「年の差27歳夫婦」の日常を発信し、登録者数80万人を超えるYouTubeチャンネル「みつともチャンネル」。親子ほど離れた年齢差はもちろん、妻の幸巴(ゆき・ともえ、23)さんと夫の光雄さん(50)はもともとアイドルとファンの関係だったというから驚きだ。結婚5年目を迎え、第1子妊娠中の“みつとも”夫婦に話を聞いた。【前後編の前編】
──まずは馴れ初めについて教えてください。
巴「高校生のときに大阪でアイドル活動をしていて、みっちゃんはそのファンでした」
光雄「自分はずっと大分在住なんですが、よく東京や大阪でアイドルのライブを見ていました。応援しているグループに巴が候補生として加入して、『可愛い子が入ってきたな』と。もともと違う子を推していたんですが、好みの顔だしパフォーマンスも良いし、まもなく巴に“推し変”しました。
それからは大阪に毎週通って、ライブのたびに物販でツーショットチェキを撮ったりして、少しずつ仲良くなっていきました」
──巴さんのほうが先に恋愛感情を抱いたと聞きました。
巴「みっちゃんが眼鏡をかけてライブに来たことがあって、私はメガネ男子が好きなので、『かっこいいじゃん』とときめいた(笑)。あと、みっちゃんは週末の公演はほぼ必ず来てくれていたんですが、あるとき新幹線が遅れたとかで来られなかったんです。それを寂しく感じた自分に『みっちゃんのこと好きなのかな?』と思いました」
──どちらから告白を?
巴「出会って7か月くらいだったかな。動画のライブ配信って、アイドル側は今どのアカウントが視聴してくれているのかわかるんですけど、たまたまみっちゃんとふたりきりになったことがあったんです。一緒に話しているうちに気持ちがあふれて、思わず『好き』と告白しちゃいました」
──光雄さんは、巴さんのTO(編注:トップオタクの略称で、その界隈を代表するような熱心なファンのこと)だったんですか?
光雄「そうですね。なにしろ毎週大阪に通って、けっこう注ぎ込んでいましたから(笑)」
──いわゆる“ガチ恋”だったんですか?
光雄「もちろん好きは好きで、『この子のために、いろいろやって応援してあげたい』という感情はありましたが、ガチ恋ではなかったと思います。年齢差もありますし、アイドルとオタクのある程度の一線は守っていたはずです」
──となると、巴さんの告白をどう受け止めたのでしょうか?
光雄「『ファンとして好き』という意味なのかなぁと。たしかにほかのファンより好意的に接してくれている気はしていたので、『そういうふうに思ってくれてありがとう』とお礼を伝えたら、泣きながら『男性として好き』と言われて、『えぇっ!?』となりました」
──夢がある話ですね……! そこからふたりの関係はどう変化したんでしょうか?
巴「お互い両思いにはなりましたが、あくまでアイドルとファンの関係なので、デートはもちろん、連絡先を交換することもしませんでした」
光雄「なので、変わらず毎週ライブに行く感じでしたね。以前より握手の力が強くなったくらいで(笑)。あとは周りからネタだと思われるような軽い感じで、『愛してるよ』と伝えたりとか」
──光雄さんは、親しいファン仲間などに「実は推しとこういう関係なんだ」のように打ち明けたことはありますか?
光雄「誰が何を言うかわかりませんし、絶対に言いませんでした」
──巴さんも運営には黙っていましたか?
巴「はい。でも、みっちゃんとの関係を運営に疑われて、スマホをチェックされました。当然、メッセージのやりとりも何も出てこなかったんですが、そのときに『(個人的に)繋がっていないけど、みっちゃんのことは好きです』と宣言しました」
──ドラマみたいですね! 巴さんは高校2年生の10月にグループを卒業したそうですが、それは光雄さんと正式に交際するため?
巴「いえ。もともとアイドル活動は高校生の間だけのつもりだったので、みっちゃんのことは関係なく卒業時期は決まっていました。なので、アイドルとしての筋は通したつもりです」
アイドルを卒業して始まった正式な交際
──ではグループを卒業後、晴れて正式な交際に至ったわけですね。初めてのデートはどこに行きましたか?
巴「京都水族館に行きました(照)」
──交際から結婚までの期間は?
巴「半年くらいです。私は結婚を考えられる相手じゃないと付き合いたくないんですよ。なので、みっちゃんに初めから『人生を背負う覚悟はあるのか?』という態度で接していました」
──結婚を前提に交際をスタートさせたんですね。光雄さんはバツイチだと聞きましたが、いざ再婚となると、「推しとして好きでも結婚相手としてはどうだろう?」と慎重になりませんでしたか?
光雄「結婚相手としてどうかは、結婚してみないとわかりませんからね。推しには幸せになってほしいし、推しを自分が直接幸せにできるなら、オタクとして最高じゃないですか」
──巴さんは巴さんで、「ファンとしては良い人だけど、結婚相手にはどうだろう?」と迷ったりはしませんでしたか? 毎週末ライブに行くような金銭感覚には引っかかる人も多そうですが……。
巴「もともと専業主婦への憧れは全然なくて、結婚しても自分で自分の面倒を見られる経済力は必要だという考えでした。なので相手の金銭感覚は気にしませんでした。むしろ結婚して私が大分にいけば、交通費などの支出はなくなるわけですし」
27歳差…年齢差に2人は何を思うのか
──お互い年齢差は全く引っかからなかったんですか?
巴「私はネットストーカー気質なので(笑)、好きになった後にSNSとかを調べて、初めてみっちゃんの年齢を知ったんですよ。なんとなく『30代前半くらいかな?』と予想していたので、びっくりはしましたが、好きな気持ちは変わりませんでした」
──光雄さんも年齢差は気にせず?
光雄「なにしろ推しなので」
──27歳差婚ということで、巴さんのご家族は驚きませんでしたか?
巴「うちの親はみっちゃんと同い年なんですよ。みっちゃんが結婚の挨拶に来るにあたって、彼の年齢も元オタクだということも事前に伝えました。親はやっぱり驚いていましたね。40代オタクと聞いて、いろいろ想像していたようですが、実際会ってみたら良い意味で想像と違ったみたいです」
──ほかにも周囲の反応は?
巴「本当はちょっと心配していたのかもしれませんが、友達は『巴ちゃんが選んだ人なら』と応援してくれました」
光雄「僕の友達は、『若い子でいいなぁ』という感じでしたね。親父には『騙されていないか?』と心配されましたが、実際会ってみたら、巴のことをすごく気に入っていました」
──光雄さんは巴さんとの交際を機にアイドルファンを卒業したそうですが、それはけじめとして? それとも自然とほかのアイドルへの興味を失ったんでしょうか?
光雄「そもそもアイドルを推すのは巴が最後だと思っていたんですよ。大分からあちこち遠征するのがそろそろキツくなっていたので、これで最後と全力で推していました」
──その“最後の推し”とゴールインしたのだから、すごい話ですね。
巴「本望?」
光雄「本望」
(後編に続く)