1月16日、男性の恋愛感情を利用し現金3000万円あまりをだまし取ったとして、無職の井田しずく容疑者(28)が警視庁に再逮捕された。これまでも詐欺や窃盗で複数回逮捕されており、「被害総額は1億300万円以上にのぼるとみられている」(大手紙社会部記者)。
同種の犯罪だと、およそ1億5500万円を詐取した罪に問われていた“いただき女子りりちゃん”こと渡邊真衣被告(26)が記憶に新しい。渡邊被告は自身が手を下すのみならず、『みんなを稼がせるマニュアル』などと題した詐欺マニュアルを1000人以上に販売。犯罪行為を助長した点も悪質であるとされ、1月16日、懲役8年6か月、罰金800万円の実刑判決が下された。
この事件によって“いただき女子”は社会問題として表面化した。井田容疑者も「第2のりりちゃん」と呼ばれ、その手口や犯行動機に注目が集まってる。
前出の大手紙社会部記者が解説する。
「警視庁は昨年10月、神奈川県の男性から10回にわたり、約818万円を詐取したとして容疑者を逮捕。その後、翌月11月には2度、今年に入ってからも同様の疑いで再逮捕されるなど余罪の発覚が相次いでいます。
井田容疑者は複数のマッチングアプリを使って男性と知り合い、〈託児所代が払えない〉〈給料を盗まれた〉などとうそのメッセージを送ることで、直接会うことなく現金を振り込ませていました。捜査関係者によれば、これまでに全国でおよそ90人の男性が被害に遭っているとみられています。
井田容疑者は調べに『(お金は)ホストやインターネットカジノに使った』と供述しており、使用された金の一部が反社会的勢力に流れた可能性も視野に捜査が進んでいる」
知人の証言「売れないホストを億プレイヤーに…」
彼女が手にした1億円以上もの大金は、いったいどこへ消えたのか──。
「あの子はあるホストに相当入れ込んでいました。しかも、超売れてないホスト」と明かすのは、新宿・歌舞伎町の飲食店で働く知人女性だ。
「うちにも飲みに来てくれていたし、ほかの店に一緒に飲みにいくこともありました。3年前くらいから知っている子です。
いつもキャバ嬢みたいなヘアセットをしていたから、キャバクラで働いているのかなと思っていました。でもそれにしては金銭感覚がバグってるなとは思っていて……。でもパパ活も流行ってるし、キャバクラの“太いお客さん”からもらってるのかなって思っていたんですけど、まさか“いただき女子”だったとはね。
私が聞いた話だと、2023年頃にすごい入れ込んでいたホストの子に、かなりの額を使ったんじゃないかな。超売れないホストだったのに、たった1年で1億円超えプレーヤーになっていたから」
この知人女性は、井田容疑者がそのホストの席で飲む様子をたびたび目撃しているという。
「羽振りがいいときはシャンパンを入れたり、150万円のシャンパンタワーを入れたりしていたと聞きました。そんなだから売り掛けトラブルもあったみたい。歌舞伎町でもお金をいろんな人に借りては返しての繰り返しだったと思いますよ」
井田容疑者は交友関係は広いが、その実、人間関係は希薄だったようだ。知人女性が続ける。
「嫌われてはないけど、歌舞伎町の飲食店で働くみんなは友達とは思っていなかったんじゃないかな。あくまで店のスタッフとお客さんっていう関係のほうが多かったと思います。親御さんとは絶縁しているらしくて、全然連絡も取ってなかったみたい。子どもは2人いるけど上の子は親が、2人目は元旦那がみてるって聞きました」
知人女性は、取材のなかでこうもつぶやいていた。
「お金を使うことで、満たされようとしていたんだと思う。友達もいないだろうし。だからホストにハマっちゃったんだろうね」
取材でみえてきた、“いただき女子”に巣くう心の闇。全容の解明が待たれる。
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