臨時国会では、自民党の裏金問題などを受けた政治資金規正法改正の議論の真っ直中にある。発端となった派閥の政治資金パーティーの裏金事件をめぐり、自民党が実施した調査で不記載額が最多の3526万円だったのが、二階俊博・元幹事長だ。政界引退を表明することで処分を受けずに済み、10月の総選挙には後継の三男・伸康氏が自民党公認で出馬するも落選。その伸康氏に発覚した不倫スキャンダルに、政界きっての実力者は何を思うのか──。
本誌・週刊ポストは、三男・伸康氏が妻子ある立場でありながら30代女性と8月、不倫旅行に出掛けるなどしていたことを報じている。
相手のA子さんは、銀座のバーのオーナーママで、モデルとして活動する顔を持つ女優の菜々緒似のスレンダーな美女だ。
今年8月中旬のある日、和歌山で支援者回りを終えた伸康氏は、A子さんの実家がある広島へと向かった。同じホテルに入り、A子さんとともに広島市内を散策するなどして“不倫小旅行”をする姿が確認されている。
石破茂・首相が選挙応援で和歌山県入りした10月20日、JR海南駅前の聴衆のなかにも、演説する石破首相の傍らにいる伸康氏を見つめるA子さんの姿があった。A子さんがこの日、宿泊したのは伸康氏が自宅とは別に所有する和歌山市内のタワーマンションだった。
本誌の直撃取材に対して、伸康氏はA子さんとの親密な関係を認めつつ、「正直申し上げまして、今の妻とは離婚協議の最終調整中なんです」「まあ私は(離婚が)合意に至っているという気がしておりますので」などと答えていた。後日、事務所からの文書回答では妻と〈離婚の合意をしている〉としたが、8月の旅行の時点で離婚に合意していたかについては回答しなかった。
父・俊博氏が息子の「不倫」に思うこと
二階俊博氏は、引退してなお全国旅行業協会会長や全国土地改良事業団体連合会会長を務め、政界に隠然たる影響力を残すとされる。地元・和歌山は「二階王国」と呼ばれるほど強固な地盤を誇った。後継者の伸康氏は落選後も自民党和歌山第二選挙区支部の代表を務めるなどしているが、今回のスキャンダル発覚に、父親として何を思うのか。俊博氏が電話で取材に応じた。
──息子の伸康氏がA子さんという女性と交際していることがわかったが、その女性について何か知っているか?
「知りません」(二階氏の回答、以下同)
──2人は8月に一緒に広島に行って同じホテルに泊まっている。10月の選挙中も伸康氏が持っているマンションにこの女性が泊まっており、親密に交際しているという。そういう話を聞いたことは?
「知りません」
──妻以外の女性と交際しているわけだが、伸康氏を後継者とする判断が正しかったと考えるのか。
「そのことの事実も知らないですから、なんともお答えのしようがありません」
──伸康氏が現在、離婚協議中であることは知っていたか?
「知りません」
──伸康氏は離婚について「合意に至っている気がする」という曖昧な回答だった一方、別の女性と交際していることは認めた。そういう状況をどう思うか。
「全然知らないことを答えようがないじゃないですか」
──伸康氏からそうした報告はまだ来ていない?
「知りません」
──もし伸康氏が次の衆院選に出馬する意向があるなら、今回の件を受けて、父親としてどう思うか?
「そんなこと、知らないことを答えようがないですよ。本人のことですからね。私がどうこうお答えしたりするような問題じゃないじゃないですか」
────伸康氏に確認してもらったうえで、改めて見解を聞けないか。
「なんか心当たりあるかっていうことは、その程度のことは(伸康氏に)聞いてみますがね、それ以上のことはことに興味もありませんし」
そう言って会話を切り上げた父・俊博氏。翌日、伸康氏への確認の結果を改めて尋ねたところ「伸康と話ができていない。事実関係がわからないので答えられない」とするのみだった。栄華を誇った「二階王国」だが、その継承には濃い暗雲が立ちこめている。