1月22日、福島県・郡山駅前の交差点で受験生の女性が軽乗用車にはねられて死亡した事故。運転していた池田怜平容疑者(34)の呼気からは基準を超えるアルコールが検出され、警察は酒気帯び運転と過失運転致死の疑いで送検している。未来ある若者の命を奪ってしまった池田容疑者の人となりが、少しずつ明らかになってきた。
「被害者となった横見咲空さん(19)は、大阪府箕面市の自宅から、受験のために郡山を訪れていた。午前6時半ごろ、駅前の交差点の青信号を横見さんが横断しようとしたところ、池田容疑者が運転する自動車が赤信号を無視して横断歩道に侵入し、横見さんをはねた。
横見さんは頭を強く打ち意識不明の状態で病院に運ばれましたが、約8時間後に死亡が確認されました。場所は時速40キロ制限の道路でしたが、車は制限を超過する速度を緩めることなく交差点に突入したとみられている。池田容疑者は『急いでいたから信号を無視した』などと容疑を認めています」(全国紙社会部記者)
池田容疑者は、事故現場から徒歩圏内にある郡山市内の実家で育ち、地元の小・中・高校を卒業。現在も両親・祖父母とともに暮らしていた。小・中学校の同級生、Aさんが語る。
「小学校ではどちらかというと、クソ真面目でした。皆が掃除サボると、『みんなちゃんとやろうよ! ルールは守ろうよ!』というタイプ。でも、リーダー的な存在ではなくて、なんというかイジられるような感じ。ただ、本人はイジられている事に気づいてなくて、率先して前に出るタイプでした。
中学に上がると、生徒会役員をやったり、かなり目立つ存在でした。体育館を借りて、マントをまとった衣装で、ステージでマジック披露もしていましたから、学校では有名人でしたよ」
中学の卒業文集には、文化祭でマジックを披露したことが書かれている。アゴに手を当てた決めポーズの写真とともに、《弟子も2人できて、騒がしくなったけど、中学文化祭のマジックが続くようにできたので大変良かったと思う》《副業としても軽くマジックをやろうと思う。これも全部、文化祭でみんながウケてくれたこと、マジックに驚いてくれたからである。みんなありがとう》などと、充実した学校生活が記されている。
しかし、Aさんが池田容疑者と会わなくなった高校以降、彼の心に何か変化があったのかもしれない。池田家が住む家の大家が語る。
「本人が学生の頃までは、母親の実家に毎年家族みんなで帰るほど仲が良かった。だけど、怜平くんは地元の4年制大学を出て、定職につかずフラフラしてたころから、あまり家族で出掛けている様子は見えなかった。“とにかく仕事が続かない”と、祖母が心配していた」
前出の同級生・Aさんは、そんな池田容疑者と、昨年の8月に偶然再会を果たしたという。
「いつも飲んでいる地元のメンバーで、池田呼んでみようぜ! ってノリで誘ってみたら、歩いて店まで来てくれたんです。8年ぶりに会ったんですが、顔つきが変わっていて、なんだか自信に満ちていましたね。
『数年前まで駅前で大道芸したり、BARでマジック披露したりしていたんだよ。でも、最近転職中なんだよ…』って近況を教えてくれたんです。その時に、またマジック披露してくれて、かなりの腕前で盛り上がりましたよ。なんか性格も柔らかくなっていた印象ですね。その日は、ちゃんと歩いて帰っていました。
あれだけ『ルールは守ろうよ』って言っていた奴が、飲酒運転するなんて信じられない」
池田容疑者は調べに対し、「取り返しのつかないことをしてしまった」と話しているという。どれだけ後悔しても、事故で失われた女性の命は戻ってこない。