2025年のエンタメ界の主役となるのは誰か──。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、今年注目の7人を紹介します。
【俳優部門】
横浜流星(28才)
ピンク色の髪で深田恭子サン(42才)主演のドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系、2019年1月期)に出演し、多くの女性たちに見つかって以降、「細マッチョ芸能人」「20代イケメン俳優」など、さまざまなランキングの上位に君臨し続けてきた横浜サン。極真空手の世界チャンピオンだったという経歴も女子をキュンキュンさせたものですが、現在のような骨太な実力派俳優さんになることを予想していたかたは少なかったかもしれません。2024年度の映画賞レースの幕開けを飾った「第49回報知映画賞」の「主演男優賞」を『正体』で受賞。『流浪の月』(2022年)では「助演男優賞」、『ヴィレッジ』『春に散る』(ともに2023年)では「主演男優賞」を受賞していて、3年連続で同俳優賞に輝くのは史上初の快挙とのことです。「自分の中でもひとつの集大成になった」という『正体』は、盟友の藤井道人監督(38才)とのタッグで「作品賞」も受賞。お二人が出演した『ボクらの時代』(フジテレビ系)で、「いま、本当に芝居が楽しいから、それ(仕事)がストレス発散になっている」と聞き、本物の役者になられたのだなぁと心から感動しました。
2025年は大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)に主演。さらにファンの年齢層を広げる予感です。
【女優部門】
今田美桜(27才)
「まぶたの可動域が広い」ことを特技とし、イベントなどで大きな目が飛び出してしまいそうなほど目を見開く“芸”をたびたび披露するも、共演俳優さんたちから「女の子がやるもんじゃない」と止められる(苦笑)チャーミングで好感度抜群な今田サンも2025年で28才に。アラサー女優の仲間入りを果たします。
テレビCMではキリンビール「晴れ風」をはじめ12社に出演。2025年度前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』のヒロインに3365人が応募したオーディションの中から選ばれたとき、脚本を担当される中園ミホさん(65才)が「実にすばらしい女優さんたちの競合となり、私たちにとっても真剣勝負でした。立ち会ったスタッフの何人かは涙を流していました。強く、あたたかく、瑞々しい演技に私も心をつかまれました」(抜粋)とコメントされていたことが忘れられません。
中園さんとはドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』の(テレビ朝日系)第6シリーズ、第7シリーズ以来ですよね。今田サンのさらなるジャンプアップには過去の共演者やスタッフの皆さんも大喜びしているのでは? 愛される女優さんのお一人です。
【歌手部門】
中森明菜(59才)
2024年の夏頃からジワジワと予感はありましたが、まさか年末にかけて、ここまで明菜サンの活動が本格化するとは、長年この日を待ち望んでいたファンの皆さんにとってはうれしすぎる誤算と言ってもいいでしょう。
私はかねがね明菜サンを引っ張り出してくれる人は、マツコ・デラックスさん(52才)かクリス松村サンかミッツ・マングローブさん(49才)だと祈っていたのですが、それよりも先に香取慎吾クン(47才)と『TATTOO』をデュエットすることが実現。そしてミッツさんはラジオ『中森明菜のオールタイムリクエスト』(ニッポン放送)で共演……と、明菜サンやファンの皆さんにとって理想的なカタチでエンジンがかかってきたように思います。
なんと還暦を迎える2025年には、3rdアルバム『Circus Funk』を引っ提げて全国ツアーをする香取クンが、明菜サンとの生デュエットをどこかの会場で披露するのではないかと大いに期待しています。
【親子部門】
斉藤由貴(58才)・水嶋凜(25才)
二世ブーム花盛りの芸能界にあって、親子であるのは周知の事実ではあるのに、それを積極的に明かすケースは少なくなっているものです。2021年にデビューした水嶋凜サンについて「正直言って、私の名前をずっと出さない方がよかったんじゃないかなって思っています」と2024年12月17日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)でコメントしたのは、2025年に歌手デビュー40周年を迎える母・斉藤由貴サンでした。理由は「私が積んできたキャリアってこともあるし、いろいろなことがあったので」。いちばんは後者の方でしょうねぇ(苦笑)。
でも私はレギュラー出演している『1周回って知らない話』(日本テレビ系、2018年5月)で、いち早く斉藤サンにそっくりな娘さん=凜サンの存在を知ることができ、その後、彼女がお母様と同じ東宝芸能に所属し、Wキャストで主演したミュージカル『シンデレラストーリー』も見に行かせてもらっています。売れっ子二世の条件は、その才能もさることながら親御さんと「ソックリ」であることが最大の条件であるように思います。その意味で斉藤由貴サンと水嶋凜サンは100点満点。
所属事務所が同じということは、親子共演がしやすいということでもあります。楽しみです!
【気になる人部門】
小野花梨(26才)
絶賛再放送中のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、ヒロイン・上白石萌音サン(26才)演じる安子の幼なじみ・きぬ役と言えばピンとくる読者の皆さんは多いハズです。2023年1月期の草彅剛サン(50才)主演のドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)や、同7月期に風間俊介クン(41才)とW主演した『初恋、ざらり』(テレビ東京系)で難役を好演したことは大いに話題になりました。
2025年1月期には『私の知らない私』(読売テレビ・日本テレビ系)で連ドラ単独初主演を務めるほか、大河ドラマ『べらぼう~』にも出演します。2006年に『嫌われ松子の一生』(TBS系)に子役としてデビューした経歴は、あの伊藤沙莉サン(30才)にも通じますよね。テレビCMで浜田雅功(61才)艦長と共に“プロミス号”に助手として乗っている小野サンにも「プロミスいいね」を送りたいと思います。
前原滉(32才)
ずばり!ヤマダの推しです。竹野内豊サン(54才)と4年も出演しているタクシーアプリ「GO」の部下役といえばピンとくるでしょうか。2024年12月に全国公開された映画『ありきたりな言葉じゃなくて』で、テレビの構成作家役を好演されたことにもグッときてしまいました。
2024年10月期は『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)、『若草物語 ─恋する姉妹と恋せぬ私─』(日本テレビ系)、『下山メシ』(テレビ東京系)と3本の連ドラの最終回にゲストで出演。2025年1月期は月9ドラマ『119エマージェンシーコール』(フジテレビ系)に出演します。ぜひチェックしてみてください。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2025年1月16・23日号