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【竹内前兵庫県議が自死】自宅ピンポンダッシュ、脅迫電話…「学生時代は生徒会長。人のために行動する強い人」を襲った“異常事態”《友人が悲痛告白》

NEWSポストセブン 2025年1月22日 11時15分

 兵庫県政の混乱は収束する気配がない。1月19日、竹内英明・前県議(享年50)が死亡したことが判明。竹内氏は、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを真相究明するために設置された県議会調査特別委員会(百条委)の委員だった。

「18日夜、自室から出てこない竹内氏を心配した家族がぐったりしているところを発見、119番通報しましたが、後に死亡が確認されました。 竹内氏は姫路市議を経て県議選当選5回の立憲民主系の兵庫県議員でした。百条委では、関係者らに疑惑を厳しく追及している様子がメディアで報じられてきました。

 しかし昨年秋の知事選挙期間中から、竹内氏に対する誹謗中傷が苛烈さを増し、開票日の翌日に議員辞職をしました。詳しいことは明らかされていませんが、周囲には『(誹謗中傷による被害から)家族を守るため』と説明していました」(兵庫県担当記者)

 SNSには〈斎藤(県知事)おろしの黒幕〉などと竹内氏への批判的なコメントが次々に投稿される事態になっていた。同記者が続ける。

「竹内氏への誹謗中傷が激しくなったのは、『NHKから国民を守る党』の立花孝志氏が百条委委員長である奥谷謙一県議の自宅前で街頭演説を行った頃からです。立花氏は『ひきこもってないで出てこいよ』『これ以上脅して奥谷が自死しても困るので、これくらいにしておく』などと発言したあと、竹内氏の自宅へも行くと宣言。

 実際に立花氏が竹内氏の自宅へ行くことはありませんでしたが、この頃からSNSなどを中心に、竹内氏に対する批判的な投稿が急増した印象です」

 立花氏は、竹内氏が亡くなったというニュースが流れると、「兵庫県警の任意の聴取を受け、逮捕される予定だった」などと発言。兵庫県警が「まったくの事実無根」と異例の否定をしたことで、立花氏は当該の発言を撤回し謝罪した。

「竹内氏の訃報が流れた後、同様の発言をしたのは立花氏だけではありません。元宮崎県知事の東国原英夫氏も『警察から事情聴取もされていたと聞く』などとSNSに投稿していましたが、兵庫県警の発表の後に投稿文を削除し謝罪しました」(同記者)

 自身に関する真偽不明の情報が瞬く間に拡散される状況で、竹内氏は何を思っていたのだろうか。長年の知人が明かす。

「竹内さんは学生時代に生徒会長をやるなど活発な人。とにかく人のために行動するのが好きな人で、政治家にとても向いていました。精神的にも強い人だったのですが……。今回のことは彼にとっても辛く、耐えがたかったんだと思います」

 この知人は竹内氏の生前、被害状況についても聞いていた。

「政治家は、自宅住所や携帯番号などプライベートな情報もオープンにせざるをえない部分もあります。そのため竹内さんの自宅には、脅迫のような電話がかかってきたり、ピンポンダッシュのような悪質ないたずらが相次いだりと、実生活にも大きな影響が出ていました。本人はもちろん困っていましたが、お子さんが外出すら怖がるようになってしまったことがショックだったようです。

 そこで昨秋、あれだけ熱心に取り組んでいた政治の仕事を諦め、議員辞職してまで家族と自分を守ることにしたんです」

 しかし辞職後も、誹謗中傷がやむことはなかった。

「知人のなかにも“アンチ”のような発言をする人が増えたことも、大きな心労になっていたようです。SNSの匿名アカウントだけではなく、目に見える知人による事実とは異なる情報に基づいた中傷に、とても傷ついていました。友人から『あれって本当なの?』と聞かれるだけでも、かなりの負担になっていた。

 いまだ混乱のただ中にある兵庫県政のニュースは選挙後も止まず、ネットを見ないようにしても、どうしても竹内さんには情報が入ってきてしまう。次第に自分を責めるようになり、みるみる様子が変わっていきました。彼は強い人だと思っていたし、実際にそうだと思う。そんな人をここまで追い込んでしまったのが、今回の事件です」

 知人はそう話すと、肩を落としてこう話す。

「事実でないことを発信するアカウントは、なぜ運営によって停止されないのでしょうか。ある人はそれだけ辛いなら、裁判すればよいと言っていましたが、仕事も辞め、精神的に追い込まれている状況で、どのようにしてそんな負担の大きいことができるんでしょうか」

 SNS上では、竹内氏の死後もその尊厳を傷つけるような投稿が増え続けている。対策が急がれる。

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