中国の情報機関である国家安全省は中国の大晦日に当たる1月28日、SNSの「WeChat公式アカウント」で、春節(旧正月=1月29日)の連休期間中(2月4日まで)について、「国家の安全を危険にさらすいくつかの罠が静かに忍び寄る」としたうえで、連休中は「下心を持って国家機密を盗む輩(やから)に注意しなければならない」と発信。外国人スパイの暗躍に警戒し、国家機密を漏洩しないよう注意喚起を促す通告を発していたことが明らかになった。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。
国家安全省の通告は「春節期間中は、新年の挨拶、親戚や友人の訪問、同窓会などが多くなるが、この間、仕事の秘密、内部の機密情報、国家機密などの秘密を無関係の人々に漏らさないようにしなければならない」としている。
また、「日ごろは親しくしていない友人や知人ともメールなどを通じてあいさつを交わすことがある。その際、外国のスパイ機関がインターネットを通じて、機密情報を盗むために、知人らに成りすまして、連絡をすることについて警戒する必要がある」として「意識を高め、サイバーセキュリティの障壁を強化する必要がある」と強調した。
さらに、「海外旅行では、外国のスパイ機関が接触してくることもあり、その予防策を強化する必要がある。外国のスパイ機関がソーシャルメディアのコメント欄を利用して、あなたと接触を図り、国家機密や重要な情報を盗もうとしていることを注意しなければならない」とも述べて、海外旅行中の行動にも注意を促している。
数年前であれば、中国においてこの種の警戒を促す文章は、警察部門である公安省が発表することが多かった。しかし、最近では情報機関である国家安全省からのものが多くなっている。これは中国当局が海外のスパイ組織による中国の機密情報窃取に極めて敏感になっていることを表しているといえそうだ。