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《独占告白》「こたつに入ったクマが食べたのは…」年末に自宅を荒らされた家主が明かした緊迫の一部始終「チョコレートやみかんには手を付けず」「小さな糞がたくさんあった」

NEWSポストセブン 2025年1月9日 16時43分

 2024年末、自宅に帰った男性(66)は、自らの目を疑った。茶の間のこたつに頭からつっこんだ生き物の黒い大きなお尻があったからだ。クマが勝手に入り込んでいた。「多分寝ていたんでしょう…」──この“クマ住居侵入事件”は全国ニュースで扱われた。果たして、壮絶だったという現場はどのようなものだったのか。当事者らに取材した。【前後編の前編】

 地元記者が解説する。

「昨年12月23日の夜、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが現れました。住民男性はすぐに、隣の家に避難しました。玄関は施錠されていましたが、裏口の一部が壊されており、ここから侵入したようです。

 翌日、猟友会などがクマを追い払うための花火を使いましたが、クマは隣家の物置に逃げ込んだ。そこで、遠方から呼ばれた獣医師が麻酔を塗った吹き矢で、クマを眠らせることに成功し、無事に捕獲されました。体長は1.1メートルで体重40キロほどのツキノワグマでした」

 けが人などは出ず大事には至らなかったものの、自宅にクマがいたという恐怖体験をした男性に話を聞くと、当時の生々しい状況が分かった。

「まあ、驚きましたよ。夕方6時過ぎごろに帰ってきました。玄関を片付けて、正面扉を開けてすぐそこが茶の間なんですけど、開けたらこたつの中にクマが入ってました。頭を突っ込んでいたんでしょうね。寝てたと思います。いつから家にいたのでしょうかね。昼間は留守にしていたので……。

 実は前の日に家の裏をクマがうろついているのを見てたんですよ。それで、23日に帰ってきたらそのクマが家のこたつで寝ていたんです」

 家の中は大きく変わっていたという。

「電気をつけてクマを見る前から異変には気付きました。臭かったんです。小便とか糞の匂いですね。それで電気付けたら真っ黒いケツが見えてね。あー、昨日のクマだなって。動いてなかったから怖くはありませんでした。

 そのまま隣の家に行って、警察や役所にも伝えてね。もう夜でどうしようもないから、朝に対処しようとなりましてね。裏からそっとクマの様子を確認したんですが、この動画は隣人が撮影したその時のものですね」

 室内のこたつにクマが頭から入っているという異様な写真だ。

「次の日の朝、みなさんが花火で山に追い返そうとしたんですけど、戻って来ちゃって、最終的には隣の家の小屋に入ったようですね。その後、麻酔で眠ったということで、帰宅しましたが、グタっとしていましたね。そのときにクマを見送りました。猟友会の人が言うには、まだ親元から離れたばかりの小さいツキノワグマということでしたよ」

 自宅はどのように荒らされていたのだろうか。

「クマの糞はありました。小さいのがポツポツと。その日のうちに片付けましたよ。ほとんど食い物は置いてなかったので、あまりあのクマは食べてないです。

 みかんは食べられておらず、お菓子もポッキーとかチョコレートとかがあったんですけど、散らばってはいたんですが、手はつけてなかったようです。こたつの上にあった鯖缶の残りだけは食べたみたい」

 クマ自体には慣れていたという男性だが、近年はクマの動きに異変を感じているという。

「クマを見るのはまったく初めてじゃないですよ。結構このあたりではよく出るので、道路でも見ますし、何年か前はうちの前の柿の木に登っていたみたいです。クマは冬はほとんど冬眠しているはずでしたので、冬に見たのは初めてです。自宅に来たときももう雪が結構降っていました」

 喜多方市はこのクマを殺すのでは無く、人里離れた山中に放獣という判断をした。

「いくら遠くっていっても、クマが戻ってくるんじゃないかと思っちゃって、怖いよね」

 男性はそう静かに話した。

(後編に続く)

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