来る3月、スーパースター・大谷翔平(30才)が日本に凱旋、東京ドームに帰ってくる。しかし、ファンの高まる期待とは裏腹に、関係者たちの間では不安の声が上がっているという。その背後には、依然として尾を引くあの「騒動」の影があるようで──。
「ぼくの中ではまだ終わっていないというか、まだ続いていることなので」
インタビュアーをまっすぐに見つめ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は淡々とした表情でこう語った。
この言葉は、2024年12月29日に放送された『NHKスペシャル』の中で、元通訳・水原一平被告(40才)が起こした一連の事件について語ったものだ。水原被告は大谷の預金口座から「26億円を盗んだ」とする銀行詐欺などの罪に問われているが、これまで大谷はこの事件に関する言及を避けてきた。しかし、前述のインタビューで事件発覚から約9か月を経たいまもなお、静かに怒りを燃やし続けていることがわかった。
一方、水原事件とは別に、昨年5月に大谷を激怒させた「新居報道騒動」についても、大谷は依然として怒りの矛を収めていないようなのである。
大谷は2025年、渡米して8度目のシーズンを迎える。その開幕の舞台は東京となる予定だ。
「3月18日、19日にシカゴ・カブスとドジャースとの開幕戦が東京ドームで行われます。大リーグの公式戦が日本で行われるのは、イチロー選手の引退試合が行われた2019年以来、6年ぶりのこと。さらに、開幕戦の前にはドジャース、カブス両チームと巨人、阪神との壮行試合が予定されていることもあって、注目度がかなり高まっています」(スポーツ紙記者)
大谷の凱旋帰国でもあり、チケットは“プレミア化”の一途をたどっている。
「各所から問い合わせが殺到しているようで、代理店の関係者が『いまだかつてないほど、関係者チケットが用意できない……』とこぼすほど。“生大谷”を見たい人々の間で激しい争奪戦が起きています」(前出・スポーツ紙記者)
昨年12月初旬に行われた、クレジットカード会社の会員限定の先行販売では、ウェブ上に購入を求める人々の“大行列”ができたことで話題になった。
「販売開始直後からサイトにアクセスが殺到。30分後には、東京ドームのキャパシティーをはるかに超える30万人以上がアクセス待ちという事態になりました」(野球ライター)
その圧倒的人気から、転売ヤーにとっても、格好の標的となっているようだ。
「とあるチケット売買サイトでは、先行販売された7000円の『指定席C』が60万円と、実に85倍の価格で高額転売されているのが確認されています。一般チケットの販売はこれからですが、転売ヤーたちは虎視眈々と狙っていることでしょう」(前出・野球ライター)
怒りの形相で手を振った
注目度と期待感が高まる一方で関係者が危惧しているのが、日本テレビとフジテレビに大谷が激怒した「新居報道騒動」の影響だ。
「開幕戦・壮行試合の全日程は、日テレが完全生中継することが発表されています。昨年3月、NHKがドジャースの開幕戦を国際生中継した際は、平均世帯視聴率20%超えの高視聴率を獲得しました。今年は東京開催なので、見やすい時間帯に始まるでしょうし、巨人、阪神との対戦も見られるとあって、高視聴率が取れるのは間違いない。
その一方で、『大谷選手は日テレをまだ許しておらず、公式戦ではない壮行試合は“出場拒否”するのではないか』という話が出ているのです」(テレビ局関係者)
「新居報道騒動」が起きたのは、昨年5月のこと。日テレとフジの両局が、大谷がロスに購入した新居の前で生中継を行い、さらに近隣住民へのインタビューを敢行。新居の所在地を特定されかねず、真美子夫人や愛犬のデコピンを危険にさらすことにもなりうる“過剰取材”が、大谷の逆鱗に触れた。大谷の怒りを受けた球団が一時日テレとフジの取材パスを剥奪したと報じられ、両局の社長が会見で謝罪する事態にまで追い込まれたのだ。
この騒動以前から、大谷のプライバシー重視の姿勢はメジャーの中でも知られたことだった。
「真美子夫人との結婚を発表した当初、大谷選手は『日本人女性』という情報以外を公表しませんでした。メジャーでは“家族とともに”という意識が根付いていて、妻子の情報などをオープンにする選手が少なくない。大谷選手の“秘密主義”な対応を在米メディアは《悪名高いほどプライバシー重視の人物だ》と揶揄したのです」(現地特派員)
球場での家族の撮影を制限するなど、人一倍プライバシーに敏感な大谷にとって、勝手に新居をさらされたことへの不信感は相当なものだったようだ。騒動から約半年を経た昨年10月にも、その余波が垣間見える場面があった。
「ドジャースがワールドシリーズで優勝した際、チームメートと喜びをかみしめていた大谷選手に、現場で中継していたフジテレビの取材陣がインタビューを試みました。しかし大谷選手は、取材相手がフジテレビだとわかった瞬間、怒りの形相で手を振り、取材を断固拒否。普段は温厚な彼があまりに激しい表情を見せたことで、新居報道への怒りが収まっていないことが露見しました」(前出・テレビ局関係者)
いま、日テレ関係者は戦々恐々としているという。
「壮行試合は正式な試合ではなく、あくまでも練習試合という立ち位置です。大谷選手は、わざわざ自分が出場して日テレに“おいしい思い”をさせるまでもないと考えているのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)
大谷は昨年10月、世界一をかけたワールドシリーズの第2戦で、決死の盗塁を試みた結果、左肩を脱臼。その後も痛み止めを打ちながら出場を続けていた。昨年11月に手術した左肩はリハビリ段階で、例年に比べて調整はスローペース。ギリギリまでリハビリに専念するため、壮行試合を回避する可能性はあるだろう。
「大谷選手は2025年から二刀流に復帰するため、2023年に手術した右肘のリハビリにも取り組んでいました。そこに左肩が加わったことで、予定されていたスケジュールに遅れが出ている。例年に比べ、シーズンに向けた調整に苦慮しているようです」(在米ジャーナリスト)
2024年の開幕戦では、まさかの水原騒動に見舞われた大谷。あれから約1年。東京ドームで、大谷が躍動する姿は見られるのか。
※女性セブン2025年1月16・23日号