2023年7月、札幌・ススキノのホテルで男性会社員(62=当時)が殺害された事件。逮捕された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父・田村修被告(61)の裁判員裁判が札幌地裁で進められている。
殺人や死体損壊などの罪に問われている娘の田村瑠奈被告(30)は、中学から不登校になり、18歳ごろから自宅に引きこもるようになったという。修被告と妻の浩子被告(62)は、常に娘の顔色を伺うような状態だったようだ。
1月21日の第3回公判では、検察による証拠調べが行われた。修被告は瑠奈被告との会話を日常的に録音しており、そのデータの内容も公開された。わかったのは、瑠奈被告によるモラハラ的な言動の数々だ。
2021年1月22日23時ごろのデータは、自動車で移動中に録音されたものだ。瑠奈被告は時折英語を交えながら早口でまくし立てるため、聞き取れない部分も多い。
瑠奈「いつもいっつもついてきやがって! 消えろよ! とっとと消えろ! てめえがいる限り〜(私が女王だという旨を英語で言う)」
瑠奈被告は、「ふざけるな役立たず!」や「金が足りない」と両親を罵り、“自分が一生暮らすために必要な金を残せ”という怒りをぶつけているようだ。
修「必死に稼ぎます」
瑠奈「ふざけんな役立たず!」
瑠奈「とっとと売れや! そのクソアマを(浩子のこと)」
修「それはできません」
瑠奈「あんたに決定権はない! こっちだ! とっとと売れ!!」
(中略)
瑠奈「いや売れよ! こっちを見下しているくせに!」
修「私たちは見下していません」
瑠奈「いや見下している! あんた見下しているくせに、あんたがそうしているくせに! Right(そうだろ)?」
修「そんなことはしていません。下になど見てはいません」
瑠奈「No! You don’t!」
「お前はいつもアイデアがない」「Do now!」
2023年5月4日17時ごろのデータは、修被告の「申し訳ございませんでした」という謝罪から始まる。
修「一応、合間合間で『これがよろしいですか』と確認していましたが、確認が不十分でした。申し訳ございません。(瑠奈が英語で怒る声)とにかく十分ちゃんとコミュニケーションもとっていないで勝手なことばかりして、全く役に立っていないと思います」
どうやら修被告は、暇を持て余す娘のためにレジャーの計画を提案しているようだ。
修「スポッチャ行くのでしょうか」
瑠奈「I Say No!」
次に修被告がホラー系のアトラクションを提案したところで、瑠奈被告の怒りが爆発。「たったそれだけ? はぁ?」「お前はいつもアイデアがない」などと英語で罵倒し、修被告は、「申し訳ございません」と再び謝罪した。最後に瑠奈被告は、「Do now(今すぐやれ)!」と命じている。
2023年6月1日夜、修被告は、「この時間だとゲーセンやゲオ、それかドライブにお連れすることができるかもしれません」と提案した。
瑠奈「なんでもっとサプライズないの? だからいつもつまんないって言ってんの!アドレナリンが出ない!」
修「今日のタイムスケジュールですと、ドンキ」
瑠奈「ドンキは今日じゃない! 明日か明後日!」
修「じゃあ明日、了解です」
音声データのなかで、“私が女王だ”とまくし立てていた瑠奈だが、たしかに父娘というより、“暴君としもべ”のようなやり取りばかりだ。この歪な親子関係の先に、凄惨な事件が起きたのだろうか──。