大阪府・東大阪市にある生駒山の山中に、バラバラになった成人男性の遺体の一部を遺棄したとして、大阪市中央区在住の大木滉斗容疑者(28)が逮捕された事件。2月5日、大阪府警が被害者として発表したのは、大木容疑者と同じマンションに住む国土交通省職員・神岡孝充さん(52)だった。
「神岡さんは昨年12月27日のテレワーク勤務後、行方不明になっていた。府警は司法解剖の結果などから、翌日28日頃に窒息死し、切断、遺棄されたとみています。
胴体や両腕、両脚は山中の空き家やその周辺に点在していたが、頭部は大阪市中央区の廃墟マンション内に遺棄されていた。警察は殺人容疑も視野に、動機解明を含め捜査を続けている」(社会部記者)
大木滉斗容疑者は大阪府内の公立高校を卒業後、和歌山県内の国公立大学に進学。その後大学を中退し、神岡さんと同じ中央区のマンションに一人暮らしするようになった。
親子ほど年の離れた2人の間に、いったい何があったのか。マンションの住民たちに話を聞くと、神岡さんのことを知る人は複数いた。男性住民の話。
「このマンションは独り身の人が多いから、近所付き合いがほとんどないんですけど、被害者の方は見たことがあります。身長の低い方だから、目立つんです。エレベーターで何度か乗り合わせたことがありますが、服装からサラリーマンなんだな、と思うくらいの印象でした。
土日休みなのか、週末に見かけることが多かった。すぐ横のコンビニで何度も会いましたが、最後に見たのは去年の秋くらいだったかな。事件に巻き込まれるようなタイプの人には見えなかったので、驚きです」(男性住民)
また、別の女性住民も神岡さんを何度も見かけたことがあったという。
「杖をついているときもありましたし、足を引きずっていたので、足が悪いようでした。あと、今回のニュースを聞いて思い出したことがあって……」
女性住民は、昨年は昨年10月から今年1月にかけて悩まされてきた“恐怖体験”について語り始めた。
深夜3時に部屋のインターホンが…
「私の部屋のインターホンが、深夜に鳴ることがあったんです。それも何度も。最初は10月で、深夜3時頃でした。
このマンションはオートロックで、マンションの正面玄関と部屋前の2か所にインターホンがあり、それぞれ呼び出し音が違うんです。深夜3時に、正面玄関のインターホンを押さずに他の住民に付いて入るなんて、怪しまれてできないはず。だから住民が鳴らしているはずなんです。
ただ、エントランスへの来訪者はモニターで確認できるのですが、部屋前にはモニターがないので誰が訪ねてきたのか確認できなくて。本当に怖くて、身動きもできず、ドア穴をのぞくことができませんでした」
その後、「1月中頃までに5回ほど部屋前のインターホンが鳴った」のだという。
「それも毎回、決まって一度だけインターホンを鳴らすんです。1月中旬以降はインターホンが鳴ることがなくなったので、忘れかけていました。でもこの事件の報道を見て思い出しました。容疑者のことはまったく知りませんが、住民を無差別に狙っていたのだとしたら、怖すぎます……」
「文春オンライン」は2月4日公開の記事で、このマンションの別の男性住民が、大木容疑者から「付けられてるんちゃうか」と思った出来事について報じている。マンションから2キロほど離れた自身の職場前に大木容疑者が佇んでおり、自分のほうをジッと見つめていたことがあったのだという。
容疑者は事件発生からしばらく経った1月10日、市内のコンビニで、神岡さんのキャッシュカードを使い合計50万円を引き出したことがわかっている。
NEWSポストセブンは、2月7日に配信した記事(《バラバラ遺棄後に50万円引き出し》「大阪のトップ高校代表で研究成果を発表」“秀才だった”大木滉斗(28)容疑者が陥った“借金地獄”疑惑「債権回収会社が何度も…」 )で、大木容疑者に債権回収会社や弁護士事務所から借金取り立ての連絡が来ていたこと、経済的に困窮していた可能性があることなどを報じている。
なぜ神岡さんは命を落とさなければいけなかったのか。なぜ容疑者は凶行に至ったのだろうか──。
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