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《お嬢さんの作品をご覧ください》戦慄のビデオ撮影で交わされたメッセージ、田村浩子被告が恐れた娘・瑠奈被告の“LINEチェック”「送った内容が間違いないかと…」【ススキノ事件公判】

NEWSポストセブン 2025年2月7日 16時15分

 2023年7月、札幌・ススキノのホテルで会社員のAさん(62=当時)が殺害された事件。逮捕された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父・田村修被告(61)の第6回公判が1月30日に札幌地裁で開かれた。

 この日は母・田村浩子被告(62)の証人尋問があり、自宅浴室にてAさんの頭部を損壊した際の親子のやりとりについて弁護側・検察側双方が証言を引き出した。裁判を傍聴した司法記者が語る。

「事件発生後、娘・瑠奈被告(30)はAさんの頭部を持ち帰り、自宅浴室に保管しました。その後、頭部から皮膚を剥ぎ、左眼球、舌、食道を切除。瓶に入れてエタノールにつけたAさんの左眼球を両親に披露したとのことです。死体損壊の現場は修被告によって撮影され、既に証拠として提出されています」(司法関係記者)

 2023年7月7日の夜に行われた“戦慄のビデオ撮影”について、瑠奈被告はまず浩子被告に撮影を依頼したが、「カメラは運動会以降触っておらず得意でないから、修さんに頼んで」と拒否。その後、『カメラマンするでしょ』とのLINEを修被告に送信している。

 なぜ、このようなカジュアルな文面を送信したのか、という弁護人の質問に、浩子被告は次のように答えた。

浩子被告「瑠奈(被告)が『送った?』と見ることがあるので」
浩子被告「送った内容が間違いないかと見ることがあった」

弁護側「損壊するとは想像できなかった」との主張に、検察側の反論は

「瑠奈被告の死体損壊を、両親が物理的・精神的に手助けしたか?」というのが、今回の争点のひとつだ。浩子被告は、浴室に置かれたAさんの頭部を見た際の心境を「これ以上損壊するとは想像もできなかった」と述べ、ほう助の意思はなかったとしている。

「一方、検察側は、浩子被告が瑠奈被告に撮影を依頼されたとき、『浴室の床にAさんの頭部が置かれていた時点で、皮膚は剥がされ、眼球が2つ見えていたことから、摘出は可能だった』とし、『瑠奈被告が死体損壊を行うと考えるのが自然ではないか』と主張。対して、浩子被告は『そんな発想ない』と回答しました。

 よって、死体損壊ほう助を立証したい検察側と、『その時点では想定していなかった』と死体損壊への関与を否定する浩子被告と弁護側、という対立構図になっていました」(同前)

 また、損壊後のAさんの頭部を浩子被告が“作品”と呼称していることについても、検察が質問する場面があった。

検察「7/15 、LINEで修(被告)に『よろしかったらお嬢さんの作品をご覧くださいな』と送っている。作品とは頭皮のこと?」
浩子被告「頭皮を見て、そうは打てなかった」

検察「『どうして』など咎めようとは(思わなかった?)」
浩子被告「もうこんな状態だし、追及する意欲もなかった」

 このとき修被告に送ったLINEの文面をあえて“カジュアル”なものにした理由は、弁護人の尋問に対する回答同様、「瑠奈被告にLINEの内容をチェックされる可能性があったから」と述べた。しかし、検察側が疑問点を指摘する。

検察「普通に(“作品”ではなく)『浴室でお嬢さんの“作ったもの”を』と言えばよかったのでは?」
浩子被告「それでもよかった」

「地獄がここにある」。浩子被告は自宅浴室でAさんの頭部を見た際の心境を、そう述べている。剥がされた頭皮を“作品”と呼ばざるを得なかった状況も、母は“地獄”に感じていたかもしれない──。

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