12月14日、福岡県北九州市小倉南区のファストフード店『マクドナルド322徳力店』内で中学生2人が刺され、女子生徒・中島咲彩さん(15)が死亡した事件。発生から5日経った12月19日、小倉南区内の自宅で、平原政徳容疑者(43・無職)が逮捕された。なぜ男は、未来ある中学生に手をかける凶悪な犯行に走ったのか。取材を続けると、容疑者の“家庭環境の変化”が見えてきた。
「平原容疑者は車で店舗に訪れ、入店後10数秒で中島さんと男子同級生を刺し、現場から逃走した。腰のあたりに深い刺し傷を負った男子同級生は『まったく知らない人に刺された』と証言しています。容疑者は調べに対し容疑は認めているが、動機については明かしていないといい、その解明が待たれている」(全国紙社会部記者)
平原容疑者が犯行後から逮捕に至るまでの5日間身を潜めていた自宅は、現場から徒歩15分ほどの距離にある住宅街の中にある、二階建ての一軒家だ。
「登記簿を確認すると、この一軒家は平原容疑者が母親と思われる人物から相続で譲り受けている。容疑者が住む前にはこの母親と思われる人物や、親族と思われる人物も居住地としていたそうです」(同前)
近隣の住民も、「母親や姉が月1度ほど草むしりにくる」「誰かを叱りつけるような怒鳴り声がよく聞こえた」などとNEWSポストセブンの取材に答えている。
逮捕時は1人だった平原容疑者だが、「数か月まで同居人がいた」という証言が相次いでいる。近隣に住む主婦の話。
「うちの子が、(平原容疑者を)何回も見たことがあるんです。中2の息子が自転車でよく家のまえを通るんですけど、怒号を何回も聞いたことあるって。『子供に対して怒鳴ってるみたいだ』って」
この主婦の息子は、真面目な口調でこう話す。
「たびたび大声とか、怒ってる声が聞こえてきた。僕たちと同じ中学生ぐらいの女の子が出入りしているのを何度か見たことがある。下校の(午後)4時、5時ぐらい。あの人の子供かどうかは分からないけど、制服ではなく、私服姿だった。普段は家のシャッターが閉まって、中の様子はあんまり見えなかった」
6年前住んでたアパートには「小学校低学年くらいの娘が…」
平原容疑者はこの一軒家に住み始める前、このエリアから車で15分ほどの距離にある木造のアパートに住んでいた。当時の容疑者は、最近見られていたような“迷惑行為”を起こしていなかったという。アパートを所有する男性が語る。
「今から6年くらい前まで、このアパートに住んでいた。私は建物の所有者で、管理は不動産会社に頼んでたんですけど、全く問題は起こってなかったんですよ。今回の事件で報道されている近隣トラブルとか迷惑行為みたいなのは、私には伝わってこなかった」
さらにこの所有者も、“同居人”について証言した。
「ここのアパートは、新婚さんとかカップルとかが住むような設計になってるんです。全部屋2DKで、家賃は5万円くらい。大きい家に住む前に住むアパート、という感じで、割と出入りは多い。
事件の後、不動産会社の人から聞いた話では、容疑者が当時住んでた時には奥さんと子供がいたっていう話なんですよね。うちの妻は、子供は女の子だったんじゃないかって言いよる。退去したのが2018年ごろって聞いてます。その頃、子供さんは小学校の低学年だったって聞いてるんで」(同前)
高校時代、同じクラスだった人物も、平原容疑者の「妻」について証言する。
「高校時代は、こんな事件を起こすとは思えない、優しい男という感じでした。事件後に当時の仲間から連絡が来たんですが、『最近離婚して、すさんでいるような様子だった』と」
複数証言された平原容疑者の家族の存在。証言が正しければ、命を落とした中島さんとちょうど同じくらいの年頃になる。
世間を震撼させたこの事件。真相の究明が待たれる。
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