恋人たちが肩を寄せ合って歩く都内のおしゃれスポット。12月上旬の夜8時、その一角にある隠れ家風のイタリアンレストランに華やかな面々が吸い込まれていった。
「中井貴一さん(63才)、岡田将生さん(35才)、浅田美代子さん(68才)、寺島しのぶさん(51才)らが集まって、ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)の打ち上げが行われました。この日は第7話の放送日だったので、中井さんの発案で、ドラマをリアルタイムで見たり、11月に結婚を発表した岡田さんのことを改めてお祝いしたそうです」(テレビ局関係者)
4時間ほど経った頃、俳優やスタッフが続々と店から出てきた。そこには頰を上気させた中井の姿も。話し足りないのか、寒空の下、立ち話を続け、笑顔で手を振り帰路についたのだった。
秋ドラマの視聴率トップをひた走る本作。ヒットの要因のひとつが、中井演じるスーパーナース・九鬼静のクセが強いキャラクターだ。
「無責任な医師や未熟な看護師に広島弁で凄み、時には嘘をついてでも患者に適切な治療を受けさせようと奔走します。
2年前に放送された作品の続編で、今回も、普段は物腰柔らかな中井さんが『バカドクター!』『バカナース!』を連呼し、その痛快ぶりが話題を呼んでいます」(ドラマ評論家)
日本を代表する俳優として、多くの後輩たちに影響を与えてきた中井。たとえば、吉田羊(年齢非公表)もそのひとりだ。
「中井さんは2008年の朝ドラ『瞳』を見ていたとき、端役なのにあまりに自然な演技をする役者がいて、知り合いに誰なのか尋ねたら吉田さんだった。そこで自身の主演ドラマ『風のガーデン』(2008年・フジテレビ系)に役を追加してまで起用し、周囲の関係者に彼女の演技のすばらしさを伝えた。それがきっかけで、吉田さんはブレークを果たしました」(芸能関係者)
2025年の春スタートの朝ドラヒロイン・今田美桜(27才)も中井の教えを胸に邁進してきた。
「2人は2018年のドラマ『記憶』(フジテレビ系)で共演。クランクアップのとき、中井さんは『お前は30点で行け』と声をかけたそうです。当時の今田さんは、自分をよく見せようとするあまり、自然な演技ができず苦戦していたそうですが、中井さんの言葉で肩の力を抜いて仕事に臨むことができるようになったそうです」(前出・芸能関係者)
そして、『ザ・トラベルナース』で共演中の岡田にも大きな影響を与えている。
「本作は岡田さんと中井さんのW主演です。実は、中井さんは岡田さんを支え、育てることを使命にこの仕事を引き受けたそうです。岡田さんは中井さんから『常に台本から頭を離さない』と教わったそう。何度も読み返すことで新しい発見があるそうで、いまは読み返しを日課にしているのだとか」(ドラマ関係者)
後輩たちに温かな眼差しを注ぐ中井。そこには、若い頃、あるプロデューサーにかけられた言葉があった。
「『あんたは主役をやる人間だけれど、ある時期になったら若い人を支えることを忘れないように』と言われたそうです。
その言葉をずっと覚えているからこそ、後輩を叱咤激励し、自分も彼らに背中を見せられる人間でいようとしているそうです」(別の芸能関係者)
冒頭の打ち上げで、岡田は出演者やスタッフを見送り、最後に帰路についた。座長としてチーム全員に気を配る。中井の教えは後進を確実に成長させている。
※女性セブン2025年1月2・9日号