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「ゴムつけなかっただけで…」田村瑠奈被告が襲った被害男性の「最後の言葉」視界、自由を奪われて…【ススキノ事件公判】

NEWSポストセブン 2025年1月15日 13時0分

 2023年7月、札幌・繁華街ススキノ のホテルで男性会社員Aさん(62=当時)が殺害され、頭部を持ち去られた事件。1月14日、父親で医師・田村修被告(61)の裁判員裁判初公判が開かれた。殺人や死体損壊などの罪に問われている娘・田村瑠奈被告(30)が手帳に「自分で始末する」などと記していたことが検察の冒頭陳述で明かされた。

 修被告は殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪で起訴されている。裁判を傍聴したジャーナリスト・高橋ユキ氏が語る。

「瑠奈被告の殺害や死体損壊の手助けにあたるかが問われている修被告。瑠奈被告の公判の見通しが立っていないこともあり、修被告の供述次第では、事件の全容解明に近づくのではないかと高い関心が集まっています」

 この日行なわれた検察の冒頭陳述では瑠奈被告、Aさんの出会いから犯行当日までの経緯が説明された。

 瑠奈被告とAさんの出会いは2023年5月27日夜。瑠奈被告は札幌市内にあるクラブの閉店イベントに修被告と参加し、Aさんと知り合った。意気投合した瑠奈被告とAさんは翌28日早朝、そのままホテルに。Aさんは瑠奈との約束に反し、避妊をしなかったという。当時、修被告と合流した瑠奈被告はAさんに憤慨していたようだ。修被告は婦人科を受診させている。

 瑠奈被告はこの日の出来事やアフターピルの処方について自身の手帳に記載している。さらに翌29日には「自分で始末する」と記してあったことが明かされた。

 この日以降、修被告は瑠奈被告に頼まれ、犯行に必要な道具を随時購入し、渡していたと検察は指摘。ノコギリや折りたたみナイフ、黒色のキャリーケース、変装用のウィッグ、アイマスクなど多岐にわたっている。

惨劇が起きた「7月1日夜」の全貌

 7月1日。この日の夜に瑠奈被告がAさんと会う予定だった。14時ごろ、修被告はAさんに電話をかけ、瑠奈被告と会わないよう交渉するが、決裂。修被告は約束の時間まで瑠奈被告をゲームセンターに連れて行ったが、20時15分ごろ、瑠奈被告はスマホで「殺人 時効」と検索。さらにその約1時間後、妻・田村浩子被告(62)から修被告に「そういえば車のGPS履歴は残りますか」というLINEが送信されている。

 一度自宅に戻った修被告は自身のスマホを自宅に置き、キャリーケースを持った瑠奈被告を車に乗せ、Aさんとの待ち合わせ場所に向かう。22時33分、修被告は瑠奈被告を待ち合わせ場所に送り届けた。

 約10分後にホテルに入室した瑠奈被告とAさん。客室や浴室をスマホで撮影しながら、浴室に移動。SMプレイを装うため、被害者を修被告に購入してもらった手錠や結束バンドで拘束。アイマスクもつけたという。

 結束バンドなどで拘束され、アイマスクで視界を奪われたAさんに浴びせられたのは瑠奈被告の怒声だった。

「人生で一番反省したこと、私の約束破ったことでしょ」

 そう怒りを伝えた瑠奈被告。

「あんなに怒られたことない。ゴムつけなかっただけで……」

 被害者がそう弁明した直後、瑠奈被告はAさんの頚部を切りつけ、殺害したという。

 殺害後、瑠奈被告はAさんの遺体全てをキャリーケースに入れて持ち帰ろうとしたが、入らなかったため、頭部を切除し、胴体は浴室に放置。カビハイターで浴室を清掃した瑠奈被告は午前2時ごろにホテルを退出。迎えに来た修被告は、瑠奈被告とAさんの頭部を自宅に持ち帰ったのだった。

 この日は弁護側の冒頭陳述も行なわれ、修被告は「地獄の家庭環境」を明かした──。

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