近年ブームとなっており、身近になった“うま辛グルメ”。今や辛いものを看板商品にした専門店だけではなく、ファミリーレストランなどの大手企業も、辛いもの好きな顧客をターゲットに、さまざまな“うま辛グルメ”の開発に精を出している。
そんななか、牛丼チェーン・松屋が1月7日、『水煮牛肉 ~四川風牛肉唐辛子煮込み~』の提供を始めた。この新メニューがいま、X(旧Twitter)を中心に大きな話題になっている。あるグルメライターが言う。
「実際にこの商品を食べた人からは『辛すぎて完食できなかった……』『あるまじき量の唐辛子が入っているのでは』などの意見が聞かれます。味も辛さの度合いもまさに“本場レベル”ですね。
SNS上では他にも『正しい食べ方がわからない…』『スープって飲んでいいの?』というような声も多く、“正しい食べ方”に関してちょっとした物議になっています」
『水煮牛肉』は、100年ほど前に中国・四川省で考案されたとされる名物料理だ。牛肉や玉ねぎなどの具材を、唐辛子、辣油などを使用して、激辛スープで煮込んだ料理で、強い香りとしびれるような辛さが特徴となっている。
本社が回答“オススメの食べ方”
辛いもの好きな記者が松屋を訪れると、メニュー欄の『水煮牛肉』には“激辛注意”との文言が……。真っ赤なスープに沈んだ牛肉を口に運ぶと、ただひたすらに辛い。いわゆる“ガチ中華”で出てきそうなレベルの辛さである。
コップ一杯の水では足りないので、味噌汁を飲んで辛さを和らげる。いつも付け合わせで注文するお新香を、こんなに爽やかに感じたことはない。花椒の痺れがきいた汁は、スープというよりかは“辛い油”と表現したほうがよさそうで、一見すると飲んでいいものか悩ましかった。
商品の開発経緯や、話題になっている“正しい食べ方”について、松屋フーズホールディングスに問い合わせると、同社の総務・広報グループの寺島慶子さんがこのように回答した。
「本場の味を出来る限り再現することもひとつですが、牛肉やタマネギを使用することで松屋らしさのある本格四川料理に仕上げております。日本全国の四川料理が好きな方にぜひ食べていただきたいだけでなく、今まで水煮牛肉を食べたことがない方にも松屋を通じてこの水煮牛肉の辛さと旨味の極上体験をしていただけたらと思っております。
正確なきまりはないと思いますが、本場の方はスープから具材をすくって食べると言われれております。当社でもその食べ方を推奨しており、ポスターなどでも『スープは香り、具材を味わう、それが本当の楽しみ方』という内容を記載させていただいております。
辛さが苦手な方には強くお勧めはできない商品ですが、辛さを少し抑えるという部分においては、生玉子や半熟玉子、また冷奴、チーズなどを追加するのもいいかもしれません」
読者の皆さんにも、ぜひ挑戦してみていただきたい。