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〈チャンネル登録者数232万人〉ピアノYouTuber・よみいが明かす素顔「サングラスをかけ続ける理由」「音楽で食べていく厳しさから逃げた過去」

NEWSポストセブン 2024年12月31日 16時15分

 12月17日に放送された『THE神業チャレンジ』(TBS系)の人気企画「『太鼓の達人』年間最強王者決定戦」で優勝したピアニストでYouTuberのよみぃ。チャンネル登録者数232万人の人気YouTuberだ。ストリートピアノでその腕前を披露する動画がバズった彼は、ピアノのほかリズムゲーム・太鼓の達人も得意としている。これまであまりインタビューに答えてこなかったよみぃが今回、素顔について語った。

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 よみぃはなぜ、ストリートでピアノを弾き、それをアップするようになったのか。

「6歳から始めたピアノは、最初は自分の意思ではなく、母親に勧められたものでした。ピアノ教室までは遠く、電車で乗り換えて1時間ほどかけて通っていましたが、レッスンも厳しかったので当時はやる気がなかったですね。ピアニストで食べていくには大きな賞を獲る、有名な先生に習っているとか、ピアノ以外の要素も必要になってくる。小学校の高学年くらいになると、さらに厳しい教室に通うことになり、その中で弾きたい音楽とはかけ離れたところにいかないといけなかった。そんな時、ネットに上がっていた『弾いてみた』動画を見て、こんな世界があるんだ、と衝撃を受けたんです。そこで、2011年、自分が13歳の時にニコニコ動画とYouTubeにピアノ動画を投稿し始めました」(よみぃ、以下同)

 当時、地元のピアノ大会で優勝を逃してしまったという彼のなかでは、ネットという場所に“逃げこんだ”という思いがあったそうだ。

「ネット上なら、みんな俺の傷を癒してくれるんじゃないかと思っていました。だけど、当時のニコニコ動画には上から目線のヤツがたくさんいたんです。『このテンポ感がもっと自由なら良かったね』『もっと強弱をつけろ。音が際立ってない』とか、動画に対して専門的な知識で指摘され、逆に傷口に塩をぬられました。今思うと、ピアノを頑張る良いきっかけになりましたから、ピアノを教えてくれたいい人たちだったのかもしれません」

ピアノを探して全国を駆け回った

 そんな厳しいコメントにも負けず、よみぃ動画配信の世界にのめり込むようになり、本格的にYouTuberとなる。

「13歳でスタートし、最初は伸び悩みましたが、再生数が取れはじめた高校生の頃、事務所から『提携しませんか?』とスカウトが来たんです。当時は収益化のために事務所に入ることが必要だったので契約しました。本格的にピアノYouTubeにしぼったのは2019年くらいです。この頃、ストリートピアノのYouTubeが流行っていたので、『このビッグウェーブに乗るしかない』と思い、動画の毎日投稿を始めました。まだストリートピアノが設置されている場所が少なかったので、北海道、東北、関西など、全国どこにでも行きました」

 同じストリートピアノの動画といっても、差別化を図るため企画はそれぞれ趣向を凝らしている。こうした企画はすべて自分で考えているのか。

「同じような活動をしている友達に聞いたり、自分で考えたりしていますね。動画がバズった後、2020年にアニメのキャラクターのコスプレをしてその曲を弾く企画をスタートしたんですが、これが好評で。実はコスプレは19歳くらいから趣味でやっていたので、その延長線上でした。動画のネタではなく、家で1人で楽しむためにネットで購入したこともあります。まだコスプレは模索中ですが、『鬼滅の刃』の炭治郎とか評判が良かったです。女装をしていたら、コスプレイヤー好きのおじさんに写真をせがまれた時は、ちょっと嬉しかった(笑)」

 どんな時もサングラスを外さないスタイルが定着しているよみぃ。人気YouTuberとなった今も、顔出しをしない理由をたずねた。

「昔の『ピアノ弾いてみた』動画では手元しか写さない文化があったんです。その時に顔出しをしたくなくてサングラスしていたんですが、今もこれがトレードマークになってしまった感じですね」

大変なことは「作業時間」の多さ

 人気が高まるにつれて周囲の反応も変わっていったという。

「知名度がゼロだった時、ヲタ同士集まってオフ会をしていたんです。その時知り合った方とはまだ仲良しで、『今でもアイドルマスターに触ってくれて嬉しい』などと以前と変わらず接してくれています。家族や友人も、僕の動画を見てくれてるみたいです。この前、番組で優勝したときは『おめでとう』ってLINEがきていました。コスプレの動画を見られるのはちょっと恥ずかしいですけどね」

 家族や友人の話になると、サングラス越しでもわかるほど優しい笑顔を見せてくれたよみぃ。トントン拍子に人気YouTuberとなったようにも見えるが、この職業に就いたことで辛いこと、困っていることもあるという。

「とにかく作業時間が多いことです。企画、撮影、録音、編集など、作りたいものを作ろうと思うとどんどんやりたいことが増えていくので大変です。手が足りなくなったら都度外注はしていますが、7~8割は自分でやっています」

テレビにも「もっと出たい」

 休みなくYouTubeと向き合っているよみぃさん。休日はどのように過ごしているのか。

「先ほども言いましたが『アイドルマスター』というアニメが好きなので、曲を聴いたり、ストレスが限界になったら好きな本を大量に買い漁ったりしています。1日で15冊購入したこともありましたね。ちょっとエッチな本とかは実家にたくさん置いてきたので、もしかしたら親に見つかっているかもしれません(笑)」

 最後に、今後チャレンジしたいことを聞くと、よみぃさんはサングラスの中の目を光らせながらこう答えた。

「今、自作のストリートピアノを作って商業施設に貸し出したりしているんです。ピアノを置きたいところが増えているので、今後もそうした場所を増やしていけたらいいなと思っています。テレビにも、出られるものがあればどんどん出ていきたいです。アニメ系の作曲や、自分の動画をさらに有名にしていきたい思いもありますね。YouTubeでは、これからも1再生、1秒を大切にしていきたいです」

◆取材・文/佐藤ちひろ(ライター)

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