話を聞こうと自宅を訪ねたが、応答はなかった。2人が小旅行に訪れた広島に住むA子さんの両親に、伸康氏との関係を承知しているのか聞くと、A子さんの母は驚いた様子で、「あっ、(交際は)知ってますよ」と応じるも、詳細を尋ねると「あー、まだちゃんとしたわけではないので」と話を切り上げた。A子さんの父も「(話すのは)難しいですね」とし、2人の広島旅行の際、伸康氏と会ったのかを質問すると、「それも含めて何も言えない」と答えた。
交際を知らなかった二階俊博氏と違ってA子さんの両親には“公認の仲”だったわけだ。
次の選挙で議席を目指す伸康氏だが、妻子がありながら、選挙中に別の女性を自分の持つマンションに宿泊させ、応援まで受けていた行動を、有権者はどう評価するのか。
後継者がこれでは、栄華を誇った「二階王国」は滅亡へ向かうだろう。
(第1回から読む)
※週刊ポスト2024年12月27日号