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《水原一平の裁判資料で発覚》大谷翔平が激怒した「ギャンブルコラ画像」の販売「名声と善意を傷つけられた」検察は被告を「強欲」と糾弾

NEWSポストセブン 2025年1月29日 7時15分

 犯行に手を染めた要因は、「ギャンブル依存症」ではなく「欲深さ」——。ドジャース・大谷翔平(30)の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われた水原一平被告(40)に対し、禁錮4年9か月の求刑をした米連邦検察は、裁判所に提出した文書でそう指摘した。一方の水原被告は裁判所に提出した申立書で、「当時は恐ろしいほどの(ギャンブル)中毒に陥り、ギャンブルをやっている時だけが人生に希望を見出せた」などと情状酌量を求めており、双方の主張は対立している。

 検察側が提出した文書によると、大谷の通訳としてエンゼルスに入団した当初の水原被告の年俸は8万5000ドル(約1300万円)。2023年には25万ドル(約3900万円)にアップし、ドジャースに入団した2024年には50万ドル(約7700万円)へと倍増した。さらに大谷選手からの追加の給与に加え、高級車「ポルシェ・カイエン」も贈呈されていたと指摘している。

 検察側の大まかな主張は次のとおり。水原被告が大谷のお金に手をつけたのは「ギャンブル依存症」という“病気”が原因なのではなく、大金を手に入れたいという「本人の強欲さ」ゆえだ、という解釈である。

《相当な高収入を得ていたにもかかわらず、(違法賭博の胴元である)ボウヤー氏への借金(返済)に対応ができなかった。仮に被告がギャンブル依存症に陥っていたとしても、被告の犯行はそれだけでは全く説明がつかない。なぜなら、被告はギャンブルとは全く関係のない個人的な支出のために、(大谷選手から)盗んだ資金を使っていたためだ》(検察側が提出した資料より)

「個人的な支出」として検察が挙げたのは2点。ひとつは、大谷選手のデビットカードを使い、32万5000ドル分(約5000万円)の野球カードを購入したこと。もうひとつは、歯の治療費を支払うためとして、大谷選手から送られた6万ドル(約930万円)の小切手を現金化して自身の口座に入金し、大谷選手のカードから新たに治療費を捻出していたことだ。

大谷が我慢できなかった「コラ画像」

 その上で検察は、水原被告の犯行は大谷選手への経済的損失だけでなく、名声や善意をも傷つけたと訴えた。

《被告の犯罪行為については、大谷選手が全く知らなかったという“圧倒的な証拠”がある。にもかかわらず、(当該)口座が不適切に管理されていたことになぜ気づかなかったのかと大谷選手を疑問視する声が上がり続けている。さらにオンラインショップでは、大谷選手を“ミーム化”し、彼が犯罪に加担したかのように示唆する商品が販売されている》(同前)

「大谷翔平がミーム化された商品」とは、いったい何のことか。在米ジャーナリストが解説する。

「被告のギャンブル疑惑が話題になった当時、『大谷もギャンブルに関わっていたのではないか』という疑惑が米国内では広く流布しました。その際、大谷がギャンブルにハマっているかのような“コラ画像”がネット上で多数出回り、そういった画像をカードにして販売しようとするネットユーザーがいたんです。

 アメリカで野球カードなどを販売する大手オンラインサイトを確認すると、大谷がパチンコ台の前で目を真っ赤にしているかのような画像が印字されたカードが、20ドル前後で現在も販売されている。大谷サイドとしては、こういった“ミーム化された商品”の流通が名誉を著しく傷つけると激怒し、我慢できなかったのでしょう」

 こうした実情を踏まえて検察は、大谷が「明らかな被害者」だとして、こう続けた。

「被告は大谷選手の信頼を裏切り、経済的だけでなく、社会的な評価や精神的な被害をももたらした。大谷選手はこれからも苦しみ続け、被告の犯行に傷つけられ続けるだろう」(前出の資料より)

 水原被告は裁判所に提出した申立書で、通訳としてだけでなく大谷選手の身の回りの世話やそのほかの雑務もこなし、1日24時間体制で対応に追われていたと主張。大谷選手から個人的に支払われていた給与も低く、経済的に厳しかった生活事情がギャンブルへの引き金になったとしている。

 検察側の「強欲」という指摘に対し、水原被告が求める情状酌量はどこまで認められるだろうか。量刑言い渡しは2月6日に予定されている。

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