中居正広(52才)が報じられた深刻な女性トラブル。騒動は収まるどころか、さらに広がっているが、昨年末に第一報が出たときに驚きをもって受け止められたのは、中居が支払ったとされる「解決金9000万円」という金額の大きさだった。臨床心理士の岡村美奈さんが、この「9000万円」という数字の大きさがもたらす効果について考察する。
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9000万円という数字は衝撃的だった。タレントの中居正広さんが女性に支払ったという解決金の額に驚かされた。
新年が始まり、テレビ画面やYouTubeからタレントの中居正広さんの姿が消えた。スキマバイト募集サービス「タイミー」のCM動画は、同社の公式YouTubeから削除され、「ソフトバンク」のテレビCMもいつの間にか見なくなった。ソフトバンクの公式サイトでもCM動画が削除された。両社とも削除理由については言及していない。
レギューラー番組5本は収録中止、放送見合わせ、番組変更が相次ぎ、新聞紙面でも報じられている。彼の公式サイト「のんびりなかい」の”ニュースの部屋”や”メディアの部屋”を覗いてみても、2025年1月のテレビ出演予定は何も出ていない。あるのは1月4日、夜11時から放映の『中居正広ON&ON AIR』(ニッポン放送)の案内のみだ。きっかけとなったのは『女性セブン』がスクープした中居さんの女性トラブル。新聞紙面には性的トラブルという文字が載った。
1月10日放送予定の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ 心中SP』(TBS系)は映画に差し替わり、中居さんが司会を務めるフジテレビの『だれかtoなかい』は、岡田准一さんがMCとして初登場する予定だった12日の放送が他の番組と差し替え。『だれかtoなかい』は、お笑い芸人の松本人志さんと2人のMCで『まつもtoなかい』としてスタートした番組だが、松本さんが女性問題で芸能活動を休止したため番組名が変更された。MCが続けざまに女性トラブルを抱えてしまった番組は結局、放送休止が発表された。
「のんびりなかい」の有料会員サイト「中居ヅラ あの子たちに…、」のスタッフブログには、『この度は、大変ご迷惑をおかけしております。申し訳ございません。今向き合わねばならないことを真摯に、懸命に取り組んでおります』という謝罪文が掲載されたという。事の発端は2023年6月に起きた中居さんの女性トラブル。密室に2人きりになった中居さんと女性の間でトラブルが起きたという。中居さんサイドは事務所の代理人弁護士を通じて、この女性とトラブルがあったことを認め、すでに双方の話し合いにより問題は解決済と主張した。
だが、騒動がここまで広がったのは、彼が解決金を支払っていたという事実と、支払ったという解決金の額があまりに高額だったからだろう。
その額9000万円。中居さんがいくら芸能界有数の有名タレントだとしても、あまりに高額な金額に「数字の効果」が起きてくる。
言うまでもなく、数字は大きいほど印象に残りやすく、インパクトを与える。数字には物事を具体的にさせ、信ぴょう性を与える効果もある。過去、女性トラブルで報じられた示談金をみても9000万円は相場の十数倍にもなる。法外にも聞こえる9000万円という解決金の大きさは、国民的スターだからこそリアリティを持つが、それだけトラブルの深刻さを想像させた。
さらに9という数字は破壊のイメージを持つという説もある。物理学者のニコラ・テスラは「369の法則」で、数字のパターンを用いて宇宙や自然界の法則を表現しようとした。この法則によると369は特別な意味を持つ数字であり、3は創造や誕生、6は維持、9は破壊や最終を意味するという。他の数字に比べて9は苦しみや終わりをイメージさせることもあり、中居さんへの疑惑や不信感を強くさせたのだろう。
示談となったはずのトラブル情報が、どこから出てきたのかわからない。もし解決金の額が公表されていなければ、過去のこと、解決済みのトラブルという印象で終わったかもしれない。
ここ数年、世間は女性問題を起こした芸能人や著名人に厳しい。9日、のんびりなかいに謝罪文を掲載し「トラブルはあったことは事実」「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」と説明し、「今回のトラブルはすべて私の至らなさによるもの」と謝罪した中居さん。解決済みとはいえ、ここまで高い金を払って示談にしたトラブルとは何だったのか、会見は予定されていないという。