愛妻の第一子妊娠という祝福の直後、大谷夫妻を緊急事態が襲った。ロスの山中に上がった火の手が夫妻の新居のある地区まで迫ったのだ。アスリートであり、夫であり、父である大谷翔平(30才)が、未来のために立ち上がる。
地上では勇敢な消防士たちがホースで懸命に水をまき、空からはヘリコプターを駆使した消火活動が行われても、火の勢いは衰えない。米ロサンゼルスを襲った大規模な山火事は、「カリフォルニア州史上最悪」とされ、1月14日現在、少なくとも24人の死者のほかに、多数の安否不明者が出ている。
木々は黒く焼け焦げ、立ち並ぶ家屋は白い灰になった。乗り捨てられた車は車体の骨組みが残るのみだ。そんな悲惨な光景に、ロスが“第二の故郷”になりつつある大谷翔平も心を痛めている──。
ロサンゼルス・ドジャースへの移籍1年目から、ワールド・シリーズ制覇やMVP獲得といった偉業を成し遂げた大谷翔平。地元ロサンゼルスを襲った大規模な山火事は、「カリフォルニア州史上最悪」とされ、多数の死者や安否不明者が出ているが、すでに、大谷は次の戦いへの準備を始めている。1月5日(現地時間)、ドジャース専門メディアが、大谷がキャッチボールする様子をSNSに投稿した。
「大谷選手は白の半袖シャツと黒い短パンというラフな格好で、リラックスした表情でボールを投げていました。撮影されたのは、ロスにある高校のグラウンド。映像には、偶然居合わせた子供たちが、スターの一挙手一投足を喜々として眺める様子も映り込んでいました」(スポーツ紙記者)
2023年9月に2度目の右肘手術を受けた大谷は、昨年は二刀流を封印。打撃に専念し、「50—50」や本塁打王獲得を達成した。先の映像からは、二刀流復活が近いことが感じられた。
「シーズン中に比べて、明らかに体が絞られているんです。特に顔まわりや脚はほっそりしています。打撃で飛距離を出すためには、ある程度体重がないといけません。ただ、投手をやるならむやみに体重を増やすことができない。大谷選手の“体形変化”は、二刀流への準備が順調に進んでいる証拠なのでしょう」(スポーツライター)
健康管理を担うのは、真美子夫人(28才)だ。
「シーズン中は遠征が多く、試合がある日は球場で食事をすることがほとんどだったのに対し、オフになってからは、3食すべて真美子さんの手料理を食べているそうです。日本の食材が並ぶことも多く、“大谷家の食卓”では、梅干しの消費スピードが早いとか。真美子さんも元アスリートなだけに、大谷選手がどんな肉体を目指し、どんな栄養素を欲しているかを理解してレシピを考えている」(在米ジャーナリスト)
昨年3月、『Number Web』のインタビューで、大谷は真美子夫人に作ってもらった料理に「ドライカレー」を挙げた。ルーから作る手の込みようだったという。
「実業団のバスケチーム所属時には、ビーフシチューがお店のようなクオリティーだとチームメートの間で評判でした。チョコレートケーキも得意で、意外にも甘党な大谷選手のために、スイーツまで丹念に手作りしているのでしょう」(真美子夫人の知人)
第一子をロスで育てる
現在、真美子夫人のお腹には新しい命が宿っており、この春にも第一子が誕生するとみられている。そんな幸せな生活に突然影を落としたのが、冒頭の山火事だ。
「広い範囲に避難命令が出ており、15万人以上が避難を余儀なくされています。多くのセレブが住む高級住宅地も避難地域に含まれる。大谷選手が新たに購入したという自宅も避難地域にあるとみられています」(在米ジャーナリスト)
昨年10月、米在住の女性家具アーティストが《私たちが作ったベッドで彼(大谷)が寝るなんて、なんてクールなんでしょう!》(原文は英語)という言葉とともに、SNSにベッドルームの写真を複数投稿。それが大谷の新居の寝室とされ、壁紙などをヒントに、自宅の場所が特定される騒動になった。その住所が、避難命令の出ているエリアと重なるのだ。
「身重の真美子さんを、炎が迫る場所に留めておくわけにはいかないので、愛犬のデコピンも一緒に安全な場所に一時的に緊急避難しているはず。とはいえ、ロスは大谷選手にとってなじみの深い場所です。そこがまるで焼け野原になってしまっている現状にショックを受けているようで、大谷選手は一日も早い復興を願っていることでしょう」(前出の在米ジャーナリスト)
2018年に海を渡った大谷は、ロスを本拠地にするエンゼルスで6年間を過ごした。2023年にドジャースと結んだ契約は10年間という長期。つまり、大谷の人生はこの先も長らくロスが拠点だ。
「真美子さんにとっては不慣れな地ではありますが、ロスには手厚いサポートが受けられるセレブ産院があるので、真美子さんはロスで出産することになるでしょう。さらに将来、“大谷ジュニア”もロスで育てていくことになります」(別の米ジャーナリスト)
だからこそ、大谷はロスの復興に向けて一肌脱ぐ。ドジャースは、山火事の被災者支援としてTシャツを販売し、収益を赤十字社とロスの消防局財団に寄付すると発表。
「自然災害の被災地に、アメリカのセレブが多額の寄付を行うことは一般的です。歌手のテイラー・スウィフトは、昨年大型ハリケーンにより被災した人々の支援のため、500万ドル(約7億5000万円)の寄付を表明しました。また、ハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオも、2017年にハリケーン被災者のために100万ドル(1億1000万円)を寄付したことがあります」(在米ライター)
昨年元日に発生した能登半島地震への支援として、大谷はドジャースと共同で100万ドルを寄付した。そこには、大谷が個人として寄付した金額も含まれる。
「大谷選手はかねてチャリティーに積極的です。これまでにも、日本全国の小学校すべてにグローブを寄付したり、英会話スクールと共同で小・中・高校生に海外留学をプレゼントするプロジェクトを展開しています。ロスの山火事に対する寄付も、一般人には到底まねできない莫大なものになるでしょう」(前出・別の在米ジャーナリスト)
それが、グラウンド内外で絶大なリスペクトを集める、大谷翔平の姿勢なのだ。
※女性セブン2025年1月30日号