元タレント・中居正広(52)の深刻な女性トラブルに端を発する一連の騒動に関して、フジテレビは1月27日、オープンな形での“やり直し会見”を開いた。会見には海外メディアやフリー記者らを含む430人が出席し、10時間半に及ぶ異例の会見となった。
会見の冒頭では嘉納修治代表取締役会長(74)と港浩一社長(72)の引責辞任が発表された。また、遠藤龍之介副会長(69)は日枝久取締役相談役(87)の責任について、第三者委員会による調査結果の発表をめどに「それぞれの役員がそれぞれの責任を取るべきだと思っており、常勤役員全員に波及する」と述べている。
「会見で多く質問が飛び交ったのが日枝さんの進退についてです。そもそも会見に出席すらしていない。これでは“トカゲの尻尾切り”にしか見えないという批判もありました」(芸能関係記者)
注目を集める日枝久相談役とはフジテレビ社員にとって、どんな存在なのか。フジ社員が語る。
「日枝さんはフジテレビの“お父さん”なんですよ。年次が上の社員はもちろんですが、中堅・若手でも日枝さんになんらかの恩義を感じている人が多い。
大きな仕事の節目には日枝さんにもご挨拶にうかがうことがあるのですが、あたたかい言葉をかけてくれたりするんですよね。結婚式に出てもらうなど、プライベートでお世話になっている人が多いんです」(フジテレビ社員)
また、フジテレビの業務の上でも恩恵を受けている社員は多いという。
「たとえば『(高松宮殿下記念)世界文化賞』への支援も日枝さんが始めたんです。視聴率にはつながりませんが、ああいった文化事業って大切じゃないですか。そうした活動をフジテレビが大切にできるのは、日枝さんのおかげだなという気持ちもあります。また、政治家や皇室関係者、起業家などとの重い交渉は日枝さんが担ってくれています。
港前社長が典型ですが、彼は会見でも“大人の言葉”を話せなかった。ああいった場での適切な対応ができないまま社長になっている。それは日枝さんに守られてきたから、といった理由もあるんじゃないかと思ってしまいます。
今後は日枝さんの進退に話が移っていくのかもしれませんが……“お父さん”がいなくなってしまうのは不安です。ただ、いなくなることで新たに生まれる何かがあるかもしれません」(同前)
港前社長は一連の騒動を「人権侵害の可能性がある事案」とし、「昔のやり方を引きずってきてしまっている」「いまの時代にアップデートが必要」とも述べた。日枝氏に関しては、前述のようにフジ社内では“恩義”を感じる社員もいるものの、37年間にわたり同社に君臨しつづけていること自体に厳しい目線が寄せられている。フジテレビの“親離れ”はいかに──。