渋谷駅近くの繁華街で、長髪の男性が慣れた仕草でモデル風美女の肩を抱き寄せながら歩いている。イタリアンレストランでしばし過ごした2人は、夜の雑踏でキスを交わし、互いの手の指を絡めた“恋人繋ぎ”でホテルへ消えていった。男性の足元には厚底ソールが特徴的な流行のスニーカー「On」が──。
昨年11月の光景で、男性の名は駒田博紀氏(47)。大手ひしめくスニーカー市場で大躍進するシューズブランド「On」の仕掛け人として知られる人物だ。経済誌記者が語る。
「駒田氏は商社時代の2013年にスイス発のスポーツブランド『On』を担当し、2015年に日本法人のオン・ジャパンを設立。2020年3月に同社代表に就任し、2024年2月に退職するまで同社を急成長させた立役者です。
昨年は著書『なぜ、Onを履くと心にポッと火が灯るのか?』を上梓し、9月にはビールとスポーツがテーマの飲食事業イエローモンキーブリューイングを設立。元オン・ジャパン代表として注目される存在です」
ニューヨーク証券取引所に上場する親会社オン・ホールディングの時価総額は約2.6兆円に達し、駒田氏が率いた日本法人も売り上げを伸ばしてきた。
だが、好事魔多し。駒田氏は2016年に結婚している妻帯者で、渋谷でのデート相手は妻とは別の女性なのだ。オン・ジャパン関係者が語る。
「この女性はOnを愛用するインフルエンサーだったこともあり、代表だった駒田氏とは親密な様子が目撃されていました。当時は女性も結婚していて、お子さんもいましたが、駒田氏との関係のためにその後、離婚となり家庭が壊れてしまったと聞いています。今は駒田氏の新事業の店舗で雇われて、一緒に働いているとのこと。あまりに不適切ではないかと心配されています」
新事業の店舗前で駒田氏に直撃した。
──(デートしていた)女性はこちらの社員ですか?
「いや、アルバイトです」
──交際されているのでしょうか?
「いえ」
──11月16日に渋谷でデートをされていた。
「デートというようなものではないですよ」
──路上でキスして、ホテルに入っている。どういう関係でしょうか。
「いや、それはノーコメントということで」
──このことは奥さんはご存じなのでしょうか。
「ノーコメントで」
その後、会社を通じて送付した質問状に対して、駒田氏は事実関係を概ね認めた。「私がOnに在籍していた頃から親密だったという事実はありません」としたうえで、妻やデート相手らと話し合って解決済みであり、「今回の件はひとえに私の不徳の致すところであり、精神的に傷つけてしまった方々やご迷惑をおかけした方々にはお詫び申し上げます。今後は家族や従業員を大切に事業に邁進したいと考えております」と回答した。
オン・ジャパンは「退職した元社員の個人的な交友関係に関して弊社がコメントすることはございません」とした。
注目の起業家にとって、心にポッと火が灯るような話ではなさそうだ。
※週刊ポスト2025年1月31日号