これもまた新しい家族の形なのだろうか──。夫と妻、そして妻の恋人という3人での同居生活について発信するYouTubeチャンネルが話題になっている。動画を見る限り、夫と妻の恋人も男同士で親しく付き合っているようだが、そんなことが本当にありえるのか? 賛否両論の的となっている料理研究家・Soy王子(男性・33)、妻のインフルエンサー・うなぎちゃん(女性・28)、りょうくん(男性・22)に、めまぐるしく関係が変化していく風変わりなライフスタイルの“今”を聞いた。【前後編の前編】
妻の彼氏に「家に来ていいよ」
──まずは、それぞれのプロフィールを教えてください。
Soy王子「職業は料理人で、自作のグラノーラの販売などをしています。うなぎちゃんの夫です」
うなぎちゃん「温泉ソムリエとして、温泉水を使ったスキンケアブランドを展開しています」
りょうくん「うなぎちゃんの彼氏です。ホストを始めて、今日もこの後すぐ出勤です。ホストクラブの寮に入るので、この家はもう出ていくことになりました」
──仕事の関係で同居を解消せざるをえなくなっただけで、関係自体は良好なんですね。なぜそのような同居生活に至ったのか、りょうくんとうなぎちゃんの馴れ初めから教えてください。
りょうくん「僕もうなぎちゃんもワーホリ(ワーキング・ホリデー)に行っていて、今年2月、滞在先のオーストラリアで開かれたイベントでたまたま出会いました」
うなぎちゃん「そのときに『いいな』と感じて、りょうくんのことを狙い始めました。で、3~4回目に会ったときにやりました。めっちゃよかったね、あはは(笑)。それから付き合うことになりました」
りょうくん「初めは単に『可愛いな』ってだけでしたけど、うなぎちゃんは自分で会社を経営していて、すごく芯がある。女性としての魅力だけではなく、人間的な魅力も感じて、近くにいたいと思いました」
──うなぎちゃんが人妻だと知ったのはいつ?
りょうくん「初めて会ったときに教えてくれたみたいなんですが、僕は酔っていたので記憶が消えているんですよね。だから付き合うってなったときに『旦那いるよ』とあらためて言われて、『うわ詐欺だ』って思ったんですけど……。でも話を聞いていると、なんか大丈夫そうだなって」
──うなぎちゃんは、もともと「夫以外の相手と関係を持ってOK」というスタイルだったそうですね。で、ワーホリの後、この家にりょうくんを連れて帰ってきたと。
Soy王子「りょうくんのことは、帰国の1週間前くらいに聞かされました」
りょうくん「うなぎちゃんに『一緒に家に行こうよ! なんで来ないの?』ってわりと詰められたんですよ。僕は『いや、まじで?』みたいな感じで」
──りょうくんは、やっぱり罪悪感がありましたか?
りょうくん「そりゃもちろん。『本当に大丈夫か?』って。でも実際にSoy王子と話してみると、彼も本気で自信持って『家に来ていいよ』って言ってくれているのがわかって、罪悪感はなくなりました」
──帰国後に家にりょうくんを連れてきて、そのまま同居生活が始まったんですか?
Soy王子「りょうくんは初め1週間くらい住んだ後、大学の関係で一度出ていったんですけど、うなぎちゃんが『こっち来てよ』と連絡して、10月頃から一緒に住んでいます」
りょうくん「大学を中退したタイミングで、一緒に住むことになりました」
──男性同士はどういう関係なんですか?
Soy王子「今は人生の先輩後輩って感じの関係ですね。揉めたことは一度もないなぁ」
りょうくん「Soy王子くらいの男だったら、ひとりの女性を背負えるんですよね。自分のことも背負いきれていない僕としては、もともと彼に敵うとは思っていません。Soy王子もグラノーラ販売という事業をやっていて、起業に憧れる僕にとってはすごくかっこいい人です」
──Soy王子はりょうくんが家に来るのは嫌じゃなかったですか?
Soy王子「掃除や洗濯をやってくれますし、別に嫌じゃないですよ。僕たちふたりで過ごす時間もちょいちょいあるんです。りょうくんの将来について話すこともあって、それで僕が『ホストが向いているんじゃない?』と勧めました」
3人暮らしの「夜事情」は
──3人で暮らしているわけですが、うなぎちゃんとの“営み”はどこで行っているのでしょう?
Soy王子「僕らは家ですね」
りょうくん「こっちはホテルです」
うなぎちゃん「集中できないし、基本的にもうひとりがいない環境でしています。でもりょうくんが来てからはSoy王子とは1回しかしてないよね。悲しい!」
Soy王子「だって俺が帰ると、いつもりょうくんが家にいるから……」
──11月中旬、りょうくんとうなぎちゃんは別れたそうですが……。なんで別れちゃったんですか?
りょうくん「うーん。僕が人間的にザコで、相手を思いやるとか、うなぎちゃんが求めることを全然できていなかったんですよね……」
うなぎちゃん「付き合っている感覚とか、思いやられている感覚がなかったんですよね」
──別れてからも同居生活はしばらく続き、今日もこうして普通に会っているわけですから、不思議な関係ですね。Soy王子は以前、「子どもを育てるときに親に手助けしてもらうのと、妻に彼氏がいるのは一緒の原理」という旨をX(旧Twitter)に投稿していましたが、詳しく説明してもらってもいいですか?
Soy王子「要は、“自分ができないところは他人を頼って解決する”という話なんですよ。それは夫婦の営みについても同じことで、相手の欲を自分だけでカバーできないなら、ほかの人に任せてもいいんじゃないでしょうか。
この考え方を他人に共感されたことはありませんが、周りになんと言われようと、僕らが幸せならそこに疑いはありません」
(後編に続く)