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《性暴力と隣り合わせ》ハマスに監禁され続けている19歳女性…父親「中絶に間に合わない」と望まない妊娠を危惧 停戦合意で解放へ

NEWSポストセブン 2025年1月18日 7時15分

 イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザにおいて1月19日から6週間にわたり停戦することで合意した。戦闘の恒久的な終結を目指す第一段階として、まずはハマスが女性や子供、高齢者を含む33人の人質を解放する見込みだという。

 合意に至る直前で、ハマスは、イスラエル人女性の人質の映像を公開した。その女性、リリー・アルバグさん(19)は、非武装スタッフとして国境の監視をしていたが、2023年10月7日に発生した音楽フェスへの大規模攻撃の際にガザへと連れ去られた。

「リリーさんは450日以上にわたって拘束され続けています。彼女は公開された約3分半の映像の中で、『(監禁生活は)死と隣り合わせだった』と涙し、『私はあなたたちをとても愛している。あなたたちがいなくて、とても寂しい』と家族に語りかけました。また、イスラエル政府に救助を懇願しています。リリーさんはまもなく解放される人質のひとりになると予想されています」(国際ジャーナリスト、以下同)

 かつて公開された人質たちの映像の中にも、拘束されたアルバグさんの姿があった。アルバグさんはほかの女性たちと一緒に地面に座らされ、戦闘員から“下劣な犬”や“性奴隷”などと呼ばれていた。

父親が心配する娘の現在

 リリーさんの父親であるエリ・アルバグさんは以前、「BBC」のインタビューに応じている。その中で、娘が性被害にあっている可能性にも言及していた。

「ハマス側は否定していますが、大規模攻撃をめぐって、国連の専門家チーム昨年3月、『少なくとも3か所で性暴力が行われたと信じるに足る根拠が見つかった』と発表しています。また、すでに解放された女性の人質のなかには、監禁生活で受けた性暴力について告発する人もいます。

 それだけにエリさんも不安にかられているようです。『BBC』の取材では、リリーさんが望まない妊娠をするも中絶が間に合わない状況になっている可能性に言及し、『時間は刻々と過ぎており、それ(妊娠)を止めるには時間的な限界がある』と吐露していました」

 ハマスだけでなく、イスラエル側にも国際的な批判が集まっている。民間人を巻き込んだ報復攻撃を繰り返しているからだ。ガザの保健当局によると、死者数は4万6000人を超えるという。さらに現地メディアは、“停戦の合意が発表された後もイスラエル軍の攻撃によって犠牲者が出ている”と報じた。

“停戦が実現したから終わり”の話ではない。現地の人々の心身に残る深い傷が癒える日は来るのか──。

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