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《アフターピル服用後…お守り代わりにナイフが欲しい》田村瑠奈被告、「手帳にハートマーク」「SMプレイの自主練」で待ち望んでいた“事件当日”【ススキノ事件公判】

NEWSポストセブン 2025年1月15日 16時50分

 2023年7月、札幌・繁華街ススキノのホテルで男性会社員(62=当時)の頭部のない遺体が発見された事件。逮捕された親子3人のうち、父親である田村修被告(61)の裁判員裁判初公判が開かれた。修被告は、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている。

 これまで妻である田村浩子被告(62)の裁判なども通して、事件の経緯が徐々に明らかになってきている。殺人や死体損壊などの罪に問われている娘の田村瑠奈被告(30)が被害者Aさんとトラブルになったことが発端だったという。裁判を傍聴したジャーナリスト・高橋ユキ氏が解説する。

「事件発生の約2か月前、2023年5月に瑠奈被告が『クラブに行ってみたい』と言い出して、修被告の付き添いのもと、ススキノの有名なダンスクラブに行ったそうです。早朝になり、瑠奈被告は、『カラオケに行きたい』と男性を連れてきたといいます。その相手こそ、被害男性のAさんでした」(高橋氏、以下同)

 修被告は、引きこもり状態の娘が社会とつながったことを嬉しく感じ、快く送り出したという。その後、浩子被告に「(瑠奈被告は)意気投合した人とカラオケに行く」と連絡したところ、妻からも「すごい」と返信があった。

 しかし、戻ってきた瑠奈被告は、「カラオケに行くと思ったらホテルだった」とAさんとトラブルになったことを報告した。

「瑠奈被告は、避妊するとの約束を反故されたことに怒るとともに、妊娠や性感染症への不安をのぞかせていたため、修被告は娘を連れて病院に行き、アフターピルを処方してもらったといいます。

 アアフターピルを服用した後のことについて、弁護側によれば、瑠奈被告は、『心が弱っているので、お守り代わりにナイフがほしい』と言ったそうです。もともと彼女はナイフ収集が趣味だったため、修被告は特に不審に思うことなく娘のためにナイフを購入したとの主張です」

 数日後、瑠奈被告は「(Aさんに)直接謝ってほしい」と言い出して、そこから親子での人探しが始まった。Aさんが「ともちん」と呼ばれていること、週末にクラブなどに現れることはわかったが、修被告は内心「見つかるわけがない」と考えていた。

「今度は私が攻める番だ」と伝えて…

 しかし、あるクラブでAさんを発見。瑠奈被告は、再会したAさんと握手してダンスを楽しみ、「謝ってくれたので許すことにした」と言ったという。7月1日夜にまた彼と会う約束をした瑠奈被告は、「前回は私が責められたから、今度は私が責める番だ」「SMプレイをしたい」など語っていたと弁護側は主張している。

「瑠奈被告は、『7月1日(ハートマーク)』というメモを残しています。これについては、修被告を相手にSMプレイの練習をするなど、“その日”を楽しみにしていたのだと弁護側は主張しており、修被告も浩子被告も“殺したい”といったことはいっさい聞いていないと主張しています。

 とはいえ一度トラブルになった相手と娘がまた会うことに両親は不安を覚え、Aさんに“瑠奈被告と会わないでほしい”と求めることにしました。しかし、Aさんに電話したところ、相手は、『向こうも会いたがっているわけだから』と応じませんでした。そのため、“瑠奈被告の嫌がることはしないように”と頼んだそうです」

 結局、瑠奈被告とAさんは約束通り7月1日夜に会うことになった。そして深夜3時過ぎ、自宅に到着した瑠奈被告は、スーツケースから黒いビニール袋を取り出して、「首。拾った」と口にした──。

 両親は当初、Aさんと瑠奈被告の出会いを“娘が社会復帰するための第一歩”のようにポジティブに捉えていたのだろう。その期待は、最悪の形で裏切られてしまったようだ。

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