新春恒例行事となっている「歌会始の儀」が1月22日に皇居で行なわれた。今年のお題は「夢」。天皇皇后両陛下、皇族方の歌をはじめ、一般応募の入選者10名の作品も披露された。
注目が集まったのは今年初参加を飾った天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。当日の愛子さまの様子について、宮内庁担当記者はこう語る。
「『歌会始』の間、終始愛子さまは緊張されていた印象が強かったです。硬い表情に、視線はキョロキョロ。笑顔が少なかったように感じました。初参加される儀式ということから、愛子さまは皇族として背筋を伸ばして凜としなくてはならないと、所作に戸惑われたのかも知れません。とにかく間違ってはいけないという一生懸命さが伝わってきました」
そんな愛子さまは去年卒業された大学時代に思いを馳せる歌を詠んだ。
『我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢』
「23歳という若さだからこそ詠める歌であり、大学を卒業して社会人になった葛藤の気持ちが素直に表れていると感じました。中学時代に百人一首大会でご活躍されたり、『中世の和歌』を大学の卒業論文のテーマにされたり、愛子さまにとって和歌は身近な存在です。そのためか『若いながら歌がお上手だ』と歌を高く評価する声があがっていました」(宮内庁担当記者)
幼少期に絵や工作を嗜んでいたというものの…
一方、秋篠宮家の次女・佳子さまの歌は幼少期の思い出を詠んだものだ。
『キャンバスに夢中になりて描きゐしかの日のことはなほあざやかに』
前出・宮内庁担当記者はこの歌に少し驚いたという。
「宮内庁は『ご幼少の頃から絵を描いたり、工作や手芸でさまざまなものを作られたりすることがお好きでした。いまではそのようにお過ごしされる時間が限られていらしても以前に描かれた絵をご覧になると描かれたことを鮮やかに思い出すそうです』と歌の背景を説明していました。
佳子さまが絵を描くのがお好きであったり、工作されていたという話は成年皇族を迎えた記者会見でご本人は語っていたものの、皇族たちが学校で作った作品なども一部出展される『宮内庁職員組合文化祭美術展』を遡っても、佳子さまの幼少の時代から絵や工作など印象に残る作品の記憶はありませんでした。新しい佳子さまの一面を今回の歌会始で垣間見られたように思えます」
来年の歌のお題は「明」。どのような歌が発表されるか待ち遠しい。