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《3児の母親となった小森純》「社会に触れていたい」専業主婦から経営者を選んだ意外な理由、タレント復帰説には「テレビは簡単に出られる世界じゃない」

NEWSポストセブン 2025年1月6日 15時59分

 読者モデル出身のギャルタレントとして活躍していた小森純さん(39)は、ネイルサロンを経営する実業家として活躍する一方、プライベートでは3人の男の子の母親だ。YouTubeでは高級外車を購入したり、豪華客船旅行を楽しんだりする動画を公開。優雅に暮らしているのかと思いきや、「自分自身より、周りの人たちの人生を豊かにしたい」と語る。どういうことなのか。その真意や母親としての奮闘ぶり、がんばれる原動力は何なのか。小森さんに聞いた。【全3回の第3回。第1回から読む】

「中学時代、親に迷惑かけ過ぎたことをずっと『スミマセン』って思っています。私の親は同級生の親たちに『もうちょっと自分の子どものことを見てあげたほうがいい』と周囲から⾔われていたみたいですから」

 読者モデルとして人気を博し、テレビに出て活躍したことが親孝行になった。

「『地元で一番有名になったのは私の子どもだ』と誇らしく言っていたとあとから聞いて嬉しかったです。過去には失敗もありましたけど、今では私が働いたお金で旅行に連れて行ったり、冷蔵庫やテレビをプレゼントしたり。そうすることが、私ががんばれる原動力のひとつになっているんです」

 こうした思いは、経営するネイルサロンのスタッフに対しても強い。2024年の夏には、上の子どもらを連れて南国・宮古島へ旅行に行った。

「『この素晴らしい景色を会社のみんなにも見てほしい!』と思って、戻ったらすぐに社員旅行の予約を入れました。私は“偉そうな社長” にはなりたくなくて、会社はみんなで作ってきました。儲けが出たら、みんなのおかげだな、と思ったんでボーナスにして山分けに。

 勤務体系は個人の事情に合わせて週4日勤務にするとか、どうすればもっと給料を上げられるかみんなで考えたり。社員旅行とか福利厚生とかも、結果、みんなで作ってきた感じ。経営者としては甘いのかもしれないけど、居心地が良ければ長くウチで働いてくれるし、私も今、楽しいからこれでいいんです」

子育ては大変だが「みんながんばっている」

 小森さんは2011年、同い年の元モデルで、アパレルブランドを経営していた今井諒さん(現・自動車販売会社経営)と結婚。現在、息子たちは10歳、8歳、2歳と、まだまだ手のかかる年齢だ。朝は6時起床、9時から夕方4時までネイルサロンで働き、夜は12時前に寝る、という多忙な毎日を送っている。

「若い頃と違って、睡眠時間が短くても平気になりました。これ、びっくり(笑)。長男がサッカー教室に週6、次男はプールに通っているので、その送り迎えもあるんで、毎日バタバタ。自分のご飯はキッチンで立って食べたり、子どもが残したものを食べたりだけど、夜は家族が揃う大事な時間。

『今日はどうだった?』とか、いろんな話ができるこの時間が、一番幸せを感じますね。男の子は元気がありすぎて、ほとんど“怪獣”! 学校から呼び出されて悩むときもあるけど、めちゃくちゃかわいい。『わが子は目に入れても痛くない』と言うから、ほんとかな、と思って、入れてみようとしたら、やっぱり痛かったけど(笑)」

 三男の寝かしつけを夫の今井さんが担当してくれていることで、その時間に洗濯をしたり、⽚付けができているそう。夫婦共働きでもワンオペの母親は少なくないようだが、小森さん夫婦はよく協力して子育てしている。

「私の両親や姉が近くに住んでいるんですけど、頼ってはいません。両親も姉も働いているし、私のほうも期待して頼る前提でいたら、頼れなかったときメンタルに来てしまうんで。そもそも、子どもは自分たちがほしくて作ったわけだから、育てるのも自分たちの責任だよね、とパパといつも話しています。子育て家庭はみんな大変で、みんながんばっている。私たちだけじゃないですから」

 子育てについても、夫婦でよく話し合っているという。

「『ダメ!』と頭から押さえつけたら反発したくなっちゃうから、まずはなんでもやらせてみよう、という方針。誰かにケガをさせるとか、他人に迷惑をかけるようなことは『良くないよ』と話をする。そうでなければなんでもやってみて、自分でどうするか決めて、やりたい“幹”を見つけて生きていきなさい、と。私も反抗期は『とにかく放っておいて』と思っていたから」

 かつては、男運がないことを嘆いていた小森さん。今井さんとはよく話し合い、ケンカもない。結果的に、運には恵まれていたようだ。

「今振り返れば、結婚前に付き合っていた相手ともどっこいどっこい、お互いさまだったな、と(笑)。パパには今のところ、嫌な思いをさせられたことはない。子どもが3人もいたら、さすがにちょっとやそっとのことで別れるなんて考えられませんね」

 しかし、子育てと仕事の両立は体力的にも厳しいもの。生活に余裕があるなら、あえて事業をするのはなぜなのか。

「社会に触れていたいからです。専業主婦は想像以上に⼤変で。私には無理でした!」

 ん? どういうこと?

「事業を始めるまでは、専業主婦でした。専業主婦は自分の家事に完璧を求めるようになっちゃうんですよ。でも、完璧にやったところで、誰にも認めてもらえない。お金ももらえない。けっこうしんどい。

 今は食洗機とかお掃除ロボットとかフル活用してるし、『働いてるんだし、うどんが2日続いても、まあいいでしょ』って自分を許せる」

 なるほど。

「それに、結婚して子どもが生まれると、『子どもが寝たからテレビ消さなきゃ』とかって子どもに合わせた生活になり、テレビを見たり、ニュースをチェックしたりする時間がなくなって、どんどん社会から置いていかれる気分になるんです。家事も子育ても、仕事も、って大変ではあるけど、子どもがいるから全力でがんばれるって感じですね」

 たくましく家庭と仕事を両立させている様子がうかがえる。事業もいいが、「もう一度テレビに積極的に出ていきたい」という思いはないのだろうか。

「オファーがあれば出ると思います。でも、テレビは出たいと思ったら出られるような、簡単な世界じゃないですから。今は事業がやり甲斐があって楽しいです」

 NHKの朝ドラ『おむすび』はギャルが栄養士へと成長する物語だが、ギャルからママ実業家へ転身する小森さんの成功譚も興味深い。

(了。第1回から読む)

取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫

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