海外在住の中国人向け民主化運動機関紙『中国の春』を1979年に創刊するなど、中国民主化活動家の草分け的存在の王炳章氏(75)が現在、広東省の刑務所の独房に22年間も幽霊され、これまで3回の脳卒中で半身不随に陥り、重度のアレルギー症を患い、生命の危機に瀕していることが明らかになった。
王氏の健康状態を懸念した国際的な人権団体「フリーダムハウス」(本部・米国ワシントン)など世界中の人権団体は12月に入って、中国政府に対して即時釈放を求める要望書を送るなど、王氏の救出活動を活発化させている。
王氏は中国河北省出身で、1979年にカナダで医学博士号取得した後、当時の中国政府による国内の民主化運動弾圧に抗議して、『中国の春』を創刊するなど、中国内の民主化運動を支援、2002年にベトナム国境から中国内に入ろうとして、中国当局に逮捕された。王氏は翌年の裁判で、スパイ活動容疑で無期懲役刑の判決を受けた。
その後、王氏は広東省内の刑務所で服役。昨年9月に王氏の弟の王炳武氏や妹の王金環氏らが面会した際、王氏は脳卒中などの重病を患っていながら、いまだに独房に閉じ込められて非人道的な扱いを受けていることが分かった。
フリーダムハウスは今年5月8日、中国の民主化推進に対する彼のたゆまぬ努力と貢献を称え、王氏に今年の「フリーダム賞」を授与。また、王氏が今月28日に76歳の誕生日を迎えることから、他の人権団体にも呼び掛けて、「王炳章氏を救出する世界的な行動」(Global Action to Rescue Wang Bingzhang)キャンペーンを展開している。
このキャンペーンに対して、中国政府は現在まで、特段の反応も示していない。