2024年のシーズン限りで監督退任を決断した阪神タイガースの岡田彰布氏。昨季はチームを38年ぶりの日本一に導くも、球団初の連覇を逃すとCS前に突然退任を表明した。その後、阪神タイガースのオーナー付顧問への就任を発表。就任会見には登場したものの、その後は表舞台で姿を見る機会はごく限られている。在阪のスポーツ紙も藤川球児新監督関連記事が一面を飾り、「岡田語録」が「球児語録」に代わっている。
12月16日に退任後初めてテレビ出演(『newsおかえり』朝日放送テレビ)した際には、「1年目にね、ホントまさかね、日本一になってしまうと、その上がないんで。2年目はちょっとしんどかったですけど。なんとか常勝チームというか、毎年勝てる、それぐらいのチームになったというのはある」と連覇を逃した舞台裏に触れた。その上で、今年の漢字を聞かれて「残」と書き、「ちょっとやり残したというのもある」と本音を漏らす場面もあった。
2023年に阪神が日本一になった後の岡田氏のオフは多忙を極めた。休む間もなく、オーナーへのシーズン終了報告、秋季キャンプ、タイガース杯コンペ、優勝パレード、ファン感謝デー、優勝報告会、球団納会、NPBアワード、祝賀会、流行語大賞表彰式、新入団選手発表会、ハワイ優勝旅行……と続いた。優勝パレードでは100万人を動員した。当時、岡田氏の夫人・陽子さんは本誌・週刊ポストの取材に対し、こう答えていた。
「1週間のうち7日間が忙しくて……。オフになればたくさんゴルフコンペに誘っていただくのですが、球団の公式行事でほとんど無理という感じ。プライベートで回ることはゼロですね。息抜きは全くできていないです。オフに入ってからも家にいる時間が少ないんですよね。散髪屋さんも特別に定休日に開けてもらったほどです。
ただ、主人は『疲れている』と言ってはいますが、日本一で疲れも消えたようです。シーズン中は次の試合、次の試合と体調を崩す間もなく試合に追われた感じで、それも勝ちゲームが多かったのでよかったのだと思います。オフになってホッとして急に疲れが出ないかなと心配していたんですが、オフも毎日緊張感が続いているのでテンションが上がったままなのかなと思います」
星野さんとは同じ轍を踏まない
このオフはどう過ごしているのか。岡田氏と親しい人物によれば、「自宅で夫人と2人でゆっくり過ごしている」という。たまにゴルフや食事に出かけるぐらいで、講演活動なども一切していないのだとか。
「星野(仙一)さんを反面教師にしているようです。星野さんは監督退任後にオーナー付シニアディレクターに就任しながら、甲子園での試合にも顔を出さずにテレビ解説などメディアでの副業に精を出していた。そんな星野さんに岡田さんも批判的だった。就任すると見られていたデイリースポーツの専属評論家のポジションに関しては断わりを入れ、取材も球団を通さないと受けないとのことです。星野さんと同じ轍を踏まないということなんでしょう」(同前)
とはいえ、このまま岡田節を聞く機会が減るとなれば、ファンにとっても寂しい限りだ。